芸術レベルのグッズも登場! パリ・東京・大阪の名コレクションが集まる「TRIO展」
ananweb / 2024年6月2日 9時0分
東京・竹橋の東京国立近代美術館で「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」が開催中です。国内外110名の作家によるモダンアート作品と、芸術レベルのユニークなオリジナルグッズをご紹介!
見て、比べて楽しむ展覧会!
展示室出口 ※本記事の写真は、主催者の許可を得て撮影しています。
【女子的アートナビ】vol. 336
本展では、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館3館のコレクションから、絵画や彫刻、写真、デザインなど約150点のモダンアートが紹介されています。
展示方法はとてもユニーク。共通のテーマをもつ作品でトリオを組み、絵画や彫刻などジャンルを越えた3点の作品が並んで展示されています。(複数作品でワンセットになっている場合もあります)。
トリオは全部で34組。各トリオのテーマは、主題やモチーフ、色、形、素材などさまざまです。例えば、「空想の庭」、「モデルたちのパワー」、「まどろむ頭部」などのテーマでトリオが組まれ、20世紀から現代にかけての西洋美術や日本の作品などが並んでいます。
本展のコンセプトは、「見て、比べて、話したくなる。」。同じテーマを別のアーティストたちがどう描くのか、トリオの作品を見比べて考えたり、誰かと感想を語ったりしながら楽しめる展覧会です。
挑発的で美しい…! 女性像のトリオ
トリオ、テーマ〈モデルたちのパワー〉左:アンリ・マティス《椅子にもたれるオダリスク》1928年 パリ市立近代美術館、中央:萬鉄五郎《裸体美人》1912年 重要文化財 東京国立近代美術館 ※展示期間:5月21日(火)~7月22日(月)・8月9日(金)~8月25日(日)、右:アメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年 大阪中之島美術館
では、いくつか気になるトリオをご紹介。
まずは、本展のメインビジュアルにもなっている女性像のトリオです。テーマは「モデルたちのパワー」。
モデルになっている女性たちは、大胆なポーズで横たわっています。視線も挑発的で、特にモディリアーニの裸婦は目が合うとドキドキするような作品です。
伝統的な西洋絵画で題材にされてきた女性像は、美しく官能的に描かれ、男性に見られる対象となっていたのですが、20世紀前半に生み出されたこの3作品は、女性たちの力強さや自由な雰囲気も感じられます。
神秘的な空気が漂う… 頭部のトリオ
トリオ、テーマ〈まどろむ頭部〉左:ジョルジョ・デ・キリコ《慰めのアンティゴネ》1973年 パリ市立近代美術館、中央:コンスタンティン・ブランクーシ《眠れるミューズ》1910-11年頃 大阪中之島美術館、右:イケムラレイコ《樹の愛》2007年 東京国立近代美術館 ※展示期間前期:5月21日(火)~7月7日(日)
続いては、「まどろむ頭部」のトリオ。絵画2点と彫刻1点の組み合わせです。
デ・キリコの作品に描かれている頭部は、顔の表情がないマネキン。異世界のような、夢の中のような、独特の雰囲気が感じられます。
頭部だけのブランクーシ作品もミステリアス。表情からは神々しさも感じられます。
イケムラレイコのパステル画もまた神秘的な雰囲気。《樹の愛》という概念を表現しているそうです。
クールなデフォルメにしびれる! 彫刻トリオ
トリオ、テーマ〈デフォルメされた体〉左:柳原義達《犬の唄》1961年 東京国立近代美術館、中央:ジェルメーヌ・リシエ《ランド地方の羊飼い》1951年 大阪中之島美術館、右:イヴ・クライン《青いヴィーナス》1962年 パリ市立近代美術館
最後は、彫刻のトリオ。すべて人物の彫刻ですが、どれも均整の取れた美しい姿ではありません。テーマは「デフォルメされた体」。
リシエの彫刻は足の部分が異常に細長くなっていますが、これは羊飼いたちが竹馬に乗る姿を表したもの。
このリシエに影響を受けた日本の彫刻家、柳原の裸婦像は肉付きがよいですが、戦争へのレジスタンスがこめられています。
クラインの作品は、女性のトルソ(胴体部分)が青く塗られたブロンズ像。鮮やかでインパクトの強い青色と、ゆがんだフォルムのアンバランスさがクールです。
芸術レベルのグッズも!
「TRIO展」はオリジナルグッズも充実。定番の絵ハガキやクリアファイルのほか、個性的なグッズもいろいろあります。
特に驚いたのは、ブランクーシの《眠れるミューズ》をそのままクッションにしてしまったグッズです。
頭部だけのクッション、どうやって使うのでしょう? 商品説明には「忘れられない強烈な存在感をもつぬいぐるみ。抱いて眠れば、いい夢が見られるかも?」とあります。本当に、一度見たら忘れられない、芸術レベルのインパクトの強さです。
サンプル品に触れてみると、意外に柔らかく、頭をなでると妙に癒されました。見た目の強烈さと手触りの心地よさのギャップにも惹かれるグッズです。( ¥3,850税込)
「TRIO展」は8月25日まで開催。ぜひ、お気に入りのトリオを見つけてみてください。
Information
会場:東京国立近代美術館 ※一部作品は展示替えがあります。
会期:2024年5月21日(火)~8月25日(日)
休館日:月曜日(ただし7月15日、8月12日は開館)、7月16日、8月13日
開館時間:午前10時~午後5時(金曜日と土曜日は午後8時まで、入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般 ¥ 2,200、大学生 ¥ 1,200、高校生 ¥ 700
巡回:大阪中之島美術館 9月14日(土)~12月8日(日)
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