大事な交渉前には、胸を張って両手でガッツ!? 心理学者が教える「メンタルハック」3選
ananweb / 2022年7月3日 18時10分
悩みや心配事があると、四六時中そのことばかり考えてしまい、何も手につかなくなる。そんなネガティブな感情を吹き飛ばせるのが「メンタルハック」だと、心理学者の内藤誼人(よしひと)さん。
「嫌なことがあると自己肯定感がどんどん下がり、さらに不安が助長されます。しかし考えるのをやめることはなかなか難しい。だったらそのネガティブな感情を認めて、心理学のテクニックを使って上手に処理すればいい。ネガティブな感情が湧いてきた時は、このメンタルハックが効くと、処方箋のように覚えておけば、あれこれ悩まずに解決できるようになります」
どのメンタルハックも一流の学術雑誌に掲載されたものなので、効果てき面。今抱えているモヤモヤを吹き飛ばすだけでなく、知っておくだけでメンタルを傷つけない処世術にもなる。
自己肯定感を高める、3つの基本メンタルハック。
うまくいかないことばかりで、メンタル下降気味。自己肯定感が低くなっていると感じたら即実践! どんなお悩みにも効く万能テクで、心をスッキリ。
1 1つでいいから強みを見つける。
自己肯定感を高めて、ありのままの自分を認められるようになれば、どんな嫌なことが起きてもすぐに乗り越えられる。「そのためにまずは自分の強みや長所が何かを考えましょう。1つでもあればその強みが自信の下支えとなり、自己受容への近道になります」。英語が話せる、料理が得意、スポーツ大会の出場経験があるなど、どんな小さなことでもOK。
2 セルフトークを習慣的に行う。
ネガティブな自分が出たら、もう一人のポジティブな自分に反論させて、自信を取り戻すテクニック。「たとえば『これから大事なプレゼンだけど、うまくできないかも…』と弱気な自分に、『大丈夫でしょ、だってこんなに入念に準備してきたじゃん!!』と、友達や家族にする時のように、自分を励ましてあげるんです。習慣にすると、プラス思考が身に付きます」
3 極力早起きをして、太陽の光を浴びる。
人間は朝型と夜型に分かれ、朝型人間の方がやる気と集中力が向上しやすく、アクティブに活動できるという研究結果が。「日没後に活動の能力が高くなるというのは、夜型人間の単なる思い込み。太陽を浴びると、人間は活性化することがわかっており、うつ病治療にも『光療法』が有効であることが実証されています。意識的に生活リズムを整えましょう」
ケース別に対処する、応用メンタルハック。
日ごろ抱きがちなネガティブな感情をピックアップ! anan総研メンバーへのアンケートで挙がったリアルなお悩みを例に、心理学を用いて内藤さんがズバッと解決。
ケース1:気の使いすぎ
知り合いや、そこまで親しくない友人と会った後は、あの言い方大丈夫だったかな? なんか気を悪くしてないかな? など小さなことをいちいち気にしてしまい、疲れてしまう。
【メンタルハック】ゴムバンド法
verified by ペンシルバニア州ペンデル精神センター マックス・マステロン
ただの気にしすぎ。手首に巻いたゴムをパチンッとはじいて、思考ストップ!
人間の心は目に見えないから、いくら考えても相手の気持ちは読めないもの。正解がわからない以上、考えないようにするのが最適解。「ネガティブな思考は無限ループしがち。思考に思考をぶつけても何の解決にもなりません。そんな時は気をそらす方法が有効。手首にゴムバンドを巻いておき、余計なことを考えそうになったらパチンッとはじくだけ。行動をぶつけることで、嫌な思考を停止させることができるんです。これは肉体的手法と関心の移行という2つの方法を併用したテクニックで、はじくことで一つのものに神経を集中させ、関心を移行させることができるんです」。ゴムバンドがない場合は、指をパチンと鳴らすだけでも効果がある。
ケース2:決断力のなさ
自分の決定に自信が持てず、周りの意見ばかり求めてしまいます。相手のいいように物事を進める方が楽だと思ってしまい、仕事で損をしている部分が多い気がします。
【メンタルハック】パワーポーズ
verified by リチャード・ストックトン大学 マルセロ・スピネラ
胸を張って、両手でガッツ! 勝利ポーズで自信がみなぎる。
「そもそもの話、決定はいつでも変えてOKと思っていた方がいい。最終決定だと思うからプレッシャーを感じて、決断できなくなるんです」。だからちょっとした提案ぐらいの軽い感じで、意見を述べてみるとよい。しかしそれでも決定を下さないといけない場面で、自信が持てない時は「パワーポーズ」がおすすめだとか。「スポーツ選手が優勝した時にする、両手を上げてバンザイするポーズなどです。自信を高めるホルモン『テストステロン』がアップするので、主張的になり、堂々と振る舞えるようになります」。またストレスホルモン「コルチゾール」が減少することがわかっており、このホルモン変化は20分程度持つとか。ぜひ大事な商談や交渉の前に。
ケース3:将来への不安
シミやシワなど加齢が気になり気分がどんより。これからの人生、今日が一番若くてこれからもっと老いると思うとさらにどんより。どうしたらいい?
【メンタルハック】キャッシュ効果
verified by リチャード・ストックトン大学 マルセロ・スピネラ
財布にお金をパンパンに入れると、強気でいられ、不安が解消される!?
老いていく自分の姿を見るのはツライもの。誰もが老いていくので、年を取ることが楽しいと思えるようになれればいいのだが…。「先行きが見えず不安になるのは仕方がないことです。しかしひとつの考えとして、お金があれば将来に不安を感じにくくなります。心理学者のマルセロ・スピネラは、お金持ちは精神的なゆとりがあり、のびのびと生きられるという実験データを残しています。だから仕事を頑張って、お金を貯めることで不安は解消されます。また人間は現金を持つことで心強さを感じることができます。だからお財布に自分が大金だと思う額の現金を入れておくのも手です」。使わずに持っているだけでOK。しかし財布の紛失やスリにはご注意を。
内藤誼人(よしひと)さん 心理学者、立正大学客員教授。ビジネス心理学の第一人者。『世界最先端の研究から生まれた すごいメンタル・ハック ストレスフリーで生きる77の心理術』(清談社Publico)など、著書は250冊以上。
※『anan』2022年7月6日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)
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