JO1・木全翔也「『トラペジウム』は僕にとって大事な一歩となる作品に」
ananweb / 2024年5月21日 19時0分
優しく、穏やかに言葉を紡ぎながら、時折見せる少年のような魅力。デビュー時からさまざまなギャップでファンを惹きつけ続ける、JO1・木全翔也さんの未来図は?
アイドルを目指す主人公のリアルな感情に共感。
乃木坂46、1期生の高山一実さんが自身のアイドルとしての経験をもとに執筆し、30万部の大ヒットを記録した小説『トラペジウム』が原作のアニメーション映画に、声優として参加したJO1の木全翔也さん。
「声優のお仕事は今まで何回かやらせていただいたことがありますが、もともとアニメが好きで普段から声優さんの声真似をよくしていることもあり、声のお仕事をもっとやりたいと思っていたので、お話をいただいた時はうれしかったです。『トラペジウム』は僕にとって大事な一歩となる作品になりました」
木全さんが演じたのは、アイドルを夢見る少女・ゆうに協力する工藤真司。ゆうと同じく高校生でありながら、アイドルになりたいという主人公の夢をサポートする役どころだ。
「真司は陽キャか陰キャかで言ったら陰キャなタイプ。若干オタク気質でこだわりが強かったりするところも僕自身と似ていて、演じるにあたっては素直に自分の感覚を出すことを心がけました。身長が173cmというのも同じなんですよ(笑)」
ただ、木全さん自身は自分が演じた真司よりも、アイドルを志すゆうに共感することのほうが多かったそう。
「真司より、ゆうのほうが僕と境遇が似ているんですよね。ステージに立つことを目指すのが簡単ではないことは僕もよく知っているので、ゆうの気持ちに共感しました。コツコツ地道にがんばっていても、焦ってしまう気持ちは僕もかつてオーディションで経験したことがありますし…。フィクションではない感情から垣間見えるリアルさがこの映画の魅力だと思います」
逆に、真司のセリフは「そういう考え方もあるのか」と新鮮に感じたそう。
「ゆうへのアドバイスのつもりで、真司が『そのほうがよっぽど近道なのに』と言うシーンがあるんですが、そのセリフを口にしながら、周りからはそう見えるのかと新鮮に感じましたし、『近道ってなんだろう』とも思いました。真司にすれば、ゆうは遠回りしてるように見えるのかもしれないけど、ゆうはその道を行きたかったんだろうし、逆に言えばその道しかなかったのかもしれない…。どちらの気持ちもわかるから、このシーンは演じていて複雑で、気づけばゆうに共感してしまいました」
ゆうに気持ちが傾いてしまうのは、木全さんがオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』で選ばれ、JO1としてデビューしたという経緯がゆうたちと重なるからだ。だが木全さんはアーティストになる夢をずっと胸に秘めていたそう。
「昔から歌うことが好きで、家でもよく歌っていましたが、ステージに立ちたいという夢は誰にも打ち明けられませんでした。それでいて心のどこかではずっと憧れていて…。早い人だともっと若い頃からオーディションを受けると思うんですけど、僕は『PRODUCE 101 JAPAN』が初めてでした。参加した時、一言コメントを書く欄があったんですけど、そこに何を書けばいいのか相談できる人もいなかったです。そもそも、オーディションに参加するとなって初めて自分の夢を親に打ち明けたくらいでした」
それまでは週6でアルバイトに精を出しながら、ステージへの憧れを募らせていた。
「僕はデビューが19歳だったので、いわゆる一般人としての期間が長いんですが、ずっとバイトしていましたね。高校時代は学校に行って、部活して、バイトして、を繰り返していました。合間にカバーダンスのチームでコンテストにも出ていたんですが、学校の同級生には言ってなかったので、ダンスをやっていると言うと驚かれました。高校3年生の時、カバーダンスのチームが解散することになって、これで終わってしまうんだと思ったらやっぱりステージに立つ楽しさを手放したくなくて。それで、最後の機会にと思い『PRODUCE 101 JAPAN』に挑戦したんです」
そんな木全さんだが、今では自分の叶えたいことは何でも口にするようになったと笑う。それが、結果的に彼自身のスキルアップにつながっている。
「今は目標は率先して言うし、言ってよかったことのほうが多いです。こうして声優のお仕事や演技もさせていただきましたし、好きが高じてお寿司の連載も(笑)。目標は尽きないですね。特に今回、『トラペジウム』で声優を経験して、もっとうまくなりたいという欲が出ました。収録を重ねるうちに自分でもよくなっているのがわかったので、自分からお願いして最初のほうのシーンはいくつか録り直しさせていただいたんですよ。今回はスケジュールが合わなくて1人での収録だったんですが、他の声優さんたちと一緒にスタジオでアフレコしてみたいです。とてつもなく緊張するだろうけど(笑)。でも一緒にやるからこそ生まれるテンポがあると思うし、いつかやってみたいです」
きまた・しょうや 2000年4月5日生まれ、愛知県出身。’20年にJO1としてシングル『PROTOSTAR』でデビュー。’22年、『群青のファンファーレ』で声優に初挑戦。元乃木坂46の高山一実の小説が原作の映画『トラペジウム』で、アイドルになる夢に向かって奔走する主人公を支える工藤真司を好演。全国の映画館で上映中。
ジャケット¥64,900 ニット¥29,700(共にJ.PRESS ORIGINALS/J.PRESS&SON’S AOYAMA TEL:03・6805・0315) ネックレス¥737,000 ブレスレット¥495,000(共にメシカ/メシカジャパン TEL:03・5946・8299) イヤカフ¥38,500 リング、右手・小指¥44,000 中指¥77,000(以上MARIHA/マリハ TEL:03・6459・2572) その他はスタイリスト私物
※『anan』2024年5月22日号より。写真・KAZUYUKI EBISAWA(makiura office) スタイリスト・ホカリキュウ ヘア&メイク・西尾さゆり 取材、文・尹 秀姫
(by anan編集部)
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