Nissyが挑んだ、ソロアーティスト史上2人目の6大ドームツアー。
ananweb / 2023年3月26日 17時0分
Nissyが現在、6大ドームツアー『Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~』を開催中。ソロアーティストによる6大ドームツアー公演は、史上2人目。2023年2月16日(木)、17日(金)に行われた東京ドーム公演ももちろん超満員。3時間半にわたる“Nissy Entertainment”から17日の模様をレポートします。
コロナ禍を乗り越え、Nissy Entertainmentのパワーで6大ドームツアーを開催中!
Nissy Entertainment 4th LIVE 〜DOME TOUR〜at TOKYO DOME 2023.2.17
2023年8月6日でソロアーティスト活動を始動してから10周年を迎えるNissyさん。今回の全国ツアー『Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~』は、昨年10月21日の埼玉・ベルナールドームでスタート。当初は5大ドームツアーの予定が、Nissyさんの地元北海道の札幌ドームでの追加公演が発表され、6大ドームツアーに。これはソロアーティスト史上なんと2人目の快挙とのこと。昨年5月にリリースした最新アルバム『HOCUS POCUS3』を引っ提げたステージ。演出、衣装、映像、ライブの総合演出をすべてセルフプロデュースしたNissy Entertainmentだ。
現実からNissy Entertainmentの世界へ――。ライブの世界に誘導してくれたのは、AIの「THREE」。来客者をスキャニングして、さまざまな角度で会場に集まったオーディエンスを遊び心たっぷりに分析。LIVE開始前の会場の期待値がグングン上昇していく。
1曲目は「Do Do」から。この曲は、リリース発表直前、「いつになったら君の前で歌っていい?」というメッセージを掲げたティザー映像やコロナ禍のエンタメ業界への想いを込めたミュージックビデオが話題になった曲。ミュージックビデオ内とのシンクロはNissyお得意の!? 伏線を回収だ。
2曲目からはダンサーと共にムービングステージで踊りながらオーディエンスの目の前へ。疾走感溢れるナンバーを、目まぐるしく飛び交う炎の特効が盛り上げる。ジャケットを脱いでベスト姿になったNissyさんが「東京の皆さん、元気ですか?」と呼びかけると「元気!!」とありったけの声で叫ぶオーディエンス。「東京は2日目でございますが、皆さんと今日会えたここは1回目。初めまして皆さん!」「もっともっと行けますよね? 男の声、聴こえないなぁ。男、声を聞かせろ! 女の子も負けてられないよね? 女の子、声を聴かせて!」とコール&レスポンス。東京ドームに久しぶりに歓声が戻ってきたのを実感するひとときだ。
まるで虹色のカーテンかのような水の演出が煌めく中、その美しい歌声に会場のあちこちからため息が漏れたのは、ラブバラード「君に触れた時から」。“年齢はただの記号”という言葉は、彼のためにあると思うほどに36歳という年齢を感じさせない。まるで永遠のピーターパンのような奇跡のビジュアル。そんなNissyさんが届ける透明感溢れる研ぎ澄まされた歌声に、うっとり聴き入るオーディエンスたち。歌うために生まれてきた選ばれしシンガーが奏でる圧巻のメロディに、誰もが陶酔していく。ラストは涙を浮かべているように見えるほど、目を潤ませて歌う姿が印象的だった。
オーディエンスの「Nissy~!!」と叫ぶ声に反応して、何度も「ありがとう」を繰り返すことから始まったMC。「すごいっすね。むっちゃ元気やね。有り余ってるね、元気が」と嬉しそうに顔をほころばせる。「自分たちの声、いろんな人たちの声を聴いたのは、何年ぶりですか?」と問いかけると、会場にはそれに応える声が溢れる。
親しみを込めてオーディエンスとやりとりを繰り広げた後、熱く語り出したのは、徐々に緩和されてきたコンサートのガイドラインによって声出しが可能になった現状と、それまでの道のりについて。「2月4日の京セラドームから、100%皆さんの声を聴ける環境になったんですね。そして、昨日の東京ドームで2日目。去年の西武ドーム(ベルーナドーム)は、(声出しが)許されてなかったんですよ。その時、こんな環境のツアーは、2度と無ければいいなって思って…」と、歓声を失ったコンサートの空間にたった心境を話す。
