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実は略語でした! 「おでん」、もともとの名は何でしょう?

ananweb / 2024年7月7日 20時40分

実は略語でした! 「おでん」、もともとの名は何でしょう?

ふだん何気なく使っている言葉のなかに、実は略語がけっこうあります。これって略語だったの!? と驚く略語をご紹介。今回は、「おでん」です!   

「おでん」って、なんの略?

みんな大好きな「おでん」。寒い時期に食べる温かいものだけでなく、夏にさっぱりといただく冷やしおでんも人気です。

コンビニや居酒屋でも定番メニューのひとつですが、家庭料理でも人気。好きな具材を入れて自分流のだし汁で煮込んで楽しんでいる人も多いと思います。

そんなおなじみの「おでん」も、実は略語。さて、いったい何の略でしょう?

おでん、もともとは…?

おでんは、「お田楽(でんがく)」の略でした!

もともとは、「田楽豆腐」のことを略して「田楽」というようになり、それに接頭語の「お」をつけて「お田楽」となりました。

ちなみに、田楽豆腐とは、長方形に切った豆腐に味噌をつけて焼いたもの。その料理が次第に豆腐だけでなく、コンニャクやサトイモなど種類が増え、さらに味噌焼きから煮込み田楽に変わり、やがて今のような「おでん」の形になっていきました。

おでんの由来は踊り…!?

おでんの由来である「田楽」のもとの意味は、舞楽芸能のこと。古くから田植えのとき神をまつるために舞っていた踊りが、平安時代になると貴族などが楽しむ芸能としての田楽に発展。田楽舞を専門の仕事にする芸人もいました。

田楽を舞うとき、芸人は足先に棒をつけて踊っていたのですが、その姿が豆腐の串焼きに似ていたことから、その豆腐料理が「田楽豆腐(または豆腐田楽)」と呼ばれるようになったそうです。

関東煮とは…

ところで、おでんを指す別の言葉として、「関東煮」もあります。読み方は、「かんとうに」または、「かんとうだき」。こちらは、関西の人が関東風の煮込みおでんをいうときに使うものです。

江戸時代後期、おでんは味噌を使って煮込んでいたようで、今のようにしょうゆ味のだし汁で煮込んだおでんが登場したのは明治時代になってから。

東京の店で出されていた煮込みおでんが関西に伝わり、味噌を使った田楽と区別するために「関東煮」と呼ばれるようになったそうです。

おでんは略語でした!

おでんは「お田楽」の略でした。言葉のルーツは、舞楽芸能の田楽舞からきていたこともわかりました。平安貴族も楽しんでいた芸能が、料理の名前になって今でも使われているのはおもしろいですね。

意外な略語はほかにもあります。次回もお楽しみに!

参考資料
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
・『世界大百科事典』(平凡社)
・『日本国語大辞典』(小学館)

文・田代わこ

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