不眠の人が増えてます! 自律神経を整えて「ぐっすり眠れる」簡単な方法 #151
ananweb / 2022年3月11日 20時0分
中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、春へと季節が変わる今の時期は、気候や環境の変化、花粉などの影響を受けて自律神経が乱れ、睡眠の質が下がる人が多いよう。そこで愛先生が、ぐっすり眠れる簡単な方法を教えてくれます!
最近、しっかり眠れていますか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 151
今年2022年の3月中は、全国的に気温が例年よりも少し高くなるといわれています。来週には東京、福岡では桜の開花が予測されていて、どんどん春へと向かうスピードが加速していきます。北日本では雪解けも加速していくことだと思います。ひどい冷え込みを感じる日は徐々に減り、春の訪れを感じる草花は増え、お散歩したくなるような陽気の日が増えていきますね。
体力、気力も春に向けて十分にチャージされていたら、春を心地よく受け入れることができると思います。ただ、頻繁な気候の変化、環境の変化、花粉など、私たちの体を揺らがせてしまう要素が多数存在する春には、自律神経を乱し、ぐっすりと眠れず、疲れをとることができていない人も増えていきます。そこで、今週は春の睡眠の質を改善する食薬習慣を紹介します。
今週は、睡眠の質を高める食薬習慣
最近、寝つきが悪い、途中で目が覚める、悪夢を見る、朝方起きるなど睡眠にまつわる悩みが増えていませんか? 目まぐるしい気候と環境の変化が重なる今の時期には、不調の一つである睡眠の問題が増えやすくなります。
漢方では、春に『肝』が弱りやすくなり、『肝血』が不足したり、『肝気』が滞ったりすることで、神経質になりすぎたり、些細なことに傷ついたり、考えすぎたり、怒りっぽくなってしまったりと感情のコントロールができなくなってしまったり、それにともなって睡眠の質を低下させてしまうことがあります。
そこで、『肝血』を補うタウリン、鉄、マグネシウム、アミノ酸、ビタミンB群などを含むと『肝気』の巡りを改善する柑橘系の食薬がおすすめです。今週食べるとよい食材・メニューは、【あさりと小松菜のレモンソテー】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:あさりと小松菜のレモンソテー】
作り方は、まずあさりを砂抜きします。刻んだニンニクを炒め、小松菜、あさり、酒、醤油を加えて、あさりの殻が開いたらレモン汁をたっぷりしぼったら完成。
【あさり】
高タンパク、低脂質、低糖質、低カロリーな食材なのに栄養満点なのが、貝類。肝臓の働きを整えるタウリン、オルニチンなども含み、鉄、亜鉛、カルシウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。『肝血』を補うために非常に有効であり、今が旬の貝類は、不調を感じているときには率先して取り入れていきましょう。
【レモン】
ビタミンCを多く含むレモンですが、鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネラルの吸収を高めてくれる働きがあります。また、酸味成分の一つでもあるクエン酸は、肝臓の働きを助けてくれます。また、レモンの香りは『肝気』の巡りを改善し自律神経を整えるためにも役立ちます。
睡眠は、体力をつける、ストレス耐性をつける、老化防止のためにも必要不可欠です。もし、今睡眠に問題がある人は、早めに対処し、心バテと体バテを引きずらないようにしましょう。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©Kristina Akimenko / EyeEm/Gettyimages
©Boy_Anupong/Gettyimages
©Ada Summer/Gettyimages
文・大久保愛
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