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海外渡航の必須アイテムに!? 新型コロナの“ワクチンパスポート”

ananweb / 2021年9月3日 22時10分

海外渡航の必須アイテムに!? 新型コロナの“ワクチンパスポート”

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ワクチンパスポート」です。

海外渡航で必須になるアイテム。デジタル化を求む。

7月より、新型コロナウイルス感染症のワクチンパスポート(接種証明書)の申請受付がスタートしました。これは海外渡航を予定している人のみに申請資格があり、各市町村が受付窓口になります。カンヌ国際映画祭では、参加者にはワクチンパスポートか2日以内の陰性証明書が義務づけられていました。このように諸外国に旅するときにこれからは必須になってきます。

ワクチンの接種証明書自体は目新しいものではありません。たとえば、アフリカに行くには黄熱病の予防接種証明書が必要です。新型コロナウイルスのワクチンパスポートに関しては、ヨーロッパではブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、ドイツなどの7か国が「EU Gateway」という仕組みのなかでワクチン接種情報を共有しており、「EU Digital COVID Certificate」というスマホアプリから、QRコードを表示して確認する証明書を活用しています。日本ではデジタルなのか紙で発行するのかが争点になっていましたが、当面は紙の書面で運用することになりました。

経団連は6月末に、ワクチンパスポートの早期活用を求める提言を政府に提出しました。ワクチンパスポートを提示することで、イベント会場の優先的な入場や、飲食店の割引、特典が付与できる仕組みを作り、経済活性につなげたいという狙いでした。これに対し、「現時点では運用は考えていない」と河野ワクチン担当大臣は回答。ワクチンを打つ、打たないは個人の選択に委ねられており、それにより不公平が生じることは避けたいという理由です。企業内でも、ワクチンを打たない選択をした人が差別される問題が起きており、慎重な議論が必要です。

また、ワクチンパスポートに関しては、証明書発行のための世界的なルールがまだ存在していません。偽造防止対策も行わねばならず、なかなか進んでいないのです。

デジタルの活用は、日本は世界のなかでも大変後れをとっています。新しい技術を持ったベンチャー企業とともに、透明性の高いプラットフォームで、新しい技術が国の仕組みに活用されていくことを強く期待したいと思います。

堀潤 ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。

※『anan』2021年9月8日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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