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折坂悠太「これまでで一番自分自身が出たアルバムになった」 約3年ぶりの4thアルバム

ananweb / 2024年7月2日 21時0分

折坂悠太「これまでで一番自分自身が出たアルバムになった」 約3年ぶりの4thアルバム

折坂悠太さんの約3年ぶりのアルバム『呪文』はしとやかで哀愁漂うフォーキーな「スペル」から始まる。

自分の中にある鬱屈とした感情を開かれた音楽にしたい。

「『スペル』は生活を送る中で到底受け入れ難いことや自分の中にある認めたくない感情を整理する際に、『自分はこっちなんだ』って頑張って舵を切るよりも、今の自分の状態をまず認めるところから始める気持ちが描かれています。コロナ禍は目に見えないものに対する感性を鋭くしなければいけない時期で、頭で考える部分が増えたことによって、前作の『心理』は言葉を中心に考えて作ったアルバムになりました。『呪文』は身体的に反射神経を大事にしようと思って作った曲が多いアルバムです。『スペル』の歌詞には“ディダバディ”という、よくわからないけれど自分としては『それ以外の言葉が見つからない』と感じた言葉が使われています。制作の終盤にこの曲ができたことで、理論よりも直感的な感覚を大事にしたいと思ったところがあります」

また、シティポップ調のサウンドの中、語りのパートが入る「ハチス」で全ての子供を守ることが願われていたり、音数の少ないアンサンブルの中で歌が際立つ「正気」では最後に「戦争しないです」という一節が歌われたりと、ささやかな生活が脅かされる今の社会情勢を想起する切実さが感じられる。決して明るいアルバムではないが、サウンドはとても風通しが良く開けている。

「今作を作っている時期、自宅で料理をしながらマーヴィン・ゲイやアレサ・フランクリンといった往年のソウルミュージックを流すことが多く、そうすると気分が落ち込んでいても音楽と乖離しないんです。ああいう音楽は苦しみが前提にあるけれど、最終的には風通し良くアウトプットされています。歌詞が暗くなればなるほど明るくなる音楽があるように、私には自分の中にある鬱屈とした感情を開かれた音楽にしたいという気持ちがあるんだと思います」

「これまでで一番自分自身が出たアルバムになったので、セルフタイトルにしようかと思ったくらい」と話す折坂さんの表情はとても晴れ晴れしく、解放感に溢れる。

「子供の頃からあった自分の中の満たされない感覚の正体がだんだんわかってきて、歌の中で結論付けられた感覚があります。これまでのアルバムは、できた後『すぐに次の作品を作らなきゃ』と思っていたんですが、今回は『この曲たちを深めてゆっくりじっくり伝えていきたい』と思っています。以前はマスであることとコアであること、どちらもちゃんと押さえることを頑張らなければいけないっていう気持ちがありましたが、私は基本的にはポップな音楽が好きですし、それをドロドロした部分や一筋縄ではいかない部分を経由してアウトプットして、その上でできるだけ風通しのいいものにしたいという気持ちも根底にあります。そうやって生きてきて、既に自分の中にはマスもコアもどっちもあるものだと思うので、健やかに自然にアウトプットすれば自ずと両立するんじゃないかっていう考えになりました」

4thアルバム『呪文』。BS‐TBSドラマ23『天狗の台所』主題歌「人人」やリード曲「ハチス」を含む全9曲収録。【初回限定盤(アルバムCD+インストCD)】¥4,400 【通常盤(CD)】¥3,300(ORISAKAYUTA)

おりさか・ゆうた 鳥取県生まれ、千葉県出身のシンガーソングライター。2018年にリリースした2ndアルバム『平成』がCDショップ大賞を受賞。9月18日~10月18日には全国計9公演のツアーを予定している。

※『anan』2024年7月3日号より。写真・玉村敬太 取材、文・小松香里

(by anan編集部)

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