不動産会社の女性経営者が教える! 知らないと損をする「賃貸物件の更新&解約時のNG行動」
ananweb / 2024年2月17日 20時0分
賃貸物件を探すなら、後悔しない物件を見つけたいですよね。今回は、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに「賃貸物件の更新&解約のNG行動」について教えてもらいました。不動産のプロの本音、ぜひ物件選びのヒントにしてください。
不動産会社の女性経営者が教える! 絶対にやってはいけない「賃貸物件の更新&解約のNG行動」
【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.44
――賃貸物件の”更新”、”借り換え”の初心者に向けて、知っておくべき「基礎知識」を教えてください。
平出さん 賃貸物件は2年契約の場合が多く、2年経っても住み続けたい場合は、更新料として賃料の1か月分を支払うことが一般的です。更新時に賃料が変わった際は、新たな賃料の1か月分を支払う必要があります。
また賃貸物件の契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があることも、覚えておいて損はないと思います。「普通借家契約」は、契約期間が終了しても更新して住み続けられるのに対し「定期借家契約」は、契約期間が終了すると一旦解約となってしまうんです。状況によっては再契約をして住み続けられる場合もありますが、住み続けたくても、建て替え予定があったり、オーナーの都合により住み続けることができない場合もあるため要注意。募集情報をみると契約の種類は必ず記載されていますので、契約前に確認しておくことをおすすめします。
――賃貸物件の更新、または借り換えをする際に、やってはいけないNG行動はありますか?
NG1. 「退去日を決めないで、引越し準備を進める」
平出さん 今住んでいる物件を更新せずに引越しをする場合は、まず退去日を決めた方がいいです。退去日を決めておかないとスムーズに物件探しが進まないことはもちろんですが、元々住んでいるところの家賃と引越し先の家賃を二重で支払うことになってしまう可能性があります。「2か月分、両方の家賃を払っていました…」と後悔していたお客様も少なくありません。引っ越しを失敗しないためには、期限を決めて、そこから逆算して次に住む場所の内見や契約を進めるといいです。ただし、退去申込みをするとキャンセルできない場合も多いため、焦らずに、引っ越しをすることが確定してから連絡するようにしてくださいね。
NG2. 「契約内容の変更を確認しないで、更新をしてしまう」
平出さん 今住んでいる賃貸物件に住み続けるとしても、更新時期がきたら契約内容のチェックは必ず行うようにしてください。稀に、更新時に契約が変更されてしまうなど、借主にとって不利になっているケースがあります。もしも大家さんに賃料を上げたいと言われてしまった場合、納得ができなければすぐに承諾しなくても大丈夫。更新時、高額な値上げに納得のいかなかった私の友人は、すぐに家賃の値上げを承諾せずに消費者センターに相談した旨を伝えたところ、家賃が上がらなかったそうです。まずは大家さんに交渉して、それでも受け入れてもらえず揉めてしまうようであれば、消費者センターや弁護士に相談することができることを覚えておいてください。
NG3. 「更新、解約の申請時期の確認をしない」
平出さん 更新、解約の申請連絡は退去希望日の1か月前に設定されている場合が多く、物件によっては2~3か月前までに連絡すると決められている場合もあるため、更新の3か月前くらいには、更新するか引っ越しをするかどうかを考えておくとスムーズです。申請がギリギリになってしまうと、解約する予定なのに更新料を支払うことになってしまい余計な出費が必要になってしまう場合も。また、2年未満の解約時には解約違約金が設定されている場合もあります。契約時に、更新と解約の申請期限についても必ず確認するようにしましょう。
――更新費用は、必ずかかるものなのでしょうか?
平出さん 更新費用は賃料の1か月分を支払う物件が多いですが、必ずではありません。最近知った入居者ファーストオーナー会では、更新時、更新料をもらうのではなく、逆にオーナー様が入居者に住み続けてくれてありがとうという気持ちを込めて、”謝礼”をというシステムを導入していました。更新費用不要の物件はたまに見かけますが、逆に入居者様に更新費用をお渡しするのはおもしろいなと思いました。更新費用と一言で言っても物件やオーナー様の考え方によりさまざまなタイプがあります。
――更新するか借り換えをするか、まだ検討段階の際に気をつけるべきことはありますか?
平出さん 更新時は自分の生活環境について見直すチャンスなので、理想のライフスタイルを考えてみるといいと思います。今住んでいる物件に不満があっても、少し工夫をすれば引っ越しする必要がない場合もあります。本当にこのままの生活でいいのか、不満を感じている点や理想の生活を書き出して、引っ越す必要があるのかを検討してください。
賃貸物件のいいところは、環境の変化によって好きなところに引っ越せること。購入となるとそうはいきません。結婚や出産、転職などで生活環境が変わることも多いですよね。そのため、ライフスタイルの変化に応じて、住む場所を定期的に見直すことができる賃貸物件に住むメリットは活かすべきです。長く同じ物件に住むと、引っ越しの際の手間やお金がかからないためコスパはいいですが、賃貸物件ならではの恩恵を受けられていないということでもあります。ご自身のライフスタイルや今後の方向性を考えて、タイミングだなと思ったら引越しはおすすめです。
楽しいひとり暮らしを始めるために知っておこう
いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。
教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん
宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。
文・市岡彩香
anan web、anan Beauty+を中心に執筆するフリーライター。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。インタビューライター、フードライターとして活動中。
©archiZG/Adobe
文・市岡彩香
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