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昨年のSNS型投資詐欺の被害額は約278億円! 巧妙化する「広告詐欺」に騙されないためには?

ananweb / 2024年6月13日 22時0分

昨年のSNS型投資詐欺の被害額は約278億円! 巧妙化する「広告詐欺」に騙されないためには?

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「広告詐欺」です。

メタ社に大きな責任があるが、対処の方法はなし。

SNS上で、著名人になりすました「広告詐欺」が急増し、多くの被害が出ています。最も増えているのは、実業家の前澤友作さんや堀江貴文さん、森永卓郎さん、池上彰さんなどの画像を無断で使い、ご本人が語っているような文面で、投資講座に誘う広告です。その広告にアクセスすると、LINEグループに招待され、グループチャットを通して投資をさせられ、利益を得たように見せかけ、投資額を増やしていくうちに突然連絡が取れなくなり、全額騙し取られてしまいます。

これは組織的に行われている犯罪で、海外から狙われているケースがほとんどです。AI技術、翻訳機能の向上により、自然な日本語を使っていたり、生成AIで作成した本人そっくりの音声を聞かせて信用させるなど、手口は巧妙。昨年のSNS型投資詐欺の被害額は約278億円に上りました。

なりすまし広告は主にメタ社のFacebookやインスタグラムで頻出しており、プラットフォーム側に責任があると、名前を悪用された前澤友作さんと堀江貴文さんは、自民党の勉強会で対策を求めました。

ジャネット・ジャクソンさんの元夫で実業家のウィサム・アル・マナさんも、なりすましによる仮想通貨詐欺広告がFacebook上に出回り、名誉を傷つけられたと、2020年にメタ社を提訴しました。昨年、メタ社はアル・マナさんに謝罪。詐欺防止の技術開発のために多額の資金を提供することなどで和解しましたが、今なお具体的な対策は取られていません。

この他にも、SNSを使ったロマンス詐欺や、ショッピングサイトや金融機関を騙った詐欺が横行しています。テクノロジーで対処するには限界があるというのが現状です。これはもう、詐欺に引っかからないように、プラットフォームを利用する側のリテラシーを草の根的に上げていくしか被害を防ぐ方法はありません。日々アップデートする詐欺の手法。被害に遭わないためにもぜひ、警視庁サイバーセキュリティ対策本部のX公式アカウントをフォローしてください。日本の資産が海外に不当に流出しないためにも、個々に注意することが大切です。

ほり・じゅん ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。

※『anan』2024年6月19号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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