ベタつきや赤み、肌トラブル多発! 梅雨、夏の「肌荒れがよくなる」簡単な方法 #163
ananweb / 2022年6月3日 20時10分
関東地方は梅雨を感じさせるような湿度の高い日が多くなりました。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、この時期の特徴に加えて、新生活のストレスやGW時の食べ癖などが加わり、肌の状態が悪くなりやすいのだそう。そこで、愛先生が簡単にできる肌トラブル対策を教えてくれます!
最近、肌荒れに悩んでいませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 163
気温はじわじわと上がり、夏を思わせる日も増えてきましたね。それとともに、梅雨を目前にして雨の日も増えてきました。やはり今年も6月は高温多湿な環境になりましたね。
室内の除湿が必要な日も増えてきましたが、お肌も一緒にベトベトオイリーで赤みが出てきたり、湿疹が出てきたりして、保湿はしたいけれども相反して除湿したくなるような状態に悩む日もでてくるかもしれません。これは、高温多湿な環境にも影響しますが、今までの食べ癖なども影響してきています。そこで、今週は湿疹、オイリー肌、赤ら顔などの肌トラブルの対策となる食薬習慣を紹介していきます。
今週は、肌トラブル対策となる食薬習慣
蒸し暑くじんわりと汗をかく気候になってきましたね。高温多湿の環境は、汗をかいても汗が蒸発しづらくなるため、体に熱がこもりやすくなることがあります。また、4月からのストレス、5月のGWからの食べ癖などが重なり、好きなものを好きなだけ好きなタイミングで食べてしまうことはないでしょうか。
食事の偏り、常に何かを食べていたり、空腹を感じることがないような生活は、体の中に老廃物をため込みやすくなったり、炎症を起こす原因になってしまったりします。また、甘いものや脂質の多い食べものばかり食べていると、胃腸の負担になるだけではなく、皮脂分泌が増えたり、雑菌の繁殖が起こりやすくなってしまうことで、湿疹や赤ら顔、体臭などの原因となってしまうこともあります。
この原因物質を漢方では、『湿熱』と呼びます。体に熱がこもりやすい今のシーズンは余計に『湿熱』を生じやすくなります。また、偏食によりお肌の新陳代謝を低下させてしまうことを『血虚』といいます。そこで、今週は肌トラブルの対策として『湿熱』を除去しながら、湿熱の原因となる甘いものや油物を控え、肌の新陳代謝を上げるように『血』を補う食薬習慣を紹介していきます。
食べるとよい食材・メニューは、【タコとキャベツのガーリック炒め】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:タコとキャベツのガーリック炒め】
作り方は、食べやすい大きさに切ったキャベツとゆでダコ、みじん切りかチューブのニンニクを炒めて、塩とブラックペッパーで味を整えたら完成です。
【タコ】
高タンパク、ビタミンB群、ビタミンA、亜鉛を含むため、肌の新陳代謝を促す『血』を補うことができます。さらに、低脂質、低カロリーでもあり美容にうれしい食材です。そして、タウリンを豊富に含むため、肝臓の働きを助け『湿熱』の解毒を促してくれます。
【キャベツ】
炎症を抑えるスルフォラファンや抗酸化作用のあるビタミンC、胃腸の働きを助けるビタミンUと食物繊維を含んでいます。体の中から、炎症を抑えつつ、炎症の原因の排泄を促してくれます。漢方では、『清熱』、『痰湿除去』を促し、美肌に導くことが考えられます。
肌トラブルに関しては、外からステロイド剤などの塗り薬を使ったり、最新の基礎化粧品を使ったりとさまざまなことを試したくなる人が多いと思います。ですが、肌トラブルはある程度清潔を保ち、紫外線対策をし、保湿をしていたら起こりにくいものです。体の中からの原因の除去を検討することもお肌の状態を改善するためには非常に有効です。
ぜひ食薬習慣を試して体の中から改善してみてくださいね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©Zero Creatives/Gettyimages
©fizkes/Gettyimages
©Cecilie_Arcurs/Gettyimages
文・大久保愛
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