拍手でやりとりしてきた西武ドーム、ナゴヤドームを経て、12月の福岡ドームから僅かながらに歓声を発せられるようになり、2月4日の京セラドームから100%の声出しが可能になった、とツアーの中でも変化がたくさんあったという。
「僕がこのアルバム『HOCUS POCUS 3』を作った2020年の3月末くらいは、生活するのもままならない環境で心が何回も折れて。洋服を買いに行くことも、大切な人と会話すらできない。そんな中でも、エンタメって絶対必要だからやらなきゃと思った」と、アルバムを制作し、ドームツアーを決断した心の内を明かす。自分の生活もずっと1人で孤独との戦いだった中、歌詞が思い浮かばないという辛い経験もあったというNissyさん。そんな時、自分を救ってくれたのもやはりエンタメだったという。
「偶然YouTubeでチョコレートプラネットさんのコントを見たんです。それは『静かにしろ』っていうコントで。僕ら、静かにしなくてはならない環境だったときに『静かにしろ』がこんな風に笑いになるなんて、こんなエンタメがあるんだって本当に、素直に救われて。今回のアルバムには、うまくいってないことをベースにして、それをエンタメにして、どうやったら、皆さんに楽しんでもらえるか考えました」。試行錯誤の中、世に生み出されたのが、2017年から約4年半ぶりとなるアルバムだった。
「コロナ禍で起きた出来事に関しては今後、教科書に載るけど、エンタメは教科書にほぼ載らない。だったら、自分のアルバムを手にとってくれた人が10年後になぜこんな展開のストーリーだったんだろうと思った時にああ、そういえば10年前に(コロナ禍が)あったなって知る教科書になってくれたらいいなと」と、2022年に発表されたアルバムの楽曲がこのご時世を感じ取ってもらう教科書を作り上げる気持ちで作り上げたのだと説明した。
「ツアーの発表も、『えっ、このタイミングでドームツアーやるの?』って頃。でも、何かしら前に進まないと…。一歩前進するためにドームツアーを決めました」。それだけでなく、全国でコンサートをやることでその地域の経済をまわせたらという願いもあったそう。さまざまな想いを語ったNissyさんは、スッキリした表情に。そして、「毎回言っているけど、この会場にきてくれたことを感謝しています」。
ライブの幕間では、チョコレートプラネットとNissyさんが共演を果たし、「静かにしろ」のコントを繰り広げるコント映像や、コロナ禍であるミッション遂行するためにタイムトリップしてきた主人公を演じるドラマ映像も。他にも「Nissy EntertainmentオールナイトNissy」というラジオ番組映像など、盛りだくさん。俳優のNissyさん、ラジオパーソナリティのNissyさん、お笑いを届けるNissyさんなど、ファンが見たいエンタメがこのコンサートで全部見られてしまう贅沢さ。こだわりが細部まで詰まった見応え十分な映像もNissy Entertainmentの魅力のひとつだ。
アンコールでは、最後に皆で一緒に記念撮影をしたり、ストーリーズを撮ったり。とにかく最初から最後まで楽しむ心意気が詰まったステージ。なんと、即興で他のアーティストの楽曲を歌うサービスまで。オーディエンスと過ごす時間が愛おしくてならないということが伝わってくる3時間半。最後のトークでは「MCで長くしゃべりすぎて、しゃべることがない(笑)。思いは伝えられました。皆、メシでも食いに行く?(笑)」と東京ドームのオーディエンス全員と食事できる場所を探そうと冗談を言うおちゃめなひとコマも。
ラストに「今年10周年を迎えるので、また何かできたらいいなと思っていますが、絶賛考えている最中。またぜひお付き合いいただけたらと思っています。(中略)時間は止まってくれないけど、また今同じ時代を生きている同士として、この続く時間を一緒に過ごしていきましょう。今日の思い出が皆様のパワーになってくれたらと思っています」と挨拶を。ドームを埋め尽くすファンをトリコにしてしまう愛情溢れるサービス精神で10周年からのNissy Entertainmentも見る者を熱狂させていく。
© TM & © 2023 Sesame Workshop、© 2023 Peanuts Worldwide LLC、© TM & © Universal Studios. All rights reserved
写真・田中聖太郎写真事務所 取材、文・福田恵子
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