桜田通「この作品に“神木隆之介”がいないことは考えられない」絶賛の理由
ananweb / 2023年6月22日 19時30分
誰もが興味のあるトピックのひとつといえば、お金のうまい使い方について。そこでオススメするのは、100億円もの借金返済をするための節約大作戦を描いている注目作『大名倒産』です。その見どころについて、こちらの方にお話をうかがってきました。
桜田通さん
【映画、ときどき私】 vol. 587
ある日突然、庶民から一国の殿様になったと同時に大きな借金を抱えてしまう主人公・小四郎が繰り広げる人生逆転エンターテインメントを描いた本作。そのなかで、病弱だが聡明な兄の喜三郎を演じているのが桜田さん。Netflix「今際の国のアリス」シリーズやテレビ東京「クールドジ男子」など、話題作への出演が続いています。今回は、親交の深い主演の神木隆之介さんとの現場で感じたことや役作りの裏側、そしてピンチの乗り越え方などについて語っていただきました。
―まずは、本作の出演にあたって決め手となったものを教えてください。
桜田さん その理由のすべてに、神木隆之介という存在が関わっています。もちろん物語自体も素晴らしいですが、僕にとってはこの作品に彼がいないことは考えられませんでした。僕は神木さんとはもともと仲良くさせてもらっていますが、がっつり共演したことはあまりなかったので、そういう意味でも一緒に出たいという気持ちは強かったです。
―実際に兄弟役として共演してみて、印象に残っていることはありますか?
桜田さん 友達としての時間がすごく長いこともあって、僕のなかでは面白くて少年のような神木隆之介のイメージしかありませんでした。現場ではいい意味で普段と差がないように感じたのですが、撮影が始まるとしっかりと小四郎になっていたので、そういう部分は僕のいまの技量では測れないところなのかなと。
僕がどうこう言えない次元にいるようにも感じたので、それを間近に見ることができていい経験になったと思います。いつもは友達としてふざけてばかりですが、そんな僕でもまだ踏み入れていない領域があるというのはすごく刺激的でした。
普段抱いている感情が役の関係性にも活かせた
―とはいえ、仲が良いからこそ、できたこともあったのでは?
桜田さん そうですね。たとえば、普段から神木さんに対して抱いている尊敬やかわいらしいなと感じている気持ちは、小四郎と喜三郎の関係性にも活かせたと思っています。特に、僕が背中をさすりながら元気づけるシーンでは、本番前から心のなかで温めていた思いを込めて言うことができました。
―もうひとりの兄弟役を務めた松山ケンイチさんも強烈なキャラクターを見事に演じ切っていましたが、現場で印象的なことがあればお聞かせください。
桜田さん それまでお会いしたことがなかったので、松山さんは寡黙な方というイメージを持っていたんです。でも、実際はすごくたくさんお話をしてくださったこともあって、一気に印象が変わりました。
あとは、物事をすごく自由に考えていらっしゃいますし、僕にはできないようなやりとりを監督ともされていたので、その姿を見てカッコイイ先輩だなと。アドリブの入れ方や演じるときの思い切りの良さも、「ここまで激しくやるのか」と驚きましたが、完成した作品を観たときにすべてがつながっていたので、改めて松山さんのすごさを実感しました。
前田監督の姿は、ロックでカッコイイ
―ご自身の役どころもセリフの言い回しなどが普段とは違っていたので大変だったと思いますが、前田哲監督からはどんな演出がありましたか?
桜田さん 最初に台本を読んだときに、セリフを普通に言うのか、それとも歌いながら言うのか、恥ずかしながら初めは自分のなかで構築できていませんでした。そんななか、現場では監督自らどうするのかを見せてくださったので、ボイトレみたいに僕がそれを自分のカラダに落とし込んでいくという作業をしました。僕もあそこまで歌うキャラになるとは思ってもいなかったです。
―なるほど。監督と一緒に作っていくような感じだったのですね。
桜田さん 正直に言うと、完成した映像を見るまでは自分のなかで不安もありました。でも、ちゃんとそれが成立していたので、初めからこれが見えていたのかと思うと監督は本当にすごいなと。前田監督はわかりやすく愛情を表現する方ではないのでクールなところもありますが、魅力的な方ですし、それにすごく変人だなとも思いました(笑)。
―(笑)。それはどういった点においてですか?
桜田さん もちろんマイナスな意味ではなくて、僕ではまだ及ばないような前田監督にしか見えていない世界があるんだろうなというのを感じました。そういう監督のオリジナリティが面白くてすごく好きです。年齢を重ねるにつれて、いろんな雑念が入ったり、周りの意見にブレてしまいそうになったりする瞬間ってありますよね? それでも監督はやり遂げているので、そういう姿がロックでカッコイイなと思いました。
もともと無駄なことはしない節約タイプ
―また、劇中ではお金に関するさまざまなことが描かれていましたが、ご自身も勉強になったことはありましたか?
