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未知なる食の新体験を! 洗練された台湾のモダンダイニング“ネオタイワニーズ”4軒

ananweb / 2024年6月16日 22時0分

未知なる食の新体験を! 洗練された台湾のモダンダイニング“ネオタイワニーズ”4軒

「RAW」をはじめ綺羅星のような店が登場した2010年代の萌芽期を経て、台湾のモダンダイニングは新章に突入した感がある。ここ数年は、洗練された手法で台湾の食文化を掘り下げる店が台頭。屋台料理もいいけれど、旬を味わうならレストランが今、面白い!

ネオタイワニーズ

コロナ禍を経て日常を取り戻して以来、ますます台湾のレストランカルチャーが元気だ。

とくに顕著なのが“創作”というジャンル。作り手のセンスと技量が問われるため、実はハードルが高い領域だが、スターシェフがフレンチの確かな技法を基盤に台湾料理を再解釈した『gubami Social』が連日盛況を博し、台湾人が大好きな炒飯を、ウィットに富んだ手法で表現する『心潮飯店』も人気店に。仏教の精進料理をルーツにした「台湾素食」を、ヴィーガンやウェルネスへの関心の高まりとともに進化させる『Curious Table』や、台湾原住民族の伝統食材を美しい一皿に昇華する『EMBERS』のように、オリジンを追求する動きも勢いを増している。いずれも旬を重んじ地元食材を積極的に使うのは、サステナビリティの意識の浸透とも重なる。より磨かれた手法で台湾らしさを競い合うモダンダイニングは、まさに台湾の“今”を体感できる場所だ。

gubami Social(グバミ ソーシャル)

台中のフレンチレストラン『Le Mout』で成功を収めた女性シェフ、陳嵐舒さんが手がける創作タイワニーズ。台湾のローカルフードをフレンチをベースとした各国の食文化をミックスして再構築する。トウモロコシソースを付けるとトルティーヤのような味わいに進化する揚げ春巻きなど、一見奇想天外に思えても確かな技法と緻密に練り上げたレシピで、みごとに“好吃”へと着地する。看板の牛肉麺は、フレンチの“フォン”の技法を用い牛骨を8時間煮込んだスープの旨味に唸る。店内には台湾名産の大理石や伝統の生地「花布」のモチーフがあちこちに。台湾人リピーターで賑わうのも納得!

奥・法式鶏脚凍220元、手前・墨川炸春捲380元。グラスワイン350元。

看板の法式砂鍋牛肉麺1180元。

TEL:02・2758・8501 12:00~15:00、18:00~22:00(土・日曜11:30~、17:30~) 無休 要予約。カード可、日本語不可。サービス料10%。

台北市信義區松壽路9號 新光三越 A9 6樓

Curious Table(キュリアス テーブル)

台湾素食の新潮流を牽引する『小小樹食』が2022年に開いた新店舗。この両店舗のエグゼクティブシェフを務めるのが徐兆麟さん。『小小樹食』で育んだ小規模農家との繋がりは約50軒にもなり、屏東や雲林など各地から直送される旬素材が料理の要だ。メニューはコースのみ、1年ごとにテーマを設け、今年のテーマは“映画”。徐シェフ曰く「一皿ごとに込めたストーリーを五感で楽しんでもらえたら」。野菜の可能性と風味の表現力に驚くはず。

「AN EDIBLE FILM」コース約10品2980元より、「アラビアのロレンス」。様々な文化の調理法を融合させ、濃厚な発酵野菜のソースがまとめ役に。

スターターの一皿。小さなポップコーンとタコス、チュロスで映画鑑賞の準備は万全! 

TEL:02・2522・1920 17:30~22:30 火曜休 要予約。カード可、日本語不可。サービス料10%。

台北市中山區中山北路二段39巷3號 Regent Galleria B2

EMBERS(アンバース)

夜市で串揚げ店を営むうちに台湾の食材に興味を持ち、約5年をかけて各地の農家や台湾原住民族を訪ねて研究を重ねたという異色の経歴をもつ郭庭※(王へん+韋)シェフ。2019年に開いたこの店は、注目のローカルガストロノミーとして人気を集める一軒だ。食材は希少な樹葡萄など台東や花蓮の原住民族など台湾各地から届くものが9割。旬素材に原住民族の食文化を盛り込んだ美しい皿から、シェフのパッションと新しい台湾を体感できる。

「植物ベース」コースは11皿、ノンアルコールペアリング3杯付き4500元。写真はグリルした瓢箪にヘチマとバジルのソースを添えて。甘い余韻の鹿野紅烏龍茶と。

4種のニンジンのムースを使い、ウニに見立てた一品。

TEL:02・7751・5598 18:00~23:00 月・火曜休 要予約。カード可、日本語不可。サービス料10%。

台北市大安區仁愛路四段122巷24號

心潮飯店(シンチャオファンディェン)

高雄の歴史ある台湾宴会料理の店『老新台菜』の2代目が開いたモダン台湾料理店。メニューの主役は台湾人が愛する炒飯。発想力豊かな“心炒飯”シリーズは9種を揃え、看板の鮮やかな深紅の一皿はドラゴンフルーツのピュレを使用。瑞々しい酸味が広がり、屏東産カラスミや炙ったホタテとの相性も抜群。また人気台湾茶カフェ『永心鳳茶』も展開していることから、茶葉を使ったカクテルが豊富なのでぜひトライを。通し営業なのでカフェ的に使えるのも心強い!

手前から、シグネチャーの「炙※(火へん+考)干貝烏魚子炒飯」560元、伝統的なトマトの漬物を涼やかなゼリー寄せに。「番茄水晶甜蝦」320元。

赤ワインやジン、アールグレイ、鉄観音、イチゴなどを合わせた「鳳蝶」320元。2019年オープン。

TEL:02・2723・9976 11:00~21:30(金~日曜22:00) 無休 予約可。カード可、日本語不可。サービス料10%。

台北市信義區忠孝東路五段68號 微風信義2樓

※『anan』2024年6月19日号より。写真・田尻陽子 取材、文・藤森陽子 コーディネーター・片倉真理

(by anan編集部)

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