月経、長引いてない? ホルモンを整え「月経の異常を改善する」簡単な方法 #166
ananweb / 2022年6月26日 19時30分
中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、暑さにカラダが慣れていない今の時期は、カラダのだるさや月経異常などが起きやすいのだそう。そこで、愛先生がそれら女性特有の不調対策を教えてくれます!
最近カラダがだるく、月経絡みの不調が悪化していませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 166
今年も夏至が過ぎ、太陽が真夏の位置へと移動したことによって、夏らしい日差しや気温を体感するようになってきましたね。暑さをしのぐためにエアコンに頼る時間が増え始めているのではないでしょうか。この蒸し暑さによって、早くも夏バテのようなダルさや疲労感を感じることもあるかもしれません。
漢方ではこのバテやすいタイプを『脾気虚』といいます。その特徴としてよくある症状は、月経がダラダラと長引きやすかったり、排卵出血があったり、月経中貧血になりやすかったり、あざができやすかったり、傷の治りが悪かったり、胃腸が弱かったり、筋肉が少なかったり、代謝が低く疲れやすかったり、冷えやすかったりというものがあります。そのため、バテやすい今の時期、これらの不調は悪化していきます。
ということで、暑さを強く感じやすくバテがちな今週は、月経にまつわる不調の対策となる食薬習慣を紹介していきます。
今週は、月経にまつわる不調のための食薬習慣
最近、不正出血があったり、月経がダラダラと続いてしまったり、月経中に強いだるさを感じたりと今までとちょっと違う症状がでてきてはいないでしょうか。これを漢方では『脾気虚』といいますが、『脾気』の働きの1つとして『固摂』といって出血のコントロールがあります。そのため、『脾気』が不足している『脾気虚』の人は、月経の出血が長引いたり、排卵出血など不正出血が起こりやすかったりすることがあります。
その改善のための食薬としては、胃腸に負担をかけずに『脾気』を補給できる食材をとりいれることが必要になります。また、ホルモンの乱れを整えるためには生殖機能に関わる『腎』の働きの強化も同時に必要となります。
そこで、今週は『脾気』を補いながらも『腎』をサポートする食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは【ソラマメのペペロンチーノ風炒め】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:ささみとソラマメのペペロンチーノ風炒め】
作り方は、ささみとソラマメをニンニクと鷹の爪と一緒にオリーブオイルで炒めて塩で味を整えるだけ。
【ソラマメ】
ソラマメにはビタミンB群が豊富で、「気」を補う力が強いため代謝を上げたい人におすすめ。また、若返りに働くビタミンB3の一種NMNもわずかですが含まれ『補腎』にも役立ちます。さらに、鉄、カルシウムなどのミネラル、タンパク質、食物繊維、そして薄皮に抗酸化に役立つポリフェノールも含まれています。
【ささみ】
筋トレの味方といえばささみですが、筋力をつけたり、代謝を上げるために必要なタンパク質が多く、低脂質、低カロリー、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンK、ミネラルも豊富です。『気』を補う代表的な食材です。
暑い夏に不調を感じたら、冷たいものをたくさん食べて一時的な快適さを求めるのではなく、今の体に必要な食べ物を考え、長期的な改善策を立てましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©Poike/Gettyimages
©PixelsEffect/Gettyimages
©Dimitri Otis/Gettyimages
文・大久保愛
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