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佐藤水菜選手「父と同年代の男性たちに圧勝できるのも快感だった (笑) 」 自転車競技にハマったきっかけ

ananweb / 2024年5月26日 19時0分

佐藤水菜選手「父と同年代の男性たちに圧勝できるのも快感だった (笑) 」 自転車競技にハマったきっかけ

迷わず、前へ。世界も注目する小さなスプリンター。瞬間最高時速70km以上という峻烈な自転車競技の世界で戦う佐藤水菜選手(自転車競技 トラック短距離 ナショナルチーム)。パリ五輪も目前の今、しなやかでたくましい脚と独特の感性を武器に世界の強豪とわたり合う、彼女のパワフルな内面に迫ります。

どんな状況もチャンスととらえ、ポジティブにレースに臨みます。

最大傾斜45度、周長250mのすり鉢状のトラックを専用自転車「ピストバイク」で疾走し、順位を争う自転車トラック競技。そのパリ五輪女子日本代表として最有力視されているのが、佐藤水菜選手だ。現在25歳。6種目ある競技のうち一対一で競う「スプリント」や日本の公営競技である競輪がルーツの「ケイリン」など、短距離種目で出場を目指す。

生まれは神奈川県の茅ヶ崎市。趣味で自転車競技をしていた父親の影響で、幼い頃から自転車や競輪場は身近な存在だったが、選手になることは考えていなかった。

「でも高校の頃、徐々にピストバイクで走り始めたら、タイムが出て面白くなって。練習会や競技会で父と同年代の男性たちに圧勝できるのも快感だったし(笑)、そこからのめり込んでいきました」

やがて周囲に勧められ、高校卒業後に日本競輪選手養成所に入所、翌年には女子の競輪「ガールズケイリン」でプロデビューした。3年後、22歳でトラック競技のナショナルチームへ。ハードな練習を重ね、この1年は権威あるトラック競技の国際大会「ネーションズカップ」の女子ケイリンで3連勝する傍ら、本業のガールズケイリンで’23年の賞金女王に輝くなど、破竹の勢いだ。

自身の強みを、「勝負どころの見極め力」と分析する佐藤選手。

「仕掛けるべき時が来ると、顔に受ける風や聞こえる音、周囲の選手の体温などが微妙に変化するのが分かるんです。その瞬間を逃さないように、絶えず五感を研ぎ澄まして走っています」

昨年のジャカルタでのネーションズカップ・女子ケイリン決勝でも、その鋭い感覚で勝利を引き寄せた。身長が180cm近くある大柄な外国人選手に囲まれながら終盤、並走する選手の一瞬の遅れを見逃さずに前へ。外側から先頭走者をかわし、見事優勝した。

「めちゃくちゃ爽快でした。海外の強豪選手たちにテクニックで勝てたことも、自信になって」

体格が良く脚力のある相手に対しても、「空気抵抗が少ない分、自分が有利」など、ポジティブに考えられるようになった。次に狙うは、パリ五輪出場とメダル獲得。

「その場に立てたら、持てるすべてを出してレースを楽しみます」

実は優柔不断。自転車レースは迷う余地がないところが好き。

瞬時の判断で勝負を仕掛け、鮮やかなレース展開で観客を魅了する佐藤水菜選手。プライベートでも決断が速いのではと思いきや、

「全然、優柔不断ですよ。ラーメン屋でのメニュー選びも延々と悩むタイプ(笑)。迷う時間や選択肢が多くある状況が苦手です」

だから、迷う暇のない自転車競技が向いているのかも、と笑う。緻密な練習スケジュールで自由な時間が限られるなか、大事にしているのは1年前に迎えた2頭のチワワと過ごすひととき。

「休日もドッグランへ。もう犬なしの生活は考えられません」

今号の特集テーマは「美脚・美尻」。お尻や脚まわりの、普段のケア方法を尋ねてみると、

「鍛えることももちろん大事だけれど、保湿も同じくらい大切にしていて。乾燥しているとパフォーマンスにも影響が出るので、化粧水と乳液、ボディクリームの3つで潤すようにしています」

私生活もつい自転車のことが中心になりがち、と佐藤選手。

「高校の頃は好きなアイドルがいて『anan』もよく読んでたんですけど、養成所でネットや携帯が禁止されていたので、そこから世俗と縁遠くなりました(笑)。そのうち時間ができたら、本や雑誌をゆっくり読みたいですね」

それは五輪後のこと? と問うと、「その後にも目標があるので、もうちょっと先かな」。

五輪をも通過点に、さらなる高みを目指す佐藤選手。この夏もきっと、観る人を熱くするレースを披露してくれるに違いない。

さとう・みな 1998年12月7日生まれ、神奈川県出身。身長163cm。ガールズケイリン選手。2021年からは自転車競技トラックレースの日本代表チームに参加、チームの中心選手として活躍。’23年ジャカルタ、カイロ、’24年アデレードのネーションズカップで女子ケイリン 金メダル獲得、アデレードではスプリントでも銀メダルを獲得。本業のガールズケイリンでは’23年の賞金女王を獲得、いま一番“稼ぐ脚”を持った女性アスリートでもある。

トップス¥27,280(ステュディオ アール スリーサーティー contact@studor330.co.jp) スカート¥6,600(ザ ショップ ティーケー/ワールド プレスインフォメーション TEL:03・6851・4604) 右耳のイヤカフ¥11,000(エテビジュー/エテ TEL:0120・10・6616) 左手のリング¥16,500(エテ) ネックレス¥16,500 右手のリング¥15,400(共にジュエッテ TEL:0120・10・6616) サンダル¥9,900(カランシエル/シップス インフォメーションセンター TEL:0120・444・099) 左耳のピアスは本人私物

※『anan』2024年5月29日号より。写真・KAZUYUKI EBISAWA(makiura office) スタイリスト・小林実可 ヘア&メイク・浜田あゆみ 取材、文・新田草子

(by anan編集部)

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