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川邉サチコ「“日本のオバサンってかっこいいね”と言ってもらえる国になってほしい」

ananweb / 2022年8月28日 20時0分

川邉サチコ「“日本のオバサンってかっこいいね”と言ってもらえる国になってほしい」

「乙女談義」8月のゲストは、トータルビューティクリエイターの川邉サチコさん。今や日本の中高年女性の憧れでもある川邉さん。日本の女性にもっと輝いてほしいと願っています。どう歳を取ると素敵でいられるか、秘密を教えてください! 第4回目をお届けします。

歳を重ねた経験は財産。これからの人生を楽しんで。

数年前、渋谷の街にいるときに、中高年の女性たちが自信なさげにコソコソ歩いているのが目について、なんだかすごく、イヤな気持ちになったことがあるんです。誰の目にも留まらない存在なんて、まるで空気みたいじゃないですか…。日本のおばさんやおばあさん、もっと自分に自信を持って堂々としてほしいし、「この人、どんな人?」と興味を持ってもらえる、そんな人になりましょうよって、強く思ったんです。それで、ヘアメイクからファッションまで、トータルで健康的に、そして美しくするサロンを開くことにしたんです。当時母の介護が大変だったんですが、この仕事なら私の経験を活かせるし、介護をしながらでもできると思って。

お客様のお話を聞くと、表に出て働いてきた人もいれば、家庭に入って誰かのために頑張ってきた人もいる。形は違えども、みなさん経験という財産があり、それは誇っていいし、自信にできるものなんですよ。

オバサンがかっこいい、そんな日本になってほしい。

娘の大学卒業記念に、2人でヨーロッパ旅行をしました。最初に着いたのはパリ。降りてすぐ、まだ空港にいたとき、娘が「この国ってオバサンがかっこいいね」と。びっくりしましたが、面白い視点だなと思いました。

日本は、老化に対してどう対処していいかわからない人が多い気がします。怖いから自分から目をそらしてしまい、その結果自分のいいところも目に入らなくなり、自信が持てなくなってしまう。歳を重ねることは、経験が増えること。それは絶対にいいことなんですよ。私は、今20代30代の人がオバサンになる頃には、羽田や成田に着いた外国の方々が、「日本のオバサンってかっこいいね」と言ってもらえる、そんな国になってほしいと思っています。そのために、若いうちからいろんな貯金をしてほしいです。お金もそうですけれど、経験と、それから体力。心身ともにいい状態で加齢していけば、かっこいいオバサンになれるんじゃないでしょうか(笑)。

かわべ・さちこ トータルビューティクリエイター。1938年生まれ、東京都出身。’60年代よりヨーロッパのオートクチュール、国内外トップデザイナーのヘアメイクを担当。現在は自身の名を冠したサロンを運営しながら、様々な雑誌に登場。

※『anan』2022年8月31日号より。写真・中島慶子

(by anan編集部)

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