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「変わった趣味があっても構わない」結婚相談所を運営する「掟ポルシェ」が語る令和の婚活事情

ananweb / 2024年5月28日 20時0分

「変わった趣味があっても構わない」結婚相談所を運営する「掟ポルシェ」が語る令和の婚活事情

婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第173回は、番外編。サブカル界の著名人「掟ポルシェ」さんがなんと結婚相談所を運営中とのことで“令和の婚活事情”や“パートナーとうまくいく秘訣”などをうかがいました!

サブカル著名人、掟ポルシェさん登場!

ミュージシャンで文筆家の掟ポルシェさん。

【結婚引き寄せ隊】vol.173

1997年にニューウェイヴバンド「ロマンポルシェ。」のボーカル&説教担当としてデビューし、現在は文筆家やDJとしても活躍している、掟ポルシェさん。

サブカル界の著名人である掟ポルシェさんが、妻で占い師の日下ゆにさんと一緒に、2023年2月に結婚相談所「縁むすび セキレイパートナーズ」を開業しました。ミュージシャンの掟さんが手がける結婚相談所となれば、きっとひと味もふた味も違うはず! 

令和の婚活の様子や結婚相談所について、実際に約4年間婚活をしてエッセイ本『どうしても、結婚したかった。1000人の男性と出会った私の婚活ラプソディー』を発売したライター・かわむらがお話をうかがいました。



――あらためて、結婚相談所を始めたきっかけからお聞かせください。



 2022年の春、占い師をやっている妻から突然「占いの結果、結婚相談所を2人でやるとうまくいくからやろう」と、勧められました。ただ、いままで娯楽に特化した仕事、アリとキリギリスで言えばキリギリス要素しかないことだけずっとやってきた人間が、いきなり結婚相談所みたいな真面目な仕事やりますって言っても信用もないだろうし、絶対にやりたくないと言っていたんですが、その後いろいろあって2023年2月から始めることに。



――2021年から配信されているYouTube「掟ポルシェチャンネル」では、ご夫婦で『夫婦で占い人生相談!』を月に1度生配信するなか、これまで趣味に生きてきたサブカル好きな男女から、「一人で生きていくのはさびしい」「こんな自分でも結婚できるのだろうか?」というお悩みが数多く寄せられたことも、結婚相談所を始める後押しになったそうですね。



 実際、そういうお悩みが多かったことから開業を決意したのも事実です。40歳手前になると、これまで趣味に生きてきたサブカル男女がふとした寂しさを覚えるようで、なぜか相談されることが増えてきたのでそれを仕事にしてみるのもいいかなと。起業には不安もありましたが、結婚相談所は人間を扱う仕事だし、最初は勝手がわからなくても人の気持ちがわかればなんとかやっていけるだろうと思い、始めてみました。



――いまは恋活系や婚活系アプリなどで、手軽に出会いを求める人も多そうです。



 無料のアプリを使って相手探しをする人もいますよね。でも、それで傷ついている人も意外に多くて。アプリだと手軽に肉体関係だけを持つ目的の人も多くいて、結婚を見据えた本気の恋愛を求めて始めると、温度差があってうまくいかないといった話をよく聞きます。結婚相談所のいいところは、みんなが結婚するつもりでいること。それなりの金額の登録料を払う必要があったり、国が発行する独身証明書の提出が必要だったり、遊び目的の既婚者が紛れ込めないシステムになっていて、そのぶん安心感があるかと思います。



――結婚相談所を運営されて約1年経ちました。会員の方はカルチャー好きな方が多そうですね。



 夫婦で顔出しして活動していますので、僕らのことを知らないでやってくる人は誰もいないです。いわゆる一般的な結婚相談所に入るには照れがあったけど、「掟がやっているから面白そうだな」とか、たとえば変わった趣味があっても構わないと打ち出しているので、「それなら自分のこともわかってくれそうだから入会してみよう」となる方が多いですね。

大手の結婚相談所では、オタクやサブカルといったちょっと偏った趣味を隠すように指導したりは意外とあるようで、健康的で聞こえが良い趣味をプロフィールに書くよう言われる風潮もまだあるようです。でも、時代的には自分らしさを出していくことは全然いいことですし、個性的な趣味でも堂々と人に言っていい。偏狭な趣味は隠さず、それでいて押し付けるでもなく、相手にもほっといてもらえる関係が理想だと思いますし、現代の婚活のあるべき姿だと思います。

素敵な人と出会ってうまくいく秘訣は…



――出会いを掴んで、恋人になってから、うまくいく秘訣はなんでしょうか?



