元気に起床できます! 漢方薬剤師直伝「長引く疲労を回復させる」簡単な方法 #177
ananweb / 2022年9月9日 21時0分
睡眠も休息もしっかり取ったのにカラダがだるい、眠い、ヤル気が出ない。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生よると、季節の変わり目の今は長引く疲労感に悩まされる人が多いそう。そこで、愛先生が毎日の疲労を軽減し、やる気を取り戻す簡単習慣を教えてくれます!
最近、疲れが長引いていませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 177
みなさん、お元気ですか? この時期、いくら休んでも疲れがとれない、だるい、動きたくない、横になりたい…と感じてしまうことが多いようです。本当は今日はあれもこれも終わらせないといけないのに、ぐったりボーっとしていたら一日があっという間に終わってしまった…など、自分の計画に行動が伴わずストレスを感じていることもあるのではないでしょうか。
ただ、9月の前半は季節の変わり目であるため、ある程度このようなことが起こっても仕方のない時期です。ですが、そのままにしていては時間が無駄に過ぎていくばかり、そして後回しにしたタスクは後の自分を苦しめることになるでしょう。ということで、今週はやる気を取り戻す食薬習慣を紹介していきます。
今週は、疲れが取れないときの食薬習慣
一生懸命仕事をしたり、運動をしたり、出かけたりした後に疲労感を感じることは誰にでもあります。ですが、何もしていない、もしくは睡眠をとりカラダを休めたはずの朝に疲れを感じていては問題ですよね。朝から、だるい、やる気がない、起き上がれないなどの状態は、生活の質をガクンと落としてしまいます。そんな毎日を過ごしている方はすぐにでも脱出したいですよね。
漢方では疲れが取れない状態を『脾気虚』といいます。基本的にタンパク質、ビタミンB群、ミネラルなどの栄養素が不足していたり、ストレスが多いのにビタミンCや抗酸化物質などダメージを軽減する食材がとれていなかったりと栄養摂取がアンバランスであることもいけないことですが、疲労感がとれないことは季節的な問題も大いに影響しています。
そこで、今週は季節の変わり目が原因となる、長引く疲労感を軽減する、『脾気』を補う食薬習慣を紹介していきます。食べるとよい食材・メニューは、【モロヘイヤのせ豆腐】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材: モロヘイヤのせ豆腐】
作り方は、モロヘイヤをさっとゆでて、細かく刻みポン酢やすりゴマと混ぜて、レンチンした豆腐にのせ、鰹節をたっぷり添えて完成。
【モロヘイヤ】
「王様の野菜」と呼ばれるほど栄養価の高い野菜。鉄、カルシウム、抗酸化ビタミンなどが豊富に含まれます。さらに、ねばねばの成分が胃腸の働きを支えるので『補中益気』してくれます。
【豆腐】
タンパク質やビタミンB群、食物繊維やサポニンなどを多く含み、『脾気』を補い体に栄養の補給をしながらも便通の改善や脂肪の蓄積を予防する働きもあるデトックスにも役立つ食材です。
朝、今日は何をしようかなとワクワク元気に目覚める日と、動きたくない、何もしたくないと思い目覚める日では一日の内容が大きく変わってきてしまいますよね。時間を大切に楽しく過ごしたいと考えている人は、気候や環境の変化に目を向け、自分のカラダを柔軟に適応できるように食事や入浴、運動などで調整する習慣を身につけていきましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
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文・大久保愛
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