セロトニンは増える! メンタルを安定させ「だるさや眠気を改善する」簡単な方法 #135
ananweb / 2021年11月18日 21時0分
過ごしやすくなったというのにカラダはだるく、日中の眠気も酷い。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、最近そんな不調を抱える人が増えているのだそう。そこで、愛先生が「ダルい眠いを軽減する」方法を教えてくれます!
最近、カラダが重ダルいと感じていませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 135
雲の少ないほのぼのとした気候が続きますね。そして、世の中は年末に向けて忙しさを加速させていきます。過ごしやすい季節のはずなのに、なぜか体はだるく疲れているような感覚になることはないでしょうか。寝ても寝ても疲れがとれなくて困っている人も多いようです。これを『秋うつ』などと呼ぶ人もいるくらい、よくあることみたいですね。
だからと言って、安心してはいられません。気候に負けず、今この瞬間を充実させ楽しく過ごしていくためには対策をとらなければいけません。すがすがしい気温と空気を感じるこの季節ですが、うつうつとしてしまう原因も秘めている季節でもあります。そこで、今週はダルい眠いを軽減する食薬習慣を紹介したいと思います。
今週は、ダルい眠いを軽減する食薬習慣
やることはたくさんあるのにはかどらない…。どんどん期限が切迫したタスクが積み重なり現実逃避したくなるということはないでしょうか。誰もが一度は経験したことのあることだと思いますが、この時期はだるくなったり、日中の異常な眠気におそわれたりと、思うように行動しにくい環境でもあります。
というのも、朝晩だけでなく、日によって寒暖差が大きくなり、体温の調節に体が疲れてしまい、自律神経を乱しやすくなってしまうからです。それに加え、メンタルを安定し平常心を維持するために必要な『セロトニン』という神経伝達物質が、日照時間の減少と共に減少傾向となります。
そこで今週は、『セロトニン』に注目した食薬習慣です。腸にはセロトニンの多くが存在し、それが脳にも影響しています。そして、セロトニンの原料としては、アミノ酸の一種トリプトファンやビタミンB6などが欠かせません。そのため、食べ過ぎ、偏食で腸の調子が悪い、漢方で考える老廃物『痰湿』をため込みやすい生活習慣の人や栄養不足である『血虚』となっている人は注意が必要です。今週食べるとよい食材は、『痰湿』を除去し、『血』を補う食材です。食べるとよい食材・メニューは、【ブロッコリーとマイタケのカレー】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ブロッコリーとマイタケのカレー】
疲れたときには、簡単なカレーを作って数日食べて過ごすという人も多いのかなと思います。なので、具材としてより効果的なものを紹介したいと思います。作り方は、いつものカレーの具材としてブロッコリーとマイタケを使うだけです。
【ブロッコリー】
セロトニンは、アミノ酸の一種であるトリプトファンとビタミンB6を多くとることで効率よく生成が促されます。ブロッコリーには、トリプトファンも含まれますが、特にビタミンB6が多く含まれている特徴があります。カレーを作るときには基本的にお肉を入れると思いますが、お肉にはトリプトファンが豊富に含まれています。そのため、ビタミンB6を多く含むブロッコリーを意識的に使うことが『血虚』の改善になるためおすすめです
【舞茸】
腸には、セロトニンの多くが存在し、それが脳へも影響します。そのため、腸内環境を整えることは、セロトニンを増やすうえで欠かせないことです。そこで、腸内環境を整え『痰湿』を除去できる水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を多く含む舞茸が役立ちます。さらに、日照時間の減少に伴い減りがちなビタミンDの補給にも役立ちます。ビタミンDは、腸壁の修復や免疫のサポート、骨を丈夫にするために役立つ栄養素です。
疲れたときに頼りがちなメニューであるカレーの具材として紹介しましたが、舞茸とブロッコリーを焼いてマスタードであえたり、カレーパウダーとあえて炒めたりお好きな方法でとりいれてみてくださいね。ほかにも疲労を回復するレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©Westend61/Gettyimages
©Jamie Grill/Gettyimages
©Francesco Carta fotografo/Gettyimages
文・大久保愛
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