月経前は顎ニキビがプツプツ…腸内環境を整え「肌荒れを防ぐ」簡単なコツ #167
ananweb / 2022年7月1日 20時0分
中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、月経前は皮脂分泌が増え、便秘がちになるため、フェイスラインのニキビなど肌荒れが起きやすいそう。さらに日本特有の高温多湿の気候、マスクによる蒸れ、暑さによる偏食からくる腸内環境の悪化などから、今の時期はさらに肌状態が悪化する人が多いとのこと。そこで、愛先生が月経前の肌トラブル予防策を教えてくれます!
月経前の肌荒れ、気になりませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 167
猛暑の中、食欲が落ちてげっそりすると思いきや、むしろいつもより食べ過ぎてしまうことはないでしょうか。夏の暑さにバテているなら食欲が落ちて痩せたらいいのにと思ってしまいますが、現実には食欲は落ちずたくさん食べて、痩せずに重だるさだけを感じる人も多いようです。
高温多湿の時期に食べすぎてしまうと腸に負担がかかり、出てくるのがフェイスラインやマスクの内側のニキビや赤みなど肌トラブルです。そして、紫外線が強い今の時期は、お肌と目に入る刺激が体中に活性酸素を過剰に発生させたり、マスクの中の肌を蒸れさせ、擦れて肌トラブルが加速していきます。さらに、女性の場合には月経前に皮脂の分泌が増えるため、この時期に肌トラブルを起こしてしまう人も続出するとだと思います。
そこで今週は、月経前の肌トラブル予防のための食薬習慣を紹介します。
今週は、月経前の肌トラブル予防のための食薬習慣
長時間、外にいることに危機感を感じるほど暑い日が続きますね。みなさん、いかがおすごしでしょうか? 外に一歩出ると早くも日陰や室内に入りたくなりますよね。汗をかき、マスクで蒸れ、紫外線の刺激を受け、エアコンで乾燥するお肌はこまめなお手入れをしなければ荒れてしまいそうです。
さらに、夏バテをしつつも室内の冷えた空間で過ごす時間が多い私たちは、食欲を落としてしまうよりも、麺類やパン、すぐにつまめるお菓子やお総菜などちょっとジャンクな食べ物が欲しくなることもあると思います。さらに、仕事終わりや夕食時に冷たいハイボールやビール、アイスクリームなどを摂る習慣がついてしまった人もいるかもしれませんね。
ということで、暑い夏には意外と偏ったものを食べ過ぎてしまうことがあるのですが、それによって腸内環境は当然悪化の一途をたどります。そして、腸の鏡とされるお肌の状態も悪化の一途をたどることでしょう。さらには、女性の場合月経前に皮脂分泌が増え、便秘がちになるため、フェイスラインのニキビなどに悩む人も増えることでしょう。
これを漢方では、体の内側から炎症の原因になる『湿熱』がたまっている状態と考えます。そこで、体の外と内側から炎症を起こしてしまう今の時期、『湿熱』をとりのぞき肌トラブルを防ぐための食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【米なし手巻き寿司】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:米なし手巻き寿司】
作り方は、海苔の上にレタスをのせ手巻きずしの要領で好きな具材をのせ、お醤油やドレッシングをつけて食べます。ピクルスを一緒に入れると酢飯のような味わいになりより手巻き寿司のようになります。暑い時期には、生野菜離れをしやすくなりますが、手でちぎって巻いてすぐ食べられる米なし手巻き寿司はすごく簡単で便利な一品です。
サニーレタス
レタスよりも色素が多いサニーレタスは、抗酸化作用のある物質を多く含みます。また、不溶性と水溶性の食物繊維の含有バランスが腸にとって理想的であるため、偏食で腸内環境が乱れている人にもってこいの食材。たっぷり食べると『湿熱』をとりのぞく働きが期待できます。また、カリウムも豊富なため、冷房でむくみが気になる人にもおすすめです。
海苔
サニーレタスと同様に食物繊維が豊富で『湿熱』を取り除くために役立ちます。さらに、マグネシウム、鉄、カリウムなどのミネラル、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンKなどの栄養もマルチに含んでいます。
肌荒れに悩んだとき、月経前に過食気味になるとき、野菜不足に悩むときなど気軽にできる一品なので、ぜひお試しください。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©Prostock-Studio/Gettyimages
©Cavan Images/Gettyimages
©Inti St Clair/Gettyimages
文・大久保愛
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