洗濯機のフタ閉めっぱなし、冷蔵庫に野菜クズ…すべてNG! “白物家電お手入れのキホン”を専門家が解説
ananweb / 2024年6月8日 19時30分
日々使うことが多い白物家電。見た目にはそこまで汚れていなくても、定期的に掃除したほうがいい? などキホンのスタンスを紹介します。
Q1、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、エアコンを掃除するタイミングは?
A、ヨゴレを放置しないことが、衛生状態を保つうえで大切です。
便利で快適な毎日に欠かせない、これらの白物家電。「お手入れをするのは季節の変わり目や大掃除の時のみ」という人も少なくないと思うけど、もう少しこまめにキレイにしたほうがいいのだろうか。
「この5点に共通して言えるのは、使うほどに汚れる家電だということ。これらを汚れたまま使い続けると衛生状態が悪くなり、人の健康に害を及ぼすリスクが高まってしまう。例えば冷蔵庫でいうと、とくに注意したいのが野菜室。設定温度がほかのエリアと比べて高いうえ、野菜についている土は細菌の塊のようなもの。また、野菜クズや水分が庫内に残っていると、そこから菌が繁殖。冷気が循環するシステムにより、全体に菌が行き渡り、食材が傷みやすくなったり、食材についた菌でお腹を壊してしまったりするリスクもあります。ほかの家電も同じ。電子レンジの汚れた空間で食べ物を温めるとか、エアコンのカビ臭を吸い込むとか、体にいいわけがありませんよね。とはいえ『週に1度掃除をしましょう』と言っても億劫で、現実的には続かないのでは。そこで押さえておきたいのは“ヨゴレを放置しない”こと。人体への悪影響の元となるヨゴレを見つけたら、すぐに掃除。その習慣をつけることが大切です」(住生活ジャーナリスト・藤原千秋さん)
これは放置NG!
Q2、それぞれどんなお手入れが必要?
A、機種によりさまざま。詳しいお手入れ法は取扱説明書をチェック。
お手入れ法については、一概に言えないというのがその答え。
「例えば、『電子レンジ』といっても、回転皿がついているターンテーブル式のものと、それがないフラット式のものがあり、それぞれお手入れの仕方が違いますし、同じタイプでも機種によって違う場合もあります。また、『掃除機』もダストボックスがカップ式のものと、紙パック式のものではお手入れ法がそれぞれ異なり、カップ式でも水洗いできるものとできないものなど多種多様。正しいお手入れの仕方は、取扱説明書を確認したほうがいいでしょう」
ただ、「冷蔵庫の中は水拭きではなく、乾拭きをする」など、家電の種類ごとに共通する、キホンのお手入れ法もあるという。そこでここでは、最低限知っておきたいケアのポイントを、藤原さんがレクチャー。億劫にならずに済むくらいの手軽さなので、すぐにでも取り入れられるはず!
【手元になくても型番から入手できる!】
「お手入れ法はトリセツをチェック!」といっても、トリセツをなくしたり、捨ててしまったりした人はどうすれば!?
「メーカー名と家電に書いてある型番をネットで検索すれば、ウェブ上で取扱説明書を確認することができますよ。PDF化されていることも多いので、ダウンロードしておけば、紙版と違ってかさばらずに済み、むしろスッキリ」
最低限知っておきたい! キホンのお手入れ。
ヨゴレを見逃さず、すぐにキレイにするためのキホンのケア法がこちら。衛生面はもちろん、家電を長持ちさせることにも繋がるというメリットも。ぜひ実践を。
【洗濯機】洗濯槽に湿気を溜め込まないこと。あとは定期的に槽洗浄をプラス。
日頃やっておきたいお手入れは超簡単!
