チャットGPTは産業革命以来の大きな発明!? フェイクニュース対策が今後の課題に
ananweb / 2023年6月30日 22時0分
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「チャットGPT」です。
産業革命以来の大きな変化の兆し。使い方に要注意。
チャットGPTとは、オープンAI社の生成系対話型AIで、昨年11月に公開されてから、わずか2か月でユーザー数が1億人に達し、ものすごい勢いで急成長しています。多言語に対応し、テキストの作成や翻訳、その要約も一瞬でできます。日本でも話題になり、「情報が間違っている」などと問題視されていますが、あくまでチャットなので、検索を目的においていません。2021年9月の情報を元にAIが回答をしているので、GoogleやYahoo!のように日々情報が更新される検索ツールとは異なります。
使い方としては、対話や相談の相手として、自分の考えをまとめたり、整理をしたりするツールとしてはとても有効です。使う側には、AIにどれだけ的確な問いを投げかけられるか、指示ができるかが問われます。
チャットGPTはオープンソース化されたことで、様々なサービスに組み込まれ活用され始めています。エクセルに組み込んで、1か月の財務諸表を一瞬で仕上げたり、ゲームのプログラミングをしたり。安全保障の分野や、経済取引や投資対象など、これまでは人類が考えて選択してきたことの判断をAIに預けるということが、当たり前になっていくでしょう。
ただ、チャットGPTの回答が、どこから導き出した情報なのか、経緯の検証はしにくくなっています。ですから、フェイクニュース対策は非常に厄介です。現在、出典元を明記するようにしようという声が上がっていますが、国際標準化されていませんし、スタンダードなルールにするのも難しいと思います。そもそもその出典元さえ、正確な情報とは限りません。AIの判断のエラーに気づけなくなったり、誰かの意図によって間違った方向に誘導されたりという可能性もゼロではありません。ある研究者は「人は究極の判断を迫られたときに、心理的に機械のほうを信じてしまう。それがリスクとなるかもしれない」と話していました。
高度なAI技術を使える企業はこれからますます強くなり、そうでないところは後れをとり、格差は広がります。いずれにせよ、産業革命以来の大きな発明であることは間違いありません。
ほり・じゅん ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。
※『anan』2023年7月5日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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