アナウンサーを辞めて芸人の道へ!? キングオブコント2022準優勝・コットン結成秘話
ananweb / 2022年12月28日 19時0分
2012年にコンビ結成。キングオブコント2022では準優勝を果たし、ますます勢いを増す二人がこれまで共に歩んできた道と今後の目標とは?
――お笑い芸人になりたいと思ったのはいつ頃からですか?
西村真二:僕はテレビ番組をきっかけにお笑いに憧れ、小学校の卒業文集にも「芸人になりたい」と書いてました。高校でも教頭に「芸人かホストが向いてるんちゃう」ってお墨付きをもらったんですが、おかんに反対されてしまい…。大学では同級生とコンビを組みました。そいつと「1年だけ就職してみよう」と決めて僕は地元テレビ局のアナウンサーになったんですが、結局、相方の仕事が忙しくなって「もうお笑いできん」って。でも、僕はどうしても芸人になりたかったから、会社を辞めて中学の同級生とNSCに入りました。
きょん:僕も小学生の頃から将来の夢はお笑い芸人でしたね。
西村:違うだろ、お花屋さんって言ってたじゃん。
きょん:(笑)。当時好きだった女の子がお花屋さんの娘だったから、自分も同じ職業になれば仲良くなれるかもって思ってたんです。淡い恋心ですね。僕は昔から仲間内でふざけて笑いを取るような子で、芸能界への憧れはずっとありました。でも、お笑いなんて自分には無理だって思ってたから、最初は他の事務所の俳優コースを受けたりして。なかなか踏ん切りがつかずに1年だけ会社員をやった後、“どうせなら思い切ってやろう!”と思いNSCに入りました。芸人だったら、役者もできるし、曲も出せるし、何でもできるじゃん! って。
――結成はどのような経緯で?
西村:同期が700人くらいいたんですが、その中の12人だけが入れる“演技選抜”に僕ときょんが選ばれたんです。その授業を担当していた白坂先生が「お前ら、相性いいから今のコンビを解散して新しく組んじゃえよ!」って。
きょん:でも、にっくん(西村)たちは絶対に解散しないと思ってました。同期の中の超エースで、「アナウンサーを辞めて入ってきた奴がいるぞ!」って噂になってたんです。しかも当時の相方とは幼なじみで、野球部でピッチャーとキャッチャーをしていた仲。もう最強じゃんって思ってました。そんな人と一緒にやれてるのは白坂先生のおかげだなぁ。
――芸風はずっと変わらず?
きょん:結成して数年はずっと漫才だけでした。コントは、キングオブコントに向けた1本だけ。
西村:コントを頑張るようになったのは、相席スタートの山添さんに「お前らコントの方が向いてるんちゃう」って言われたのがきっかけ。2016年にNHK新人お笑い大賞の決勝に進出し、そこでやっと“一人前のコントができるようになった”と実感しました。
きょん:今はコントが9.5、漫才が0.5くらいの割合です。
――コント一本でやっていくつもりはないんですか?
きょん:M‐1があるんでね。
西村:僕らは自分たちのことをコント師だとも漫才師だとも思っていないんです。
きょん:まぁ、強いて言えば“エンターティナー”かな。
西村:エンターテイナーじゃなくて、“エンターティナー”って言うタイプなんだ(笑)。
――結成から10年を振り返る中で、ターニングポイントになったと感じるお仕事は何でしょう?
きょん:僕は『有吉の壁』の若手予選会。ずっと自分の髪型に迷いがあったんですが、番組中のボケとして思い切ってボウズにしたんです。ちょうどコットンに改名した時期だったし、グッと気合が入る感覚がありましたね。
西村:自分で言うのも変ですが、僕ら、若い頃にめっちゃキャーキャー言われてたんですよ。単独をやれば即完するし、出待ちも多いし。でも、そういう奴らってすぐに落ちぶれちゃうじゃないですか。だから、その状況を変えるためにネタだけに本気で向き合って…。そしたら2016年のNHK新人お笑い大賞でようやく努力が形になって。みんなが“人気者”というフィルターを外してネタを見てくれるようになり、周りの反応が180度変わった感じがしました。もう一つは『しくじり先生』。それまでは僕がふざけると変な空気になっちゃうことがあったんですけど、あの番組に出たことで“イジれる奴”だとわかってもらえたのは大きいですね。
――最後に、お互いの好きなところを教えてください。
きょん:とにかくストイックなところ! 僕は一点集中型だけど、にっくんは数か月先の計画まで考えてくれるから、すごいありがたい。あと、男前ですよね。
西村:やめろ(笑)。
きょん:しかも、めっちゃおしゃれっすよね! 前に「きょん絶対このブランド好きだよ」って教えてもらったんですけど、そのブランドばかり買ってたら、もう教えてくれなくなっちゃいました。
西村:だって、同じ店で買い物すると服がかぶっちゃうから(笑)。
――西村さんはきょんさんのどんなところが好きですか?
きょん:語り切れないんじゃないの? 時間足りる?
西村:きょんはやっぱり、イケメンっすよね! 心がイケメン。優しくて、器が大きいんです。あとは、僕がネタを書く時に想像したことを全部体現してくれるところ。「こいつできるかな……」って心配になることがないから、思考の枠を広げてくれるんです。お笑いしかできなさそうなところが、逆に頼りになりますね。
左・西村真二(にしむら・しんじ) 1984年生まれ、広島県出身。右・きょん 1987年生まれ、埼玉県出身。NSC東京校の17期生として出会い、2012年に「ラフレクラン」を結成。’21年に「コットン」に改名した。
※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。写真・下屋敷和文 インタビュー、文・大場桃果
(by anan編集部)
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