登録者数約316万人! 大人気実況者・ポッキー「誰も知らないゲームを選ぶために…」
ananweb / 2022年2月2日 19時10分
メジャー作品からマニアックなインディーズタイトルまで、幅広いジャンルのゲーム実況を行うポッキーさん。高校卒業と同時にYouTuberとして生きる覚悟を決めて上京し、今やチャンネル登録者数約316万人を誇る人気実況者に。『グランド・セフト・オート5』の山頂からバイクで高速下山するネタ動画は、現在までに1100万回以上も再生されている。そんなポッキーさんの初めてのゲーム体験は、8歳の頃に見つけた父親のスーパーファミコンだった。
苦手だったホラーゲームが、チャンネルの色になった。
「横スクロールの『ミッキーのマジカルアドベンチャー』でずっと遊んでました。あとプレイステーションの『クールボーダーズ』っていうスノーボードゲームも。延々滑るだけなのに面白かった」
リアルタイムではない、父親世代の2つのソフトにのめり込んだポッキーさん。小6になって、初めて自分のゲーム機を手にした。
「二つ折りのゲームボーイアドバンスSPと『マリオvs.ドンキーコング』というパズルゲームを買ってもらいました。おもちゃ屋に行くたびに眺めてたゲームで、その一本をずーっと遊びましたね」
ゲームキューブの『マリオカートダブルダッシュ!!』で対戦ゲームの面白さを知り、友達や妹と『マリオパーティ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』を遊んだ。中学生になると、PSPの『モンスターハンターポータブル3rd』を持ち寄ってみんなで狩りに出かけた。アドホックモードを使えば、近くにいるプレイヤーと同じフィールドで遊べたのだ。
「別売りの機器を繋げればオンラインでも遊べたんですよ。でも集まって遊んだほうが面白くて。クエストが受けられる集会所に温泉があって、狩りのあとはみんなでお風呂に入ってました(笑)」
その裏で、実は13歳で実況を始めていたポッキーさん。現在のチャンネルを始める前に、YouTubeで動画を公開していた。
「よく『モンスターハンターフロンティアオンライン』のゆっくり実況(音声合成ソフトを使った実況動画)なんかを見てたんです。なんとなく自分も真似したいと思い始めて、確か最初に投稿したのは『モンスターハンターポータブル2nd G』。音声のないプレイ動画でしたけど、コメントが来るのが嬉しくて続けました」
その後、2013年に本格的にポッキーとしてチャンネルを立ち上げる。ゲームとの付き合い方も徐々に“友達と遊ぶもの”から“撮るもの”に変化し、苦手だったホラーゲームもポッキーさんの代名詞のようになった。
「怖くてあんまりプレイしてなかったんですけど、実況だと面白いんですよね。ドキドキするし、怖いシーンも耐えられる。それで、実況を始めて2~3年経った頃に『サイコブレイク』をやってみたんです。それまでホラーに触れてこなかったから微妙な反応もあったけど、新しい視聴者も増えて、徐々に“ホラーゲームの人”として認知されるようになりました」
『バイオハザード』シリーズや『アンティル・ドーン 惨劇の山荘』といった名作ホラーに限らず、海外のレアなインディーズゲームも貪欲に取り上げる。ポッキーさんが選ぶのは、人食い猿と鬼ごっこをする『ダークディセプション』や、隣人に襲われる『ホームセキュリティ』など、怖くて笑えるホラーばかりだ。
「実況って、基本的に流行っているゲームの動画が人気なんですけど、なぜか僕の場合は見たことがないゲームのほうが再生回数が伸びやすくて。見る側も新鮮に楽しめるんでしょうね。誰も知らないゲームを選ぶために、海外のサイトは毎日チェックしています」
個人的に好きなのは、映画のような人間ドラマだという。キャラクターの関係をしっかり描写した物語に惹かれるのだそうだ。
「例えば『デトロイト』は3人のアンドロイドが主人公のアドベンチャーゲーム。プレイヤーの選択ごとに物語が分岐するので結末も無数にあり、プレイヤーの色が出るのが面白かったです。サバイバルホラーの『ラスト・オブ・アス』は、未知の寄生菌が猛威をふるう世界で、娘を亡くした中年男性と14歳の少女が信頼を築いていくドラマ。プライベートでクリアして、あまりに素晴らしかったので改めて実況でも撮りました。反応も良かったので、やっぱり自分が楽しめるゲームを紹介するって大事だなと」
ゲームが苦手な人も、楽しめるチャンネルに。
動画投稿は、できる限り1日1本と決めている。撮影後は即アップロード。常に“撮って出し”の新鮮な動画を公開している。
「朝は10~11時くらいに起きて、まずはメールや打ち合わせ。それから動画を撮影します。プレイしたら夜にはアップして、次の日のゲームを決めてから寝る。ゲームのビジュアルは動画のサムネイルにも影響するので、わりと時間を割いて選びますね」
スタジオを兼ねる自宅の一室で撮影と編集をこなす。ルーティンは平日も土日も変わらない。
「何本かまとめて撮ることもありますが、そうするとあんまり気持ちがのらなくて。ほぼ毎日更新していればみんなに楽しんでもらえるし、新しいゲームもキャッチしやすいですしね。1日に1本、やりたいゲームを選んで、楽しみながら全力で撮るのが好きなんです。それに、もはや撮らないと落ち着かない。1週間くらい休んだときは、気づいたら“何しよう、今日”って呟いてました(笑)」
自己分析すると「腰が重くて挑戦が苦手なタイプ」。本音を言えば実況だけしていたいけれど、チャンネルには雑談だけの「ポキラジオ」や、マスク姿の実写動画も充実している。『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』のVRゲームのプレイ動画は、ワイプのドタバタを含めて面白い。
「ゲームに興味ない人にも楽しんでほしいなと思って始めました。実況だとつい“ポッキーさん”のモードになって素が出せないけど、雑談や実写は友達と遊ぶような緩さを出せる気がして」
最近は実写に力を入れ、週に1日は撮影日を設けているという。
「見てもらえなくなってからでは遅い。多くの人に届けるためにも、チャレンジし続けたいと思います」
大切なゲーム
『マリオvs.ドンキーコング』
ゲームボーイアドバンス用のパズルアクションゲーム。盗まれたミニマリオを取り戻すため、時間内に鍵を取りドンキーコングを追いつめる。©2004 Nintendo Developed by Nintendo Software Technology Corporation
次に遊びたい一本
『星のカービィ ディスカバリー』
「Nintendo Direct 2021.9.24」で発表された『星のカービィ』シリーズ初となる3Dアクションゲーム。公開されたプレイ動画には、廃墟と化した都市のようなフィールドを自由に駆け巡るカービィの姿が。おなじみの吸い込みアクションもコピー能力も健在で、フィールドではマップ上の敵をリアルタイムに倒していく模様。3月25日発売予定。「横スクロールからスタートしたカービィのゲームが、ついに3Dアクションに。かなり気になってます」
ポッキー/チャンネル登録者数 316万人
ポッキー 2011年から動画投稿を始め、’13年に現在のチャンネルを開設。「ポキラジオ」などをアップするサブチャンネル「ポッキーの休憩所」も運営している。初のエッセイ『エンディングにはまだはやい』(KADOKAWA)発売中。
登録者数は1月20日現在
※『anan』2022年2月9日号より。写真・五十嵐一晴 ヘア&メイク・小宮四海(CharmeR) 取材、文・飯田ネオ
(by anan編集部)
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