矢島舞美「℃-uteのメンバーが“家族”なら、ファンは“戦友”」
ananweb / 2022年1月14日 20時30分
高いパフォーマンス力でアイドル史に名を刻んだ「℃-ute」のリーダーにして5代目ハロプロリーダー・矢島舞美さんが振り返るグループ、同期、そしてハロプロの絆。
ストイックなまでの美意識とダンスパフォーマンスで独自のアイドル道を極めた「℃-ute」。2005年の結成から’17年の解散までグループを支えてきたのが、元リーダーの矢島さん。
「℃-uteのメンバーを一言で言うと“家族”。10歳の時から練習も食事も移動もずーっと一緒だったメンバーは、好みも考え方もそっくりでした(笑)」
12年間にわたる活動期間は山あり谷あり。それでもパフォーマンスを磨くプロフェッショナルな姿勢にリスペクトが集まり、いつしか“アイドルが憧れるアイドル”と呼ばれるまでになった。
「そう言ってもらえるようになったのは、メンバー全員が向上心を持ち続けられたから。みんなモーニング娘。さんに憧れて入ってきたので、『あんなふうにかっこよくなりたい』って思いが強かったんです。特にライブは『常に前回を超える』ことが目標。露出度高めの衣装でのポールダンスとか…ファンの方が驚くようなことも、かっこいいと思うことは挑戦して、大人の私たちになろう! って励まし合い練習していました」
また、ひとりひとりの美意識の高さもプロに憧れられた理由の一つ。℃-uteの代名詞になった高いヒールでのハードなダンスも、そこから生まれたものだった。
「高いヒールはスタイル良く見えるし、これで思い切り踊れたらかっこいいよね! って、メンバー誰からともなく言い出して。ダンスに力を入れ始めてからはレッスンに毎回1時間の筋トレが加わってキツかった…(笑)。でも辛い時こそ、私が弱音を吐いちゃダメ。リーダーは背中を見られている、という意識は常にありました」
その責任感が評価されてか、’14年には道重さゆみさんの卒業を受けて、ハロー!プロジェクトの5代目リーダーに就任。それまでのリーダーは全員モーニング娘。出身のメンバーから選ばれてきただけに、矢島さんの抜擢は驚きをもって受け入れられた。
「私もびっくりしました! でもうち(℃-ute)のメンバーが『舞美ちゃんすごい!』って大喜びしてくれたんですよ。一番近くにいるメンバーがそう言うならって、私も前向きになれました」
美しいお姉さん的ビジュアルとは裏腹の天然キャラ、そしてメンバーの卒業時に書いた長く愛ある手紙。温かい人柄で新しいリーダー像を切り拓いていった。
「確かに私は引っ張るよりも、周りが『リーダーを支えなきゃ』って団結してチームが強くなる系のリーダーでしたね(笑)。でもつばきファクトリーの山岸理子ちゃんとか、ほんわり系リーダーをしっかり者のまわりのメンバーが支えるっていうスタイルは今もハロプログループの一つの形になっているような気がします」
アイドルとして、リーダーとして駆け抜けた15年。一番のモチベーションになっていたのは、同期のBerryz工房の存在。’02年のオーディションで合格した15人のうち8人がBerryz工房で先にデビューし、℃-uteは後発に甘んじた。
「でも彼女たちが前を走ってくれていたからこそ、私も℃-uteも頑張れたんです。特に“ハロコン”前は毎回『うちらの新曲、Berryzにかっこいいって言わせようぜ!』って猛練習して。でも舞台を降りれば仲良し。同い年の“もも”(嗣永桃子)は頭が良くて的確なアドバイスをくれて、私がやらかした時は叱ってくれました。仲良しだけど、心ではバッチバチに意識してる。そんな素敵な相手が私たちにはいたんです。刺激し合えて、認め合える。それもハロプロの良さです」
もう一つ、ハロプロで学んだことがある。それは「コンプレックスを強みにすること」。
「つんくさんはいつも『コンプレックスこそが個性だよ』と教えてくれました。私は小顔に見せたくてサイドの髪を下ろしてたんですけどね(笑)。でもファンの方との信頼関係ができて、どんな私も受け止めてもらえると思えてからは吹っ切れました! ℃-uteが家族なら、ファンは“戦友”。日本武道館でのライブでは始まった瞬間、泣き崩れる方の姿が舞台から見えました。その瞬間、武道館はメンバーだけの目標じゃなかった、ファンも一緒に戦ってくれてたんだって知って…。ファンの人たちはよく私たちの幸せを神社で祈ってくれてたんだそうです。だから私もファンの人に幸せでいてほしいと思い続けています」
今は舞台に軸足を置き、毎回新たな作品に挑戦する日々。いまだに舞台でダメ出しされると「絶対にあっと言わせたい!」という負けず嫌いの血が燃える。
「思えば当時オーディションで受かった15人全員負けず嫌いでしたね(笑)。でもあきらめたらそこで終わり。挑戦し続ければ必ず道は拓けますから。今ハロプロにいる後輩たちにもそれは伝えたいな。それと私もみんなの曲を聴いて、元気もらってるよ! って」
やじま・まいみ 1992年2月7日生まれ、埼玉県出身。2002年にオーディションに合格し、’05年に℃-uteを結成。’14年、5代目ハロプロリーダーに就任し、’17年に卒業した。現在は俳優、雑誌のモデルとして活躍中。「矢島舞美/カレンダー2022」が好評発売中。
ブラウス¥28,600 スカート¥39,600 パンツ¥30,800(以上ア ピューピル/UTS PR TEL:03・6427・1030) 左手のブレスレット¥28,600(プティローブノアー TEL:03・6662・5436) 右手のバングル¥41,800(イー・エム/e.m. PRESSROOM TEL:03・6712・6798) その他はスタイリスト私物
※『anan』2022年1月12日号より。写真・大辻隆広(go relax E more) スタイリスト・番場直美 ヘア&メイク・草場妙子 取材、文・大澤千穂
(by anan編集部)
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