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バレーボール女子日本代表・古賀紗理那×石川真佑「日々の意識が結果につながっていく」

ananweb / 2024年6月1日 20時0分

バレーボール女子日本代表・古賀紗理那×石川真佑「日々の意識が結果につながっていく」

パリ五輪の出場権を獲得するための最後の戦い、ネーションズリーグが開幕。出場の可否は、6月11日からの福岡ラウンドで決まる! 冬場のリーグで自信をつかんだ2人のエース――古賀紗理那さんと石川真佑さんが、日本を五輪へと牽引する。

バレーボール女子日本代表・古賀紗理那×石川真佑

バレーボール女子日本代表にとって勝負の3か月間が始まった。終着点はパリ五輪。そして今まさに、五輪切符を獲得できるラストチャンス、ネーションズリーグの戦いの真っ只中にいる!

5月14日に開幕したネーションズリーグ。6月16日まで行われる予選ラウンド終了時点の世界ランキングによって五輪出場のゆくえが決まるため、一戦たりとも気が抜けない戦いが続く。

5週間をかけて12試合を戦う予選ラウンドは、精神的にも肉体的にもタフな戦い。その過酷な挑戦を前にしても、日本代表の古賀紗理那主将は地に足が着いていた。

「今年は一番結果を残さなきゃいけないシーズンではあるんですけど、結果ばかり考えすぎずに、まずは一日一日しっかり出し切って、積み上げていくことが大切。先のことを考えても、自分たちでコントロールできるわけではないので、自分たちができることに集中して。例えばコンビの精度を上げるとか、サーブで崩せるようにするとか、そういう日々の意識が結果につながっていくと思います」

古賀選手自身は所属するNECレッドロケッツで充実した2023‐’24シーズンを送り、パリ五輪に備えてきた。トレーニングによってジャンプ力が増し、高い打点で打つことができるコンビをセッターと構築。Vリーグ、皇后杯の2冠獲得の原動力となり、自信を持って再び代表に合流した。

古賀選手が日本代表にデビューしたのは高校2年の時。その2年後の’15年ワールドカップで大活躍した。まだあどけなさの残る19歳は、怖いもの知らずで勢いよくスパイクを打ち込んだ。

その後’16年リオデジャネイロ五輪でのメンバー落選や、エースとして臨んだ’21年東京五輪での怪我、予選ラウンド敗退という経験を経て、’22年に代表の主将に。試合中はプレーで引っ張るだけでなく、チームメイトの目を見て鼓舞したり、寄り添う言葉で支える。

「『キャプテンだから』というのは全然考えていなくて。『勝ちたいから』が一番にあります。勝つために、これをやったほうがいいと思ったことをやる。キャプテンの前に一人の選手なので」

ただ、キャプテンとして無意識のうちに背負いすぎていたものもあった。今年、日本代表の眞鍋政義監督に「キャプテンだけど、それはもう気にせずに、いち選手として、オフェンスの軸として、コートに入ってほしい。キツかったら俺たちに言っていいから」と言葉をかけられ、胸が熱くなった。

「本当にその言葉に救われました。今年は自分のプレーにフォーカスしたいなと思っています。昨年は年上の選手もほとんどいなかったし、精神的な軸もあまりいなかったので……。助けてくれる人がいなかったわけじゃないんですけど、『自分が頑張らないと』みたいな気持ちはあったのかなと。チームって一人で成り立つものじゃなく、みんなで作っていくものなので、あまり気負いすぎずにやりたいなと思いますね」

そんな古賀選手と共に、代表チームで軸になる存在として今年期待がかかるのが、24歳の石川真佑選手。昨年、海外移籍を決意し、Vリーグの東レアローズを退団。’23‐’24シーズンは、男子日本代表の主将を務める兄の石川祐希選手もプレーするイタリア・セリエAに参戦して結果を残し、たくましさを増して帰ってきた。

174cmの身長は、海外のスパイカーの中に入ると小柄。それでもフィレンツェで開幕からレギュラーを勝ち取り、シーズンを通して攻守の中心となって活躍した。「高いブロックに対しての点数の取り方は、変わった部分だと思います」と自己分析するように、高さのある相手ブロックの指先を狙ってはじき飛ばしたり、軟打を巧みに織り交ぜるなど、スパイクの引き出しが増えた。

「あとはメンタルの部分でも、しっかり心に余裕を持ってプレーすることができているので、そこは成長したところかなと思います。心に余裕があることで、選択肢も増えますし、気持ちの面でも変わってくる。ミスした時の切り替えだったり、次の1点に意識を向けることは、うまくできる場面が増えたかなと。そこはチームメイトの影響もあって、自分にプラスになっていると思います」

言葉の壁を少しずつ乗り越えたり、初めての一人暮らしや自炊など、バレー以外の面でも新たな挑戦が盛りだくさんだった。そんな半年間を経て帰国した石川選手は、バレー一筋には変わりはないけれど、どことなく柔らかさが加わったような印象が。

オリンピックイヤーの代表活動は、楽しみか不安か、どちらが大きいかと尋ねると「楽しみなほうが大きいです」とキッパリ。その答えには、新しい自分への期待感が詰まっていた。

こが・さりな(写真左) 1996年5月21日生まれ、熊本県出身。身長180cm。アウトサイドヒッター。熊本信愛女学院高校を卒業後、NECレッドロケッツに入団。2013年に17歳で日本代表デビューし、’22年から主将。攻撃、守備、サーブ、ブロックすべてがハイレベルなオールラウンダー。

いしかわ・まゆ(写真右) 2000年5月14日生まれ、愛知県出身。身長174cm。アウトサイドヒッター。下北沢成徳高校を卒業後、東レアローズに入団。’23年からセリエAに挑戦。’24‐’25シーズンはイゴール・ゴルゴンゾーラ・ノヴァーラでプレーする。パワーあふれるスパイクを多彩なコースに打ち分ける。サーブ力も日本屈指。

※『anan』2024年6月5日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・小林実可 ヘア&メイク・yumi 美樹(共にThreePEACE) 取材、文・米虫紀子

(by anan編集部)

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