 基本的には人に合わせていけるかどうかですよね。お互いにひとりの人間同士、他人なので考えていることも違いますし、どうすり合わせていくか。もう本当にシンプルなんです。気になることがあれば話し合って、相手の気持を理解してあげられるかどうか。そして、合わせられるところは合わせていく。いまは出来なくても将来的にがんばりますという意思を見せる。

「せっかく高い入会金を払うのだから、若くて美しいお相手と結婚したい(そうでないと意味がない)」という要望はよくあります。でも、そればかりではうまくいかない。たとえば年配だけど高収入の男性が、自分よりもかなり年下で教養を兼ね備えた美人にばかりお見合いを申し込んで玉砕し続けるパターンはよく見受けられます。結婚相談所では、年齢も年収もさまざまなことが数値化されますが、年配の男性は年収があるのは当たり前なのでそれほど武器にはなりません。そこは同世代の女性とマッチングする気があるか、といった条件や意識の切り替えができるかどうかが、結婚できるポイントになってきます。

ただ、そういう方はあまりこちらの話を聞かないことが多いです。私たち結婚相談所は会員様に対して、結婚に近づけるためのアドバイスをするのが仕事ですから、ときには厳しい現実を突きつけることもあるかと思います。婚活の世界でのあなたの立ち位置はこれくらいです、だからここの部分をがんばってください、というアドバイスをちゃんと受け止められるかが重要になってきます。



――確かに、自分自身を客観的に見ることができないと、知らないうちに高望みしてしまうこともあると思います。



 あとは好みの範囲を狭めすぎないことも重要ですよね。一番うまい婚活の方法は、多くの人にお見合いのお申し込みをしていただくことなんです。ルックスの良い人が同じような美男美女を求めているとは限らない。それぞれ好みの傾向は違うので、まずはアプローチしてみない限りはどうなるかわからないんです。だからこそ、特に自分のスペックにあまり優位点がない人ほど、数を打つことが大事。

うちは全国の結婚相談所を束ねるIBJ(日本結婚相談所連盟)に加盟しておりまして、登録会員総数8万6千人(2024年5月現在)の中から、システムを使って結婚相手を自由に探していただくことが出来ます。自分たちの相談所の会員同士を引き合わせるわけではありません。

かわむらさんは1000人の男性にお会いになったそうですが、1人目よりも1000人目の男性に対してのほうが、ちゃんとしたコミュニケーションが取れるようになってきますよね?



――そうですね、良くも悪くも婚活が長くなると、接し方もアピールの仕方もだんだんとわかってきたところがありました。



 結婚相談所も同じなんです。たくさんのお相手に会うことでお見合い慣れしていくことが出来ますし、人への評価を相対的なものにしていけます。私どもでは、たくさんお見合いを申し込めるように、ひと月の申し込み上限を「100人」と「200人」のコースに設定しています。まずはお相手に会わないことには話が進まないです。

相手に合わせて話を聞くことが夫婦円満のコツ 



――現在は結婚したい男女を後押しされる立場の掟さんですが、掟さんと奥様のなれそめといえば? 



 90年代に編集者として仕事しようと思って、ある出版社の雑誌編集部に潜り込んだんですが、当時はなかなか過酷な勤務状態だったので恥ずかしながら3日で脱走して。数年後、その雑誌の100号記念の単行本を作ることがあり、インタビューを受けることになって、その際にライターとして来たのが妻です。会ったときから、「好きなタイプの人がやってきたな」と。4年ほど付き合って結婚しました。



――運命の出会いだったのですね! 現在、恋活や婚活している方も、普段の生活の中で出会えるといいんですが…なかなか難しい場合があります。



 お仕事の関係で、まったく異性と出会わない環境の方もいらっしゃいますよね。実際に、本当に仕事が忙しすぎて、出会いの場に出向く暇もないと相談に来られた方がいらっしゃいました。日常生活では、みなさんあまり出会いのきっかけがないんだな、と実感しています。



――最終的に、結婚してからも円満でいるコツはあるのでしょうか?



 それは恋人のときと同様で、夫婦でもやっぱり他人同士です。ですから、結婚してからも円満でいるには、出来るだけ相手に合わせようという気持ちを持つこと、相手の意向に沿うよう話を聞くこと。人に合わせるのが苦手だという人は、一生、独身でいる覚悟を持ってもいいと思います。現代は、いろいろな娯楽もありますし、結婚して家庭を持つこと以外にも人生を充実させる手段はたくさんありますよね。でも、どうしても結婚したいとなったら、結婚相談所を利用するのもよろしいかと思います。

結婚相談所といってもたくさんあるので、それぞれ自分に合うところを吟味していただければと。大手相談所さんは経験が豊富なので安心感がありますが、1人の相談所員の方が何十人も担当される方を抱えていらっしゃることがザラです。うちの場合は、夫婦で少数の方のご要望に応えていて、占いで相性を見たり、月に1回WEBミーティングしたり、大手ではなかなかできないサポートが受けられるのが利点だと思います。

うちを利用して成婚された方から、「こんな素敵な人が結婚相談所にいるとは思わなかった」とのお声をいただくことがよくあります。出会いがないことに悩んでいる方、お待ちしております。



教えてくれた人 
掟ポルシェ(おきてぽるしぇ)
ミュージシャン、文筆家。1968年北海道生まれ。1997年、ニューウェイヴバンド「ロマンポルシェ。」のボーカル&説教担当としてデビュー。これまで『男は橋を使わない』ほか、8枚のCDをリリース。著書は『掟ポルシェのくだらないやつ』(東京ニュース通信社)、『⾷尽族〜読んで味わうグルメコラム集〜』(リットー・ミュージック)など多数。ほかにもDJ、司会、俳優、声優と活動は多岐にわたる。2023年、結婚相談所「縁むすび セキレイパートナーズ」を開業。

Information

取材・文:かわむらあみり

©fuyuko/Adobe Stock

取材・文:かわむらあみり

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