僕、イケメンでしょ! キメ顔でも鼻に何かついてる…愛され猫さまの毎日
ananweb / 2022年11月12日 19時30分
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第77回目は3歳の男性キジトラ猫のマロ(Malo)さま。
キメ顔が得意なイケメン猫さまの物語
【フレンチ猫さま】vol.77
猫さまの話をもっと聞かせて!
パリ10区にある、築150年のアパルトマンに住んでいます。朝5時にまずは飼い主ママを起こして、肩の上に乗ってくつろぎます。その後、朝7時に飼い主娘からごはんをもらいます。彼女が学校へ行った後は、仕事へ行く前の飼い主パパに戦いを挑みます。男同士の朝の大勝負(つまりパパに遊んでもらう)!
午後はお昼ご飯をもらい、窓の外を見たり、家に誰かいたら少し遊んでもらって、そのまま夕方までお昼寝タイム。
夕方、飼い主娘が学校から帰って来ると、一緒にお勉強(という名のお邪魔虫)をして遊んでもらい、一緒に夕飯を食べて、夜寝る前にパパに「シマシマ」(パパが毎日Maloにしてあげる「シマシマ」という儀式があり、Maloはこのシマシマが大好き)をしてもらって、娘に歯を磨いてもらって、寝る前のカリカリをちょっともらって、ママのお布団にもぐりこんで「ふみふみ」しながら一緒に寝ます。
いつも食べているものは、朝はぐにゃぐにゃ(ウェットフード)、お昼はカリカリ、夜は鶏胸肉のゆでたものです。特別な日には牛肉のステーキのおすそ分け!(お刺身やお魚は全然好きじゃない、パリ生まれの猫です)
ママの肩やお膝の上、娘が昔クレーンゲームで取ったドーナツ型のクッションの上が居心地よくてたまりません。大好きなオモチャはヘビのぬいぐるみですが、遊びすぎてボロボロになってしまい、もはや原型をとどめていません。
人懐こくて甘えん坊で、ワンちゃんのような猫と言われます。ちょっぴりストーカー気質で、朝から晩まで、必ずみんなのいるところに自分もいます。温厚で、シャーっと怒ったことは今まで1度もありません。ちょっとどんくさくて食いしん坊、そして、かまってちゃんでお茶目な性格です。おすわり、お手、たっち、リードを付けてパリの街をお散歩することが特技でもあります。
この夏休みに飼い主たちと一緒に行ったマルセイユ旅行は楽しかったです。電車移動で、パリから4時間かけてマルセイユ郊外の飼い主の友人宅に1週間ほど一緒に遊びに行きました。海まで徒歩5分の立地で、リードこそつけてはいましたが、おうちの中庭で木登りをしたり、屋根歩きをしたり、テラスで夕涼みをしたり、別荘を満喫しました。夕方涼しくなったら、ママに抱っこしてもらって海辺を散歩しましたが、初めて見る海は少し怖かったです。ちょっと遠くからそ~っと眺めていました。でも、海風はとても気持ち良かったです。
飼い主から見たマロさまとは?
娘が5歳ぐらいの時から猫を飼いたいと言っていたので、夫と相談して、しっかり自分でお世話ができるように10歳になったら、と約束しました。
小さな子どもの言っていることなので、そのうち忘れてしまうだろうと思っていました。しかし、事あるごとに「10歳になったら猫ちゃんに会える!」とブレずにひたすら10歳になる日を待ちわびていた娘。10歳になった日の朝「今日家に帰ったらもしかして(サプライズで)猫がいたりする?!」と期待されましたが、自分の家族になる猫なのでちゃんと自分でお迎えに行こうね、ということで娘の意思を再確認し、その日から猫探しを始めました。ただ、これがけっこう難航しました。
飼うなら保護猫を、ということは最初から決めていたので保護猫、保護犬のEXPOに足を運んでみました。しかし、私達が行った時間にはほとんどの猫の引き渡し先が決まっていて、残っていたのは複数匹まとめて引き取って欲しい猫達と、大型犬ばかりだったりもしました。
その後、個人、アソシエーション含めていろいろ連絡してみるも、なかなか返信がなかったり、指定の場所に行ってみても誰もいなかったり…。猫を目にすることすら難しいまま、仕事が忙しい時期は、サイトで探すなど、なかなか猫探しをする時間が持てませんでした。気付けばあと数か月で、娘が11歳を迎える時期になってしまいました。
そんな時、偶然検索していて見つけたアソシエーション、#chatdoc に連絡してみると、「今夜見に来ますか?」とすぐに連絡をいただいたのです。
30匹以上の猫が自由に暮らすこの場所には、心優しい経営者のおばさまとボランティアのお姉さん達がいらして、好きなだけ猫達と遊んで行ってね、と言って下さいました。
娘は本当に熱心にずーっと猫達と遊んでいたのですが、常に私達の近くにいて、まるで、一緒に連れて行ってと言っているかのような態度だったのがマロだったのでした。私達がマロを選んだのではなく、私達がマロに選ばれたのです。その日は、まさか連れて帰る猫がすぐに決まるとは思っていなかったので、お迎えの準備が何もできていませんでした。1度自宅に帰り、お迎えの準備を整えて週明けにお迎えに来ることを約束してこの日はアソシエーションを後にしました。
常に私たちの言葉を聞き、私たちに語り掛けてくるので、言葉の通じる、猫の皮をかぶった人間なのではないかと思います。夕飯の時間になると、誰よりも先に“自分の席”に座ります。テーブルの角の娘と私の間の席がマロの定位置で、その後テーブルに人間用のご飯を並べても決して手を出したり食べようとしたりせず、私たちが席について自分のご飯をもらえるまではじっと待つことができます。
面白いことにお鼻に猫砂やごみが付いていても気づかずにいます。本当に大きなものを鼻にしょっちゅう付けているのに「何か??」という顔でかっこよくキメている姿が本当にツボなのです。
取材、文・松永学
取材、文・Manabu Matsunaga
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