いま、寝冷えが怖い…! 実は簡単「季節の変わり目の不調を防ぐ」毎日習慣 #125
ananweb / 2021年9月9日 19時30分
気温が下がり、一気に秋めいてきました。寒暖差にカラダがついていけない人も多いでしょう。そこで漢方薬剤師の大久保愛先生が、冷えによるお腹の不調を防ぐ簡単な方法を教えてくれます! お手軽な腸活、菌活で快調に秋を過ごしましょう。
夏から秋へ。体調を崩していませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 125
最近、涼しいを通り越して、肌寒い日が増えてきましたが体調お変わりないでしょうか? 出かけるときは何かを羽織るか、半袖でいいのか、寝るときは冷房をかけるか、どんな布団をかけるかなど少し悩む時期になってきましたよね。
今、実際お腹を触ってみて、冷たいと感じたりしないしょうか。季節の変わり目の温度変化に体がついていかず、体調を崩してしまう人は多いですよね。なかでも、お腹が冷えてしまいお腹の張りや便秘、残便感、軟便、下痢など腸の不調を感じている人は注意が必要です。
皆さんご存じの通り、腸の状態は、免疫やメンタル、お肌の状態に大きく関わる部分だからです。単純に便秘だったりお腹が出ていて困るというような話ではないのです。間接的に全身に影響を与えてしまうので、この時期は冷えに注意しつつも、腸を整えるべく菌活をしていくことがおすすめです。ということで、今週は菌活をして季節の変わり目に負けない食薬習慣を紹介します。
今週は、菌活のための食薬習慣
日々寒暖差があり、今日寒くなるかどうかわからないこの時期は、とりあえず腹巻習慣をつけるのが簡単な対策です。衣替え状況や人に与える印象などには関係なく、腹巻ならいつでもつけることができますよね。寝るときにもとりあえず腹巻をしていたら、暑くて布団をはがしてしまっても安心です。とにかくお腹を温め胃腸の機能を守ることをしましょうね。
そして、お腹が冷えてしまい胃腸の働きが止まっている状態を漢方では、『脾気虚』といいます。そして、『脾気虚』の人は免疫が低下しやすかったり、疲れやすくなるとされています。漢方薬としては、『気』を補う代表的な『補中益気湯』を使ったりします。
さらに働きが悪くなると、『安中散』や『真武湯』など胃腸の働きを助けるものを選びます。ですが、ここまで進行する前に菌活をすることで、『気』を補いながら腸を動かしていく対策をとっていくと不調を感じる前に対処できるのできるので快適に秋を迎えることができます。今週、食べるとよい食材・メニューは、【もずく納豆】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:もずく納豆】
作り方は、簡単です。もずくと納豆を混ぜるだけです。オクラや山芋を和えて、ネバネバを強化したり、スプラウトやベビーリーフなどとあえてサラダ風にしたり、大葉やミョウガやネギなどとあえて香り高くしたりとお好みでアレンジしてみてくださいね。
【もずく】
もずくには、水溶性食物繊維の一種であるフコイダンやアルギン酸などが多く含まれるため腸内環境を整えたり、血糖値の急上昇を抑える働きなどがあります。特に、フコイダンには、免疫機能の強化が期待でき、ウイルスやアレルギーの症状に悩む人のサポートとしても役立ちます。また、アルギン酸は、アルコールの吸収を穏やかにしたり、有害物質を排泄する働きもあるため、ステイホーム中のおつまみとしてもおすすめです。
【納豆】
納豆は、大豆を発酵させたものなので大豆自体の栄養素であるタンパク質やビタミンB群も多く含み『気』を補うことに役立ちます。それに加え、納豆菌は熱にも強い菌で腸まで届き、小腸の免疫細胞を活性化させます。また、熱には弱いですが、納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素には血液をサラサラにする働きがあります。
ただ混ぜるだけのレシピですが、腸内環境を整えながら、タンパク質など体を動かすために最低限必要な栄養素も一緒に摂ることのできる素敵な1品です。今週はお腹のことをいたわるために腹巻×菌活を意識してすごしてみてくださいね。ほかにも腸活のレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©PixelsEffect/Gettyimages
©Agnieszka Marcinska / EyeEm/Gettyimages
©Westend61/Gettyimages
文・大久保愛
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