彼の指使いに思わず…30歳女性が感じた「運命の人と出会った」瞬間
ananweb / 2021年12月9日 21時0分
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、ゲームが趣味の30歳女性。恋愛に興味はあるが、マッチングアプリの恋活は腰が重い。ある日、いつものようにオンラインゲームをしていたら…。三松先生がおすすめの出会い方を教えてくれます!
翔子(29歳)恋活力レスでゲーム漬けの日々。でもまさかの出会いが!
【レスなひとびと】vol. 140
「マッチングアプリって、なにが楽しいんだろ」
もうすぐ30歳の翔子。気づけば5年くらい彼氏がいない。そろそろ焦らなければ「おひとりさま」の老後になりそう。ママの姉の、めぐみおばちゃんが独身のまま64歳に。
会うたびに、
「ものすごーーく寂しい。熱出て苦しい夜には涙が止まらない。翔子は、おばちゃんみたいになっちゃだめよ…」
と、寂しそうに言う。
締めは必ず「お墓参りは来てや。翔子しか来てくれる人いないもんなあ」。悲しい言葉ばかり。
ただ、翔子に恋活する気力がわかないのも事実。仕事帰りに開くのはもっぱらTwitter。疲れた帰り道に、マッチングアプリを開いてメッセージを送り合う気力はない。まだ仲がよくもない相手と、猫をかぶってやりとりするのは疲れる。
Twitterの趣味アカウントでつぶやく。
「帰宅中〜。21:00からプレイできる人、いませんか?」
翔子は、とあるバトルロイヤルゲームにハマっているのだ。オンラインでチームになって、敵と闘うゲーム。さっそく、fumitoからリプライがきた。
「21時から入れます! 仕事お疲れ」
fumitoとは、最近よくペアを組む。
「はー、危なかった。フォローありがと」
「こちらこそ!」
ボイスチャットでつながりながらプレイする。fumitoとは、けっこう、息が合ってやりやすい。
大体5回くらいプレイしたあとは、休憩を挟む。このときの雑談が、意外と癒しになってたりして。気負わず話すので、職場の友達よりお互いの仕事観や恋愛観、生活のリズムなんかも知っている。
「あれ? 今日はこんな遅くまで大丈夫なの?」
「このまえ話してたプロジェクトがやっと終わってさ! 夜更かし可能なんだ」
「えっ、お疲れ。しかも今日は金曜日だし。乾杯しようよ!」
画面越しに、プシュッ。
思ってしまった。fumitoとリアルに会って乾杯したら楽しいだろうな、と。
「ねえ、今度直接会ってゲームトークでもしない? 電車で1時間かからないとこに住んでるよねー」
ゲームトークというのは照れ隠しだけど、会ってみたいと勇気を出して伝えたら、fumitoも、同じことを思っていたらしく。
なんと翌日、会うことになった。
お互い食の好みが似ていて子ども舌。気取らないオムライス屋さんで落ち合う。
「はじめまして。…っていうのも変かな、翔子です」
「史人です。翔子さん、なんかイメージ通り」
「そう?」
照れながら笑い合って、あっという間に打ち解けた。共通のテーマがあると、沈黙タイムがない。
ゲームって最高。
今までマッチアプリで会ったどの人よりも楽しい。
イケメンというわけじゃないけど、気が合うし。よく見ると、指が長くてきれい。この指で、コントローラーをいじっていたんだな。この指が、私の体をなぞったら…どんなかな、なんてエッチなことまで考え始めた。
気づいたら、史人のこと…かなり好き。大好きなゲームが、まさか恋につながるなんて。ブラボー!
【三松さんからのコメント】
翔子さん、思わぬところに出会いがありましたね。
オンラインゲームが必ずしも恋の出会いにつながるとは限りませんが、楽しみながら気の合う彼氏を見つけることができるなら一石二鳥。恋活に乗り気になれないときは、ゲームに打ち込むのもありですね。
マッチングアプリだと、どうしても相手のルックスや年収、仕事などに目がいってしまいがち。大切な直感が乱れます。
私の言葉で言い換えると、
「男を見る目が曇る」。
ブサでも誠実なメンズ、高収入のヤリチンくず男、無口だけど気が利くメンズ、ルックスは好みだけど最低ファッションセンス…さあどうする?! 的な条件チョイスになっちゃうでしょ。
一方でオンラインゲームだと、翔子さんと史人さんのように、価値観ベースで仲を深められます。好きなことをする場での出会い全般に言えることですが、趣味が軸にあると、素の自分で交流しやすい。ルックスやステータスに自信がない人や、お互いの価値観を重視したいという人に、趣味の場での出会いは向いているでしょう。
あくまで出会いを目的にしてはいけません。純粋に楽しむ姿、打ち込む雰囲気に惹かれ合うのが王道です。親しくないうちから連絡先を聞くのはご法度。ゲームで出会いが欲しいという人にはゲーム型マッチングアプリもあるので、探してみるといいですね。
自分が夢中になれることがあるって、恋を呼び寄せる鍵になるものです。
「恋愛探しの欲を捨て、自分の趣味の場に没頭するもいいだろう。あなたが輝ける場を作る方が、マッチアプリよりいい出会いがあるんじゃない」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。
©nd3000/Gettyimages
文・三松真由美
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