限定グッズやスイーツも超おしゃれ! 連休のお出かけにもぴったりなマティスの展覧会
ananweb / 2024年4月21日 9時0分
東京・六本木の国立新美術館で「マティス 自由なフォルム」が開催されています。20世紀最大の巨匠のひとりとして知られるフランスの芸術家、アンリ・マティス(1869-1954)。本展では、特に彼が後半生で取り組んだ「切り紙絵」に着目し、日本初公開となる大作も登場しています。展示風景や学芸員さんのお話、おしゃれな限定グッズ&スイーツもご紹介!
南仏ニースから約100点以上も来日!
「マティス 自由なフォルム」展示風景 ※本記事の写真は、主催者の許可を得て撮影しています。© Succession H. Matisse
【女子的アートナビ】vol. 331
本展では、マティスが後半生を過ごした南仏のニース市マティス美術館が所蔵するコレクションを中心に展示。ニースでマティスが手がけた「切り紙絵」にフォーカスしながら、絵画や彫刻、版画、舞台衣装など約150点の作品が紹介されています。
国立新美術館主任研究員の米田尚輝さんは、本展の概要について次のように解説されています。
米田さん 今回の展示作品のうち、90パーセント以上がニース市マティス美術館のコレクションから構成されています。同美術館のコレクションはマティスがニース時代に制作したものが多いのですが、初期の重要作品もあります。今回は時系列的に構成され、パリ時代に描いた初期作品からフォーヴィスム時代、南仏時代の作品、さらに重要な彫刻の作品群も展示されています。
南仏で明るい光と出合う
左:アンリ・マティス《マティス夫人の肖像》1905年、右:《日傘を持つ夫人》1905年 ニース市マティス美術館蔵 © Succession H. Matisse
では、いくつか見どころをご紹介。
まず、「Section1 色彩の道」では初期からフォーヴィスム時代の作品が並んでいます。
マティスは21歳のときに画家になると決意。パリの国立美術学校でギュスターヴ・モローに学び、ルーヴル美術館で巨匠たちの作品を模写したりしながら技法を身につけていきました。その後、南仏に滞在し明るい光と出合ったことがきっかけとなり、鮮やかな色彩を使うフォーヴィスム絵画が生まれました。
ちなみに、「フォーヴィスム」は日本語にすると「野獣派」となります。マティスなど一部の画家たちは荒々しい強烈な色彩を使うため、フォーヴ(野獣)にたとえられてこの名称がつきました。
絵に描かれているオブジェも登場!
右:アンリ・マティス《小さなピアニスト、青い服》1924年 ニース市マティス美術館蔵 © Succession H. Matisse 、左:《赤い“ムシャラビエ(アラブ風格子出窓)”》北インド? 19世紀末〜20世紀初頭 個人蔵(寄託:ニース市マティス美術館)
続く「Section2 アトリエ」では、アトリエで描かれた作品や、アトリエ自体をテーマにした作品を展示。
マティスは南仏ニースに滞在し、骨董品などのオブジェを集め始めました。会場では、マティスが所有していたオブジェと、そのオブジェが描かれた絵画作品もあわせて展示。東洋風の火鉢や大きな織物などと一緒にマティスの絵が並べられ、ユニークな光景を見ることができます。
展示風景より、マティスがデザインした衣装(制作したのは、モンテ・カルロ・バレエ団のアトリエ)© Succession H. Matisse
続く「Section3 舞台装置から大型装飾へ」では、マティスが手がけたデザインに関する仕事などを紹介。
マティスは、1920年にパリのオペラ座で開かれたバレエ・リュスの舞台「ナイチンゲールの歌」の舞台装置と衣装デザインを担当。この衣装のためにマティスは何枚も習作を描いたそうです。会場では、色鮮やかな衣装がズラリと並び、見ごたえがあります。
色も形もポップでかわいい!
アンリ・マティス《花と果実》1952-53年 ニース市マティス美術館蔵 © Succession H. Matisse
「Section4 自由なフォルム」では、本展のメインビジュアルにも使われている切り紙絵の大作《花と果実》が登場! 色も形もポップでかわいい雰囲気の花の絵は、見ているだけで明るい気分になってきます。
本作品について、米田さんは次のように述べています。
米田さん マティスは1952年ごろ、アメリカ人コレクターから大型装飾作品を注文されました。本作品は、その装飾作品のためにマティスが提案した四つの案のうちのひとつです。5枚のカンヴァスが繋げられ、大きな切り紙絵になっています。本作品は、今後ニース市から外に出る可能性は限りなく低いと思いますので、日本で見られる最後の機会かもしれません。
昭和のマティスブーム!
展示風景 © Succession H. Matisse
また、本展では、マティスと日本の関係を紹介した展示もあります。
日本ではじめてマティスの展覧会が開かれたのは1951年、昭和26年でした。当時80歳を超えていたマティス本人が、展示作品の選定やポスター制作などにも指示を出したそうです。会場では、そのときの展覧会に関する資料なども展示され、昭和に巻き起こったマティスブームの様子を知ることができます。
ヴァンスのロザリオ礼拝堂内部のレプリカ
最後の「Section5 ヴァンスのロザリオ礼拝堂」では、マティスが晩年に室内装飾から祭服デザインまで手がけたロザリオ礼拝堂についての作品や資料などを展示。さらに、ヴァンスのロザリオ礼拝堂内部のレプリカをほぼ原寸大で再現した部屋に入ることもできます。
グッズもスイーツも超おしゃれ!
本展の特設ショップでは、オリジナルグッズが充実。かわいいマグカップやトートバッグ、ステーショナリーなどが揃っています。
特にステキなのは、《花と果実》をあしらったTシャツ。グレーの生地と作品の相性がぴったりです。
上:[デザート] アンリ・マティス《花と果実》「昔ながらのゴーフルと色々な果実 バタフライピーのクリームとフランボワーズのクーリー」、下:アンリ・マティス《花と果実》 1952-1953年 切り紙絵、410 × 870 cm、ニース市マティス美術館蔵 © Succession H. Matisse Photo: François Fernandez
マティスの《花と果実》は、スイーツとしても登場。名画はどんなものにアレンジしてもおしゃれになりますね。
色彩鮮やかなマティスの展覧会は、春のお出かけにもぴったりです。連休中も開館しているので、ぜひ足を運んでみてください。
Information
会期:2024年2月14日(水) ~ 2024年5月27日(月)
開館時間:10:00~18:00 ※毎週金・土曜日、4月28日(日)、5月5日(日)は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日休館※ただし4月30日(火)は開館
会場:国立新美術館 企画展示室2E
観覧料:一般 ¥2,200、大学生 ¥1,400、高校生 ¥1,000 ※中学生以下無料
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