あなたの舌の位置をチェック! 正常な口のフォーメーション&口内環境改善“歯ヨガ”
ananweb / 2023年3月26日 20時0分
口まわりの筋肉バランスを整えることで免疫力をアップする口腔ケア歯ヨガをご紹介。舌を使ったエクササイズや口まわりのマッサージなど、多方向からのアプローチで口まわりを理想的な状態に改善。風邪などの感染症を防ぐだけでなく、虫歯や口臭予防などにも役立ちます。あごの動きが悪い人には特におすすめ。
鼻呼吸と唾液量アップで免疫力を上げる。
「もともとは、噛み合わせや顎関節症治療の一環として考案したメソッド。天然のマスクである鼻呼吸を促進することで、免疫力アップに役立ちます」
と言うのは、補綴専門医の小島理恵先生。まずチェックすべきは、話すときと食べるとき以外、口を閉じているかどうか。
「うっすら口が開いているなら、口呼吸の可能性が高いです。口呼吸をしていると、空気中のウイルスや雑菌が鼻毛や鼻の粘膜などのフィルターを通さずに体内に入るので、風邪やインフルエンザなどの感染症やアレルギー疾患にかかりやすくなります。また、口内が乾燥して唾液が少なくなるため、虫歯や歯周病になりやすくなるというデメリットもあります」
口呼吸改善には、舌や口まわりの筋肉のバランスを良くすること、あごを動かす筋肉をほぐし関節の可動域を上げること、舌の定位置を正すことが不可欠。
「歯ヨガを習慣づけると、早い人は1週間で効果が出ます。唾液の量が増え、姿勢が改善されて呼吸が深くなることでの相乗効果も。顎関節と連動している股関節のエクササイズも行うと、さらに効果的です」
正常な口のフォーメーション
4つのポイントをチェックしよう!
・舌は上あごに張りついている。
・舌先は上の歯に当たらず、前歯の裏側のふくらんでいる部分にセット。
・上下の歯は少し開いている。
・唇は閉じている。
舌や口まわりにある筋肉のパワーバランスが整っていて、それぞれの機能が正常であれば、口の中で舌は上にあり、上の前歯の裏側の少しふくらんでいる部分「スポット」についている。また、上下の歯が接触していると、強く噛み締めていなくても筋肉が疲労し、関節にも伝わるので大きな負担に。歯ヨガを続けると、自然と上のようなフォーメーションになってくる。
【口腔ケア歯ヨガ】まずはこの3つから!
免疫力アップのために、この3つの歯ヨガから始めてみよう。鼻呼吸、唾液の分泌、胸を開いた正しい姿勢を意識しながら毎日行えば、徐々に口内環境が改善され、免疫力もアップ!
POSE1 舌ワイパー+ゴックン舌キープ
正しい舌のポジションがイマイチわからないという人は、必ず行いたいエクササイズ。最後につばを飲むと、舌が自然に上あごの正しい位置につき、鼻呼吸に。舌ワイパーは、舌をゆっくりと動かして。
1、後ろで手を組む。
姿勢を正して後ろで手を組み、胸を開く。深い呼吸ができる状態に。
2、上の歯を舌でなぞる。
口を閉じて、上唇と歯茎の間に舌を入れ、左の奥歯から右の奥歯までゆっくりとワイパーのように歯をなぞる。往復10回。
3、正しい舌の位置に。
ゴックンとつばを飲むと、舌を前歯の裏側のふくらんでいる部分につくはず。その状態で60秒キープ。
POSE2 頬すぼめふくらませ
口の中を吸ったりふくらませたりを繰り返すことで、筋力を鍛えるエクササイズ。舌を上あごにつけたまま、鼻呼吸で行うのがポイント。一連の動作の後、ブクブクうがいの動作を3~5回行うとさらに効果的。
1、口内を思いきり吸う。
口を閉じ、舌を前歯の裏側のふくらんでいる部分につけたまま、3秒間、鼻で息を吸い続けながら頬をすぼめる。
2、思いきりふくらませる。
口を閉じたまま、3秒間、鼻から息を吐き続けながら頬をふくらませる。一連の動作を5~10回繰り返す。
POSE3 後ろ手タオル上げ下げ
鼻呼吸をよりしやすくなる、姿勢改善エクササイズ。背中側でタオルを持ち、頭の上に上げることで、正常な呼吸で使う横隔膜などの筋肉が使いやすくなる。呼吸が深くなり、体幹が整った疲れにくい体に。
1、背中側でタオルを持つ。
タオルを背中に回して両手で端を持ち、タオルをピンと伸ばしたまま息を吐きながら5秒かけて下げる。
2、タオルを頭の上に上げる。
息を吸いながら両手を頭の上までしっかり上げる。一連の動作を5~10回繰り返す。
歯ヨガの効果を後押しする“股関節エクササイズ”
顎関節と似た形状をしている股関節。実はこの2つは連動しているので、股関節のエクササイズをすることで、顎関節の可動域も上がる。股関節がしっかりと動いていることを意識しながら行おう。
肩入れ股関節伸ばし
足を大きく開き、膝のあたりに手を置き、できるだけ腰を下ろす。左肩を内側に入れ、10秒キープ。右側も同様に行う。左右で1回とし、5~10回行う。
四股
肩幅より広めに足を開き、つま先は外側に向ける。上体をまっすぐにキープしたまま、お尻を下ろし、足首、膝、股関節が垂直になるよう意識する。息を吸いながら、軸脚を伸ばすことを意識して反対側の足を上げる。息を吐きながら足を下げ、反対側も行う。一連の動きを5~10回行う。
小島理恵先生 小島歯科医院副院長、補綴専門医。虫歯や歯周病などの治療を包括的に行うため「歯ヨガ」を考案。著書は『歯科医が教える歯ヨガ』(KADOKAWA)。
※『anan』2023年3月29日号より。イラスト・岡田 丈 取材、文・古屋美枝
(by anan編集部)
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