柴咲コウが「トキメキを感じる」現代アートコレクションとは
ananweb / 2023年5月19日 19時30分
東京・天王洲にあるWHAT MUSEUMで、高橋龍太郎コレクション『ART de チャチャチャ ―日本現代アートのDNAを探る―』展が開かれています。本展では、日本屈指のアートコレクター、高橋龍太郎さんが集めたコレクションのなかからセレクトされたアート作品を展示。音声ガイドを担当された柴咲コウさんのコメントや、コレクターである高橋さんのお話、会場風景やカフェなどもご紹介します!
柴咲コウさんが音声ガイド!
柴咲コウさん
【女子的アートナビ】vol. 296
高橋龍太郎コレクション『ART de チャチャチャ ―日本現代アートのDNAを探る―」展では、アートコレクターで精神科医の高橋龍太郎さんが集めた約3,000点を超える作品から、33作家の作品約40点を展示。
横尾忠則や杉本博司、鴻池朋子、山口晃など、国内外のアートシーンで活躍する作家たちが手がけた見ごたえある多彩な作品が紹介されています。
本展の音声ガイドを務めたのは、俳優・歌手・企業家など多方面で活躍されている柴咲コウさん。
柴咲さんが展覧会に寄せたコメントもご紹介します。
現代アートの振興、普及へ多大な貢献をされている精神科医・高橋龍太郎さんのコレクションから選ばれた作品が並ぶこの作品展はアートに触れるだけではないトキメキを感じます。来場された方の特別なひとときに、自身のナレーションが音声ガイドとしてお役にたてることをとても嬉しく思います。各作家さんが日本の伝統文化などを再解釈し新たに表現した作品から浮き出てくる情景やストーリー。文章を語りながら私自身も現代アートのDNAを探っていきたいと思います。
なお、WHAT MUSEUMでは、公式アプリをダウンロードすれば、無料でガイドを聴くことができます。
日本の現代アートはおしゃれ!
高橋龍太郎さん
プレス内覧会では、コレクターの高橋龍太郎さんが登壇。本展への思いを語ってくれました。
高橋さん 今回の展覧会では、日本に関係する和テイストの作品を集めています。日本の現代アートの作家たちは、本当にさまざまな意味でおしゃれです。「いき」という言葉につながります。
哲学者の九鬼周造は、主著「いきの構造」で、日本の「いき」は媚態と意気地、諦めの3つの要素から成り立つとしました。その「いきの構造」があってこその現代アートだと私は思っています。
日本の現代アートは、国際的にはガラパゴス文化扱いになっている部分もありますが、私は世界中の人たちに、日本の作家たちが生み出す多様性ある作品を理解してほしいと思っています。
作家たちは、力量がありながら世界につながりにくい状況を、そのおもしろがりかたで生き抜いています。その「いきさ加減」を本展で発見していただきたいです。
レントゲンを見ながら描いたドクロも登場!
高橋龍太郎コレクション『ART de チャチャチャ ―日本現代アートのDNAを探る―』展 会場風景
では、いくつか展示作品をピックアップしてご紹介します。
1階の展示室は、本展のために壁が黒く塗られ、作品が浮かび上がるような形で展示されています。さまざまな作品がありますが、共通のテーマは生命と自然。
例えば、杉本博司さんの作品《陰翳礼讃》は、谷崎潤一郎の小説と同じタイトル。この作品では、ろうそくの一生が表現されていて、その生命を感じることができます。
鴻池朋子《無題》2010 ©Tomoko Konoike
また、2階の展示室、SPACE3に入って目に飛び込んでくるのは、頭蓋骨が描かれた鴻池朋子さんの作品。かなり大きなドクロで、ドキッとします。
この展示室のテーマは、日本の文化と風俗。鴻池さんの襖は、ご自身のレントゲンの頭蓋骨を見ながら描いたそうです。日本の伝統的な襖に大きなご自身の頭蓋骨、その周りに鹿がいて、後ろには山が描かれています。奇妙な組み合わせですが、黒いドクロがおしゃれな雰囲気にも見えます。
山口晃《何かを造ル園》2001 ©YAMAGUCHI Akira, Courtesy of Mizuma Art Gallery
SPACE4では、山口晃さんの作品が3点登場。油彩画の《何かを造ル園》では、現代の日本人や昔の人が何かをつくっている様子が描かれています。その隣では、人が悩んでいる顔も描かれ、何かをつくるのに思い通りにいかないというシニカルな様子も伝わる作品です。
ライブで作品制作を見られる!
作品制作中の能條雅由さん
また、WHAT MUSEUMの1階SPACE2では、公開制作:能條雅由『うつろいに身をゆだねて』が同時開催されています。
作家の能條さんによる新作が展示されているほか、この場に能條さんが滞在し、新たな作品を公開制作していきます。こちらで新しく生み出された作品は、空いている壁に次々と展示されていく予定。作品の生まれる瞬間を見たり、また作家とコミュニケーションをとったりすることもでき、さらに完成した作品のなかから気に入ったものを購入することも可能です。
※ 新作の販売はwebにて行われます。
※ 能條さんの滞在日程については、公式SNSでご確認ください。
⾼橋龍太郎コレクション『ART de チャチャチャ ー⽇本現代アートのDNAを探るー』展と公開制作:能條雅由『うつろいに身をゆだねて』は、8月27日まで開催。
見終わったあとは、おしゃれなカフェへ!
WHAT CAFEの店内
アート鑑賞を楽しんだら、ぜひWHAT CAFE(ワットカフェ)も訪れてみてください。運河に面した開放的でおしゃれな空間で食事やドリンクを楽しみながら、若手アーティストたちの作品を見ることができます。
WHAT CAFEで展示されている日比谷泰一郎さんの作品
例えば、こちらは日比谷泰一郎さん(1987年生まれ)の作品。日比谷さんは、天王洲のパブリックアートも手がけている方で、街中で彼の作品を楽しむこともできます。
なお、ここに展示されている作品は無料で鑑賞でき、好きなアートがあれば買うこともできます。数万円台で買える作品もあるので、はじめてアートを買う方にもおすすめ。
WHAT CAFEでは1か月ほどで展示の入れ替えがあります。現在の展示は5月21日まで。作家が参加するワークショップなどのイベントも開催されているので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
Information
会期 :~8月27日(日)
会場 :WHAT MUSEUM 1階SPACE1および2階
開場時間 :火~日 11時~18時(最終入場17時)月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
観覧料 :一般¥1,500、大学生・専門学生¥800、高校生以下無料
※ オンラインチケット制
※ 同時開催の展覧会観覧料を含む
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