桜田さん 本作を観て、僕も自分のお金をだまし取られないように気を付けようと思いました。特に、題材のひとつとして描かれている「中抜き」は、現代でも社会問題になっていることですからね。お金は生きていくうえでは大事なことです。
あと、節約に関して言うなら、僕はもともと無駄なことはしないタイプ。お水を飲んだらちゃんと冷蔵庫に入れて翌日も飲めるようにしようとか、髪を洗っている間もシャワーの水は止めるようにしています。ただ、自分がほしいものは買ってしまうほうなので、すべてにおいて節約しているとは言えないかもしれませんが…。
―ちなみに、最近浪費してしまったものはありますか?
桜田さん ついこの前、洋服をたくさん買いました。1年に1回くらいドーンとまとめて買うことがありますが、逆に僕がお金を使うのは洋服ぐらいじゃないかな。普段は、あまり使わないほうだと思います。
ピンチの状況でも、楽しむように意識している
―では、小四郎のように自分の人生が逆転したなと思った瞬間は?
桜田さん どちらかと言うと、僕はまだ逆転前の身ですが、先月音楽でデビューをさせていただきました。それによって新しく出会えた人がいたり、よくなった部分もあったりするので、そこは決めてよかったなと思っています。
―ちなみに、人生最大のピンチもありましたか?
桜田さん いや、ピンチだらけですよ(笑)。振り返ればいろんな苦難もありましたから。ベタな言葉ではありますが、やっぱり「ピンチはチャンス」なので、それを乗り越えた先に何かがあったことが多かったなと感じています。ピンチのほうが気持ち的には上がるというか、その状況も楽しむように意識しているので、自分のなかではすべてが大切な経験です。
―ピンチのときはどうやって克服されているのでしょうか。
桜田さん これは僕だけではないと思いますが、問題があったときは何か意味があることなんだなと考えるようにしています。実際、あとでそれが“武器”になることもあるので、ハプニングも自分を高めてくれる要素というイメージで生きています。
仲間を大切にしながら、明るく前向きに生きて行きたい
―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。
桜田さん まずは、「元気でポジティブに生きる」というのが大事だと思っています。まさにギャルマインドですよね(笑)。本来、人間はご飯と水さえ確保していれば生きていけますが、そのほかに価値があるものといえば、周りにいてくれる人たちの存在。そういった仲間たちを大切にしながら、「死ななきゃ人生プラス!」くらいの明るさと前向きな気持ちで僕も生きて行こうと考えています。そういうマインドがもっと広がっていけばいいなと思っているところです。
それから、自分のことを大切にしている人は性別に関係なく素敵だなと感じるので、周りに迷惑をかけるのはよくないですが、自分のやりたいことや自分がやりたくないことを意識することも必要かなと。そんなふうに、毎日を楽しく生きていってほしいです。
インタビューを終えてみて…。
取材前はクールなイメージがありましたが、とても明るくていい意味で期待を裏切ってくださった桜田さん。神木さんのことや現場の話をしているときがとにかく楽しそうだったので、スクリーンを通してでもその雰囲気が伝わってきた理由がわかりました。今後は俳優としてだけでなく、アーティストとしてもどんな活躍されるのかに期待が高まるところです。
どんな問題も痛快にぶった斬る!
現代にも通じるお金の問題も学べるだけでなく、ピンチのときこそ発想の転換で大逆転も可能だと教えてくれる本作。時代劇とは思えないテンポ感とコメディ要素を堪能しつつ、家族や仲間の大切さも身に染みる必見作です。
写真・園山友基(桜田通) 取材、文・志村昌美スタイリング・柴田圭(辻事務所) ヘアメイク・和田しづか
ストーリー
越後・丹生山(にぶやま)藩の鮭売り・小四郎はある日突然、父・間垣作兵衛から衝撃の事実を告げられる。なんと自分は、〈松平〉小四郎—徳川家康の血を引く、大名の跡継ぎだと!
庶民から一国の殿様へと、華麗なる転身…と思ったのもつかの間、実は借金100億円を抱えるワケありビンボー藩だった!? 先代藩主・一狐斎は藩を救う策として「大名倒産」すなわち藩の計画倒産を小四郎に命じるが、実はすべての責任を押し付け、切腹させようとしていた…!
残された道は、100億返済か切腹のみ! 小四郎は幼馴染のさよや、兄の新次郎・喜三郎、家臣の平八郎らとともに節約プロジェクトを始める。不要な武具や家具をリサイクル、屋敷を売り払い、兄弟ひとつ屋根の下でシェアハウス、果ては殿の下肥まで肥料として売るなど、知恵と工夫で藩の財政を立て直そうとするが、そんななか、江戸幕府に倒産を疑われてしまい大ピンチ! 果たして小四郎は100億を完済し、自らの命と、藩を救うことが出来るのか…!?
まさかの予告編はこちら!
作品情報
『大名倒産』
6月23日(金)より、全国公開
配給:松竹
(C) 2023映画『大名倒産』製作委員会
写真・園山友基(桜田通)
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