要潤「日本の美をすごく感じる…」アート好き俳優が語る日本画の楽しみ方
ananweb / 2022年5月20日 20時20分
俳優の要潤さんがオフィシャルサポーターを務める展覧会、『ボストン美術館展 芸術×力』が、7月23日(土)から東京都美術館ではじまります。本展では、古今東西の多彩な作品が集まるほか、「日本にあれば国宝」ともいわれる作品も来日。今回、アートにお詳しい要潤さんに、展覧会の楽しみ方を聞いてきました!
要潤さんがオフィシャルサポーター!
【女子的アートナビ】vol. 245
『ボストン美術館展 芸術×力』では、アメリカのボストン美術館が所蔵する古今東西の多彩な美術作品から、エジプトやヨーロッパ、アジアなどで生み出された選りすぐりの作品約60点を紹介。その半数以上が日本初公開となります。
本展で特に注目されているのは、日本の作品です。遣唐使・吉備真備の活躍を描いた《吉備大臣入唐絵巻大臣》や《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》など、日本にあれば国宝レベルの作品も展示されます。
展示は5章で構成。「芸術と力」をテーマに、力を見せつけ、維持するために芸術を利用してきた権力者たちと、芸術のもつ役割にも迫ります。
なお、本展は一度、2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となっていました。2年の期間を経て、いよいよ待望の開催となります。
今回、展覧会のオフィシャルサポーターを務める要潤さんにインタビューを実施。楽しみにしている作品や好きなアートなどについて、語っていただきました。
要潤さんにインタビュー!
増山雪斎 《孔雀図》江戸時代、享和元年(1801)Museum of Fine Arts, Boston, Fenollosa-Weld Collection Photograph © Museum of Fine Arts, Boston
――まず、今回の展覧会について、どんな印象をおもちですか。
要さん ボストン美術館は、市民のみなさんの有志で維持されてきた美術館です。日本の作品も多いので、一度は行ってみたいと思っていた美術館のひとつでした。今回、オフィシャルサポーターを務めるという機会をいただき、不思議な縁を感じています。
僕自身、いろいろな芸術に触れたり(美術の)番組をさせてもらったりしていますが、ボストン美術館は本当に日本の作品を大切にしているのです。外国の美術館に行くと、外国の作品が主流だと思うのですが、ここまでアジアや日本の作品を大切にしている美術館の姿勢に感銘を受けました。
「日本の美をすごく感じる…」
《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》(部分)鎌倉時代、13世紀後半 Museum of Fine Arts, Boston, Fenollosa-Weld Collection Photograph © Museum of Fine Arts, Boston
――今回の展覧会で、特に楽しみにしている作品を教えてください。
要さん メインのひとつである絵巻です。《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》が一番見たい作品です。
――日本の作品ですね。絵巻とか日本画は、少し難しそうなイメージをもつ人もいるかと思うのですが、要さんはどんな点がお好きなのでしょうか。
要さん このような作品は、社会の授業で習ったりして、断片的に知っているかもしれませんが、身近にはなかなかないと思います。僕たちも、(時代劇などで)役を演じたりすることもありますが、写真があるわけではないですし、当時の人たちに話を聞くこともできない。リアルに感じることができないのです。
今回の展覧会のような機会を利用して本物の作品に触れることで、日本の歴史や日本画に対して、日本人としてすごくインスピレーションを感じる部分があるのではないかな、と思っています。
伝 狩野永徳 《韃靼人朝貢図屏風》桃山時代、16世紀後半 Museum of Fine Arts, Boston, Fenollosa-Weld Collection Photograph © Museum of Fine Arts, Boston
要さん モネやピカソとか見ると、確かに「わっ、上手」とは思うのですが、異国の文化が全部自分の身に染みて感じられるわけではありません。
でも日本画は、日本人の根底にある何かがしっかりと表現されているのを感じられる気がします。色づかいひとつにしても構図にしても、日本の美をすごく感じるので、僕自身は日本画が好きですし、きっとみなさんも理解していただけるのではないかな、と思うのです。
「気持ちをぐっとかき回される感じ」
――要さんは美術の番組にも出られ、いろいろな美術館を訪れていらっしゃると思いますが、はじめて行かれた美術館やアートに触れた経験を教えていただけますか?
要さん はじめて訪れたのは、地元の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館です。小学生くらいのときに、家族と行きました。
――猪熊さんの作品は現代アートで難解なイメージがありますが、お子さんのときに見られてどうでしたか。
要さん 当時は「なんだこれ」みたいな感じでしたけれど(笑)、周りの大人たちがすごく楽しそうに見ていたので、「きっとこれはすごいものなのだろうな」という感覚でした。作品を見たときの感想は、気持ちをかきたてられ、ぐっとかき回される感じです。はじめてそういうものに触れる経験をして、衝撃的だったという記憶があります。不思議な感覚でした。
――今、お好きなアートや美術館はありますか。
要さん 現代アートの作家さんで、大巻伸嗣さんの作品は好きで、何点かもっています。好きな美術館は、箱根の彫刻の森美術館です。自然が好きで、自然と彫刻が一体化されているところがいいです。地元である香川県の直島とか瀬戸内海の島々でも、自然の中にぽつんとアートがあります。箱根は、そこの雰囲気とも似ているので、好きですね。
――ご自身でも絵を描かれるのですよね。油絵もはじめられたそうですが、どんな絵を描かれているのですか。
要さん 描くのは風景が多いです。自然が好きなので、どうしても描きたくなります。季節の移ろいとか、今このときにしか見られない風景を自分のなかで探して描いています。
――いずれ発表されてはいかがでしょうか。
要さん いやいや、お恥ずかしいので(笑)。
「僕も楽しみにしています」
――最後に、この展覧会を楽しみにしているファンのみなさまにメッセージをお願いします。
要さん ボストン美術館展が、今年ようやく開催されます。この美術館には、日本の作品がたくさんあり、日本にくると国宝級といわれている作品も数点あります。ぜひ、この機会を見逃さないようにしていただきたいです。僕も楽しみにしていますし、一緒に体感できたらいいなと思います。
――いろいろお話いただき、ありがとうございました。
インタビューを終えて…
要さんのお姿は、まさにアートのように端正で美しく、お話されているときの表情も穏やかで、本当にステキな方でした。質問にも丁寧に、やさしいお声でお話くださるのですが、その内容が深く、特に日本画の楽しみ方については目から鱗で、すごく勉強になりました。
本物の「日本の美」をはじめ、多彩な作品に出会える『ボストン美術館展』、どうぞお見逃しなく!
展覧会は7月23日開幕。チケットは7月1日発売開始予定で、日時指定予約制です。
Information
会期 :2022年7月23日(土)~10月2日(日) ※休室日は月曜日、9月20日(火) ※ただし8月22日(月)、29日(月)、9月12日(月)、19日(月・祝)、26日(月)は開室
会場 :東京都美術館 企画展示室
開室時間 :9:30~17:30 ※金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
観覧料 :※本展は日時指定予約制
一般¥2,000、大学生・専門学校生¥1,300、65歳以上¥1,400 高校生以下無料(日時指定予約必要)
※最新情報は展覧会公式サイトでご確認ください
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
All photographs © Museum of Fine Arts, Boston
衣装ブランド名/カナーリ
メーカー名/コロネット
問い合わせ先/03-5216-6521
値段/¥316,800(税込)
スタイリスト/今井聖子(Canna)
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