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南沙良「自分ではない誰かになれる瞬間って本当に貴重」 俳優業への強い想い

ananweb / 2022年4月1日 20時10分

南沙良「自分ではない誰かになれる瞬間って本当に貴重」 俳優業への強い想い

’18年公開の初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で数々の映画賞を受賞。新人離れした演技力が高く評価され、その後も話題作への出演が途切れることなく続く南沙良さん。でもその素顔は大の人見知りで、インタビューも得意ではないという。そんな言葉どおり、口数は決して多くはないけれど、大好きなマンガや創作活動に話が及んだ途端、顔がほころび、楽しそうに語る姿が印象的でした。

自分ではない誰かになれる。その瞬間がすごく楽しくて続けてます。



――最新作『女子高生に殺されたい』では、女子高生に殺されたい欲望を持つ教師・東山(田中圭さん)の標的にされる学生の一人・真帆を演じています。真帆は多面性のある難しい役だったと思いますが、どのように役作りを?



南沙良(以下、南):多面性があるからといって、そこまで深くは考えなかったです。でも、いつもだったらあまり役作りをしないんですけど、今回は真帆がこのモードの時はこんな感じかな…っていうイメージを持って現場に向かいました。



――現場で一番苦労したのは?



南:やっぱり多面性のある役なので切り替えが難しかったです。でも自分の中では答えが出なかったので、相手の方のお芝居を受けて、自然に出るものでいいのかなって。



――原作マンガは読まれました?



南:お話をいただく前から、原作は読んだことがあったんです。本屋さんでタイトルにすごく興味を惹かれて…。読んでみたら先の読めない展開でおもしろかったですし、登場人物が全員かわいらしくて、共感できる部分もありました。私はすごく好きな作品ですね。



――共感できたのはどんな部分?



南:真帆は常に不安の中にいるような感覚の女の子なんですけど、そういうところが自分にも重なるなって。お芝居をしている時もその感覚を大事にしながら演じました。



――真帆を演じるということが決まった時の率直なお気持ちは?



南:素直に驚きました。でも嬉しかったですし、多面性のある役を演じるのもすごく楽しみでした。

やめたいと思ったことは今まで一度もないです。



――もともと南さんは、’14年に雑誌『nicola』のモデルとしてデビューされているんですよね。モデルから俳優になろうと思った理由はなんですか?



南:私は小さい頃からずっと俳優になりたかったんです。それを周りに言っていたら、たまたま叔父が専属モデルのオーディションを見つけてきてくれて。なので最初からモデルというより、俳優になりたいという想いがありました。



――なぜそこまで俳優になりたいと思ったんですか?



南:具体的なきっかけがあったわけではないんですけど、ずっと“自分じゃない誰かになりたい”っていう想いがあったんですよね。それを仕事にしている俳優さんってかっこいいなって。私もそんなふうになりたいなって。



――実際に俳優になってみて、幼い頃に憧れていた理想像と隔たりはないですか?



南:大きな違いはないですし、やめたいと思ったこともないです。



――今まで一度も?



南:はい。一度もないです。やっぱり自分ではない誰かになれる瞬間って本当に貴重だと思うんです。それがモチベーションというか、その瞬間がすごく楽しいからこそ続けているんだろうなって。



――ターニングポイントになった作品はなんですか?



南:初めて出演させていただいた’17年の映画『幼な子われらに生まれ』ですね。お芝居自体が初めてで、どうしたらいいのかまったくわからない状態だったんですけど、監督の三島有紀子さんが、「お芝居しようとしなくていい」って言ってくださったんです。「相手からもらったものに対して、役を通して思ったことや感じたことをそのまま投げるだけでいいよ」って。その言葉がすごく心に残っていて、今でもずっと大事にしています。



――では、今まで一番苦労した役はなんでしょうか?



南:なんだろう…? でも今まで何かを抱えているような役が多かったんですけど、ドラマ『ドラゴン桜』で演じた菜緒は、すごく明るいキャラクターだったので、自分の中で新たな挑戦でした。



――普段の南さんとは真逆?



南:そうですね。素の自分とはすごく遠かったです。私は人見知りですけど、菜緒は本当にイケイケな感じで…(笑)。今までそういう役の経験がなかったっていうのもありますが。



――俳優業の傍ら、文芸誌「yom yom」で本格的なエッセイやショートショートも書き下ろされていましたよね。南さんにとって執筆とは、どんなものですか?



南:もともと小さい頃から本や小説を読むのがすごく好きだったんです。文章は日記程度しか書いたことがなかったんですけど、エッセイのお仕事をいただいてからは、日常の中でふと思い立った時に書くようになりました。私、人と喋ることがすごく苦手なので、文字で気持ちを伝えたり、整理したりすることが昔から多くて。そういった意味では、文章で何かを表現するということが、ずっと自分のそばにあったような気がします。



――エッセイ、拝読しましたけど、あれだけのものを俳優業と並行して書かれているのがすごいなって。スラスラと書けるものですか?



南:毎回締め切りギリギリに送っていました(笑)。でも1週間かからないくらいでは書いてましたね。



――書くのは楽しいです?



南:すごく楽しいです! いろんな表現の仕方があるんだなぁって、毎回書きながら思ってます。



――南さんはそんな文学少女であったり、アニメやマンガが好きなオタク気質な一面もあったりと、独特な世界観の持ち主という印象を受けます。そんな南沙良という人のルーツはなんでしょう?



南:なんだろう…。でも小さい頃からずっと一人で遊ぶことが大好きだったんです。本を読むこともそうですし、自分で何かを想像して遊んだりとか、自分の手で何かを作ってみたりだとか。それは今も変わらず好きですし、何かを表現したいっていう想いもそこから来ているんじゃないかなと思います。



――そういったお話を聞いていると、今こうして人前に立つお仕事をされていることが不思議です。



南:お芝居をしている時は大丈夫なんですけど、たくさんの人の前で自分の言葉で喋らないといけない舞台挨拶の時とか、こういったインタビューは今でも正直、得意ではなくて…。舞台挨拶の前は必ず親から「大丈夫? ちゃんとしてね」って連絡がきます(笑)。

映画『女子高生に殺されたい』の原作は古屋兎丸による同名コミック。女子高生に殺されたいがために高校教師になった東山春人(田中)。人気教師としての日常を送りながらも、9年間練り上げた欲望の実現のため、タイプの異なる4人の女子高生にアプローチしていく…。出演/田中圭、南沙良、河合優実、莉子、茅島みずき、細田佳央太、大島優子ほか 4月1日(金)、全国公開。

みなみ・さら 2002年6月11日生まれ、東京都出身。’14年に雑誌『nicola』のモデルオーディションのグランプリを獲得した後、’17年に俳優デビュー。初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で数々の映画賞を受賞し、脚光を浴びる。現在は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演するほか、主演映画『この子は邪悪』の公開を控えている。
ブロックチェックキャミソール¥32,000 ショート丈トップス¥24,000 スカート¥40,000(以上TAN contact@tanteam.jp)

※『anan』2022年4月6日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) スタイリスト・道券芳恵 ヘア&メイク・坂本志穂 インタビュー、文・菅野綾子

(by anan編集部)

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