極北の地で命と向き合う…生誕70年、星野道夫の足跡を辿る写真展が開催
ananweb / 2022年11月28日 19時0分
子供の頃から北の自然に憧れ、極北の大地アラスカで活動した写真家・星野道夫。取材中に事故で亡くなり、25年以上経った現在も、大自然や動物の心打つ写真と美しい文章で多くのファンを魅了し続けている。本展「星野道夫 悠久の時を旅する」は、20歳のときに初めて足を踏み入れたアラスカの村の記録から、亡くなる直前まで撮影していたロシアのカムチャツカ半島での写真まで、貴重な資料を交えながら、彼のライフワークを一望し、星野道夫の足跡を辿る内容となっている。
19歳のある日、星野は神田の古書店でとある海外の写真集に出合い、そこに掲載されたエスキモーの村・シシュマレフの航空写真に強く魅せられる。住所も分からない村の村長宛てに手紙を書いた彼は、半年後に届いた返事をきっかけにアラスカに渡り、念願のシシュマレフ村でひと夏を過ごすことに。この村での経験が、後に彼が写真家として再びアラスカへ向かう大きなきっかけとなった。アラスカ大学に入学してからも1年の大半は旅に費やし、自然写真家として歩み始めた星野。彼は極北の動物を獲り、独自の文化を育んできたエスキモーや北米先住民、アラスカの自然を愛する多くの人々に出会い、次第に旅行者ではなく住民として、この地に関わってゆくことを決意。1990年にはフェアバンクスの森に家を建て、暮らし始める。
「動物や自然だけではなく、人と自然の関わりが星野の一番大きなテーマでした。彼はいろんな被写体と向き合いながら、その先にある命と向き合っていた気がします。動物の写真でも、その奥にアラスカ全体があり、命のつながりがある。最終的には、私たちはどこから来て、どこへ行こうとしているのか、ということをずっと考えながら旅していたと思います」と語るのは星野道夫事務所代表・星野直子さん。
生誕70年にあたる今年開催される本展では、未完の作品群も交え、星野の旅を紹介する。アラスカという過酷な自然の中で生きる動物、先住民族や開拓時代にやってきた白人たち。彼らの生き様を写真に収めてきた星野は、生と死が隣り合わせの彼らを見つめ、どんなことに人生の豊かさを見出したのか。本展を見ればその答えがきっとわかるはずだ。
ドールシープはアラスカの山岳地帯や高地に生息する野生ヒツジ。雄は大きくカーブした角を生やす。
ホッキョクジリスはほとんどアラスカ全域に生息。1年のうち8か月を眠って過ごす。多くの肉食動物の獲物に。
エスキモーの伝説には多くの人格化されたホッキョクグマの話が出てくる。写真はカナダのハドソン湾にて撮影。
森での狩猟で生計を立てていたウォルター。
アルペングロウ(山頂光)に染まる夕暮れのデナリ(マッキンレー山)。北米の最高峰で、標高6190m。手前はワンダーレイク。撮影はデナリ国立公園にて。
日没直前にドレスアップして来てくれたミシャの一家。ロシア領チュコト半島にて。
ほしの・みちお 1952年、千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、動物写真家・田中光常の助手を経て’78年にアラスカ大学野生動物管理学部に入学。以後アラスカをテーマに作品を発表。’96年、取材中にヒグマに襲われて急逝。アニマ賞、木村伊兵衛写真賞受賞。
「星野道夫 悠久の時を旅する」 東京都写真美術館 地下1階展示室 東京都目黒区三田1‐13‐3 恵比寿ガーデンプレイス内 開催中~2023年1月22日(日)10時~18時(木・金曜は20時まで。入館は閉館の30分前まで) 月曜(祝休日の場合は開館、翌平日休館※1/3は開館)、12/29~1/1、1/4休 一般1000円ほか TEL:03・3280・0099
※『anan』2022年11月30日号より。取材、文・山田貴美子 撮影・星野道夫 ©Naoko Hoshino
(by anan編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
詩人まど・みちおの思いに、画家の絵筆が応えて織りあげた、すべてのいのちを寿ぐ絵本
PR TIMES / 2024年8月1日 16時40分
-
北海道狩猟魅力PRイベント in東京 を開催します!
PR TIMES / 2024年7月17日 18時45分
-
今世紀初の快挙!死の谷→北米最高峰の山頂 “過酷旅”を完遂!自転車、スキー、徒歩…自力で5600キロ
よろず~ニュース / 2024年7月16日 21時40分
-
【コラボ情報更新・7月13日いよいよ開幕!】特別展「ネコ」 ~にゃんと!クールなハンターたち~
PR TIMES / 2024年7月10日 11時15分
-
元イルカトレーナーの武藤大輔さんが75か国10万kmの自転車旅「地球を旅する写真展~Take Your New Adventure~」2024年7月4日(木)~8月20日(火)
PR TIMES / 2024年7月3日 14時45分
ランキング
-
1格安ジム「chocoZAP」の「汚い」「マシンの故障も放置」口コミは本当?改善されているのか運営に直撃
女子SPA! / 2024年8月1日 8時46分
-
2「日本での食事に満足」が多数派 訪日外国人の日本食に対する意識調査
OVO [オーヴォ] / 2024年8月1日 15時0分
-
3扇風機は「羽根の枚数」で何が変わる? 多い方が良いのでしょうか?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年7月31日 21時45分
-
4元ラブホ清掃員が「悲鳴をあげてしまった」事件。ベッドの下に得体の知れない感触が…
日刊SPA! / 2024年8月1日 15時54分
-
5冷凍おにぎりは「保冷剤」として活用できます 冷たいまま弁当に添えて→自然解凍で「いただきます!」
まいどなニュース / 2024年8月1日 18時5分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)