「洗濯機のフタを開けておくことと、洗濯槽を洗濯カゴ代わりにしないこと。お手入れというほどではありませんが、この2つは最低限やっておいたほうがいいでしょう。洗濯槽に水分や湿気がこもっていると、そこからあらゆる菌が発生するので、しっかり乾燥させておくことが大切です。また、ゴミ取りネットやフィルターに溜まったホコリや糸くずは、洗濯後に毎回捨てましょう」
そのほかに、定期的に「槽洗浄」をプラス。
「洗濯槽の表面はもちろん、とくに裏側は、カビや菌が発生しやすい状況です。夏場なら月に1回、冬場なら3か月に1回くらいのサイクルで、洗濯槽クリーナー(槽洗浄専用の洗剤)を使って、洗濯槽の裏側までキレイにしましょう」
洗濯槽のカビや菌の予防には、「槽乾燥」というコースがあれば、それを使う手もある。
「これは洗濯槽の穴に風を通して、洗濯槽を乾燥させる機能です。毎回使いたいところですが、そのぶん電気代がかさむという痛手も。カビや菌を抑えたい、でもあまり電気代はかけたくない…など取り入れるか否かは自身の裁量で決めてみて」
【洗濯槽ヨゴレのサイン】
洗濯物に黒い点々がつく…その正体は? 「カビです。洗濯槽の表面はキレイに見えたとしても、裏側にはカビが発生していると考えられます。洗濯槽クリーナーが必須です」。また、部屋干し後の衣類がニオうのも、洗濯槽ヨゴレのサイン。
「ただ、この場合は洗濯の仕方が間違っている可能性も。洗剤量や洗濯物量の多すぎなども菌発生の原因になるので、洗濯の仕方を見直す必要があるかもしれませんね」
洗濯槽クリーナーは、つけ置きタイプなどがあり、洗濯槽裏のカビや菌までアプローチ。
【電子レンジ】食べ物のガンコな噴きこぼれは“レンチン布巾”で拭き取ろう。
気をつけたいのは、食べ物の噴きこぼれ。
「電子レンジで食べ物を温める時に出るのは水蒸気くらいなので、普通に使っているぶんには、そこまでヨゴレに敏感にならなくても大丈夫。ただ、汁物を温めすぎるなどして中身が噴きこぼれた時は、すぐに拭き取ってください。ヨゴレが残っていると、菌が発生したり、臭くなったり…。その中で食べ物を温めることになってしまいます」
それは危険! 拭く時には、クリーナーなど何か使ったほうがいいのだろうか。
「キホンは水拭きでいいと思います。でも、ヨゴレが取れない場合は、“レンチン布巾”がおすすめ。薄手のタオルを水で濡らして、600Wくらいで1~2分温めればOK。庫内に蒸気を発生させて温かいタオルで拭くと、ゴシゴシこすらなくてもヨゴレがラクに取れるんです。噴きこぼれはターンテーブルやフラットテーブルだけでなく、上部や側面にもつくことがあるので、見逃さないで」
水で濡らして軽く絞ったタオルをレンジでチン。蒸気の力で、ガンコなヨゴレを一掃。
【冷蔵庫】消毒用エタノールで菌を殺しながら拭く!
野菜クズや、調味料などのこぼれた液体を見かけたら、すぐ掃除を。
「庫内のヨゴレを、見て見ぬふりをしないということが大切です。ただそれを“拭く”といっても水拭きをすると、その水分でさらに何百倍と菌が増えてしまうので、“菌を殺しながら拭く”のが鉄則。それには消毒用エタノールを使うといいでしょう」
一方、冷凍庫には、また別のお手入れの仕方があるという。
「最近よくある引き出し式の冷凍室には、髪の毛などのゴミが入りやすい。その引き出しの掃除は年に1回。冬の寒い時期に、冷凍品を保冷バッグなどに移したら、お風呂のシャワーのお湯で洗いましょう」
【掃除機】回転ブラシの場合は、掃除のたびにケアを。
本体のダストボックス部分のお手入れが機種によりけりというのは前述のとおり。
「ゴミ捨てのタイミングも、その都度捨てるタイプと、ある程度ゴミが溜まったら捨てるタイプなど、さまざまです」
ヘッドの部分は、回転ブラシがついているものと、そうでないものがあるが…。
「回転ブラシに関しては、そこに髪の毛などが絡まると、ブラシが動かなくなってしまうので、使用したらその都度キレイにしたほうがいいと思います。簡単に取れるゴミなら指で取る、ブラシにガッチリと絡まっている場合はハサミで切るなど、それも機種によりいろいろ方法があるので、取扱説明書を確認してみましょう」
ゴミを掻き出すという回転ブラシの長所を最大限生かすべく、ヘッドの掃除はこまめに。
【エアコン】2週間に1回のフィルター掃除がキホン。
夏も近づき、エアコンが大活躍の時期。オンシーズンのケア法は?
「毎日使う場合は、2週間に1度くらいのサイクルで、フィルターのヨゴレやホコリを掃除機で吸い取りましょう。ただこれも、家族の人数や一日の使用時間の長さによって、もっと頻繁に掃除したほうがいいケースも。こうしてコンスタントにケアしているなら、掃除機でフィルターを吸うくらいで十分ですが、長期間放置してヨゴレがこびりついている場合は、中性洗剤などを使って水洗いしてください」
シーズン後のお手入れは、どんなことをしたらいいのだろう。
「冷房の季節のあとは、暖房の最高設定温度で1時間ほど運転を。カビ予防のため、エアコンの中を乾燥させるのが目的です。その間は暑いと思うので、窓を開けて別の部屋にいるなどして過ごしましょう」
掃除機のノズルは先が細いタイプのものを使うと。吹き出し口は、軽くティッシュで拭けばOK 。
藤原千秋さん All About「家事」「掃除」「子育て」ガイド。家のこと、子どものこと、仕事をともに楽しむずほら家事を提唱。著・監修書に『きほんから新発想まで 家事ずかん750』(朝日新聞出版)など。
※『anan』2024年6月12日号より。イラスト・室木おすし 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)
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