不動産会社の経営者が教える! 選んではいけない「ご近所トラブルに要注意のNG物件」4選
ananweb / 2023年10月14日 20時30分
物件探しの際、知っておくと助かるトピックをご紹介。『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)の著者であり、5000人超の女性たちの「幸せになれる家選び」をサポートしてきた「ことり不動産」代表の石岡茜さんに、選んではいけない「ご近所トラブルに要注意のNGマンション」を教えてもらいました。実際に入居してみないとわからないこともたくさんあるとは思いますが、ご近所トラブルに遭わないためにも、マンションを購入する前に注意するべきポイントを紹介しています。ぜひ物件選びの参考にしてください!
NG1 遮音性が低い物件
マンションにおけるご近所トラブルとして、もっとも多いもののひとつが騒音トラブルだと思います。話し声、足音、椅子を引く音、洗濯・トイレなどの水回りの音、さらにはテレビ、楽器、ゲーム、配信など。
コロナ禍以降は、リモートワークで家にいる方が多くなったことから、上下階や隣接する部屋の「リモート会議等、電話の声がうるさい」「静かな物件に引っ越したい」といった苦情や相談も増えました。
お子さんがいる家庭では消音吸収性のマットを敷いたり、大きな音や声が出るシチュエーションの際は事前に窓を閉めたりと対策を取っていることが多いのですが、コロナ禍以降に在宅勤務を始めた方には、遮音に関する知識が少ない場合が多く、トラブルに発展してしまっているのだと思います。
騒音トラブルを避けたいのであれば、鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションを選ぶのがおすすめです。
鉄筋コンクリートとは、柱など住宅の骨組みを鉄筋で組み上げ、その周りを囲った枠組みにコンクリートを流し込んで固める構造のこと。木造や鉄骨造と比べ、遮音性はもちろん、耐震性、耐久性、耐火性が高いことでも知られています。
その他、遮音性が高い窓サッシ、二重窓、複層ガラスがついた物件を選べば、騒音リスクが軽減されます。なお、窓サッシの外側部分はマンションでは共有部分にあたり、管理組合などに相談せず、勝手に交換することはできないので事前に確認することが重要です。ただし、築年数が古い物件でもサッシが最新のものに交換されている場合もあります。
また窓サッシの内側に関しては専有部となるため、購入後に二重窓にすることも可能。遮音性が高く、結露対策にもなるのでおすすめです。内見の際には、ぜひ窓サッシ周りの状態についても注目してみてください。
NG2 自分に合わないコミュニティの物件
いろいろな年代の方が共同生活を営むマンションでは、価値観の違いから予期せぬトラブルが起こります。入居してみないとわからないことも多いですが、予防するにはできるだけ自分に合ったコミュニティの物件を選ぶことが大切です。
その意味で、戸数はひとつの目安になります。たとえば子育て世代であれば、戸数が少ない物件を選ぶことで、住人同士が顔見知りになりやすいというメリットがあります。
庭や共用部でBBQなど季節のイベントが開催される物件では、そこに参加することで住人同士の仲が深まり、助け合いの輪が生まれたり、お子さんたちが一緒に遊んだりして、安心して子育てできる環境になっていくのです。
一方、関係性が近すぎることが原因でトラブルになる場合も。単身やDINKsで、積極的に住人とコミュニケーションが取りたくないという方ならば、住人同士が程よい距離感にある大規模マンションや、50㎡以下の単身・DINKs向けの部屋が多いマンションを選ぶことをおすすめします。
なお、そのマンションの雰囲気を知る手立てとして、内見の際に必ず共用部にある掲示板や張り紙をチェックしてほしいです。
入居者間のトラブルをはじめ、季節のイベント、落し物などの情報から、その物件の雰囲気がわかり、入居後の生活がイメージしやすくなると思います。
NG3 共用部が乱れている物件
「タバコの臭いが気になる」「ベランダに吸い殻が落ちている(上から捨てられた)」などというクレームをよく耳にします。タバコの煙はベランダに干した洗濯物に臭いがつくだけでなく、健康被害も気になってしまいますよね。
ベランダは避難経路になることからマンションの共用部分という扱いになり、タバコや火器の使用を禁止していることが多いのですが、物件によってはルール違反をしている住人がいることも事実です。
購入前に、こういったトラブルを察知することはなかなか難しいものですが、エントランスや廊下、エレベーター、ゴミステーション、駐輪場・駐車場など、共用部分の状態を確認することで、その物件で暮らす人たちの雰囲気を予想することができます。
NG2でも紹介しましたが、内見の際には共用部分の状態とともに、掲示板や張り紙をチェックしましょう。
タバコ問題はもちろん、騒音トラブルや、不審者の侵入など、マンション内で起きたトラブルについて注意喚起されていることが多く、参考にすることができます。
内見の際、管理人さんと直接話せる場合には、どのような住人の方が多い物件なのか、聞いてみるのもいいでしょう。
NG4 投資用に建てられた物件
分譲マンションであっても、投資用に建てられたワンルームをはじめ、単身者向けの間取りが多い物件は注意が必要です。
各部屋の所有者は自分が住むためではなく投資用として購入しており、賃貸住居者に貸し出している場合がほとんどです。
そのため、物件への愛情がわきづらく、所有者として実際に暮らしている人が多いマンションと比べると共用部が乱れ、住民トラブルが起こる可能性が高くなってしまうのです。
投資用マンションの見分け方としては、間取りがひとつの目安となります。
学生や若い会社員などをターゲットにしているため、間取りの多くはワンルーム、1K、1LDK等で、面積は一般的に30㎡以下の物件がほとんどです。またキッチンや浴室がコンパクトなのも特徴です。
ワンルーム、1K、1LDKの間取りが多いマンションを検討する場合、共用部の張り紙や、管理状況を確認して、慎重に選ぶようにしてください。
Information
<教えてくれた人>
石岡茜さん。2013年に「女性のための不動産会社を作りたい」と、東京・学芸大学に「ことり不動産」を設立。女性ならではの細やかな視点と「幸せな家選び」をモットーに、物件選びをサポートしている。宅地建物取引士。著書に『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)がある。
取材、文・髙倉ゆこ
©studio marble/Adobe Stock
取材、文・髙倉ゆこ
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