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「愛読書」を聞くのは不適切?【面接官のマナー】面接時の注意事項とNG質問例

ananweb / 2024年6月22日 20時40分

「愛読書」を聞くのは不適切?【面接官のマナー】面接時の注意事項とNG質問例

面接のマナーというと、面接される側に注意が行きがちですが、面接をする側にもマナーがあるそうです。面接官として「聞いてはいけない質問」があるということをご存知でしょうか? ついうっかり聞いてしまい、面接者を不快にさせて企業イメージを悪くしてしまった…ということは避けたいですよね。そこで、今回は、今さら周りに聞けない「面接官のマナー」について、秘書歴約15年でマナーに詳しい、能美黎子さんが説明します。

面接官のマナー

【元社長秘書のマナー講座】vol. 42

面接では、面接を受ける側と面接をする側があります。つい、面接を受ける側に目を向けてしまうものですが、実は面接官としてのマナーが存在します。面接では、面接官が面接者に対して「聞いてはいけない質問」があることをご存じでしょうか。面接を担当しているかたの中には、自分の質問がNG質問なのかを気にせず、何気なく質問している場合も少なくないかと思います。面接者に不快な思いをさせたり会社の印象を悪くしてしまった…ということは絶対に避けたいですよね。法律違反に該当したり、企業イメージの低下につながったりする可能性があるためしっかりと認識をしておくことが大切です。

そこで、今回は、面接官が面接で「聞いてはいけない質問」についてご紹介します。「何を聞いてはならないのか」をしっかり認識した上で、面接官として公平に選考するための参考にしてくださいね。

面接官のマナー

厚生労働省では、採用選考時に配慮すべき事項として「応募者本人に責任のない事項」「本来自由であるべき事項」この2つを挙げています。
「就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例」をもとにNG質問をご紹介します。

本人に責任のない事項

家族や出生地に関わることなど、本人の意思で変えることができず、かつ本人の能力や適性とは関係のないことを把握しようとするのは不適切な行為であるため注意しましょう。



1. 本籍や出生地に関する質問
「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることも基本的にタブーです。出身や出生をもとに採用選考を行うことは、基本的人権の侵害をする行為です。

「あなたの出生地はどこですか」
「あなたの本籍はどこですか」
「〇〇さんの本籍(国籍)を教えてください」



2. 家族に関する質問
「家族構成」や「親の職業」を聞くことによって、偏見が入り込み就職差別につながる可能性があるため注意しましょう。

「あなたのご両親の健康状態について教えてください」
「ご家族はどんなお仕事をされていますか」
「ご両親が離婚しているようですが」



3. 住宅状況に関する質問
家庭の経済状況を判断する材料の質問となるため、就職差別に当たってしまう可能性があります。

「自分の部屋を持っていますか」
「あなたの家は賃貸ですか、持ち家ですか」
「あなたが住んでいる地域の魅力は何ですか」



4. 生活環境や家庭環境に関する質問
通勤経路を把握する場合は入社後に把握すれば問題なく、採用選考時に尋ねることは控えましょう。

「ご自宅は、最寄り駅のどちら側ですか」
「長男として家業を継ぐ可能性はありますか」
「家庭はどんな雰囲気ですか」

本来自由であるべきこと

宗教や人生観などの思想・信条は、憲法で保障されている個人の自由権に属する事柄です。そのため、これらを採用選考の基準に用いることは基本的人権の侵害となり、就職差別につながります。



1. 宗教に関する質問
信仰の有無や宗派は、候補者が自由に選ぶことができる権利であるため、それらを基準に採用選考することは不適切です。

「ご家族は、何を信仰していますか」
「あなたは、神や仏を信じる方ですか」



2. 支持政党に関する質問
政治に関する考え方や思想も、個人の自由権に属します。

「先日行われた選挙には行きましたか」
「あなたが支持している政党はどこですか」
「投票をした政党を教えてください」



3. 人生観や生活信条に関する質問
人生観や信条も憲法で保障されている個人の自由権となるため、聞いてはいけない質問と覚えておきましょう。

「あなたの人生観について教えてください」
「自分の生き方についてどう考えていますか」
「将来、どんな人になりたいと思いますか」



4. 尊敬する人物に関する質問
尊敬する人物や目標とする人物は、面接者の思想や信条を反映してしまうため避けましょう。

「尊敬する人物はいますか。どんなところを尊敬していますか」
「あなたには目標とする人がいますか」



5. 思想に関する質問
特に注意したいのが「思想」です。思想の違いなどは基本的人権の侵害にあたるため注意しましょう。

「あなたの信条としている言葉は何ですか」
「あなたは自分の生き方についてどう考えていますか」



6. 労働組合や社会運動に関する質問
憲法で保障されている個人の自由権にあたり、プライバシーの侵害になる可能性が高いためNGです。

「労働組合についてどう思いますか」
「これまで社会運動に参加したことがありますか」
「あなたはデモに対してどんな考えを持っていますか」



7. 購買新聞や雑誌、愛読書に関する質問
人生観や信条、思想などにつながる可能性があるためNG質問です。

「新聞を読んでいますか。どの新聞を購読していますか」
「愛読書はありますか」
「よく読む本はどのような内容のものですか」

業務上許される可能性がある質問

業務遂行上必要だと判断されるときには尋ねることが可能な質問が2つあります。しかし注意が必要な質問となるため、しっかり覚えておきましょう。



1. テレワークに関する質問
インターネットなどの在宅勤務に必要な環境を確認するために、「在宅勤務になった場合に、業務ができる環境かどうか」を確認することは可能です。ただし、あくまでもテレワークに関する内容の質問のみと覚えておきましょう。例えば、「テレワーク用の部屋は用意できますか」「家庭環境は静かですか」「どのような住宅にお住まいですか」などの質問は、個人のプライバシーを侵害する可能性となってしまうため避けましょう。



2. 犯罪歴に関する質問
犯罪歴については、応募者本人の能力やスキルと関係がないため、本来であれば質問することはできません。しかし、業務の関係上どうしても犯罪歴を確認することが必要な場合にのみ、面接で質問することが可能です。例えば、運転手を募集する場合は、交通違反の履歴について質問することができます。もし応募者が、免許停止などの処罰を受けている場合であれば業務遂行が難しくなるため事前確認が可能です。あくまでも業務に関わる経歴や犯罪歴のみ、適切な範囲で尋ねるようにしましょう。

おわりに

本人の意思では変えることができない「家族」や「出生地」などに関する情報や、本来個人の自由であるべき「思想」や「人生観」などの情報は、偏見につながってしまう可能性があることから面接で質問することは禁止されていると覚えておいてください。基本的人権の侵害と考えられることや、面接者本人に理由があることなどは尋ねないように留意して面接を実行していきましょう。面接における質問には十分に配慮し、面接者から好感を持たれるような態度でぜひ面接に臨んでください。



<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。

©SENRYU/Adobe Stock

文・能美黎子

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