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『化け猫あんずちゃん』山下敦弘監督、森山未來は「“任せられる俳優”なんです」

ananweb / 2024年7月18日 20時20分

『化け猫あんずちゃん』山下敦弘監督、森山未來は「“任せられる俳優”なんです」

今回、ご紹介するのは、映画『化け猫あんずちゃん』。いましろたかし氏原作の『化け猫あんずちゃん』をアニメーション映画化した作品です。化け猫あんずちゃん役を演じた森山未來さんと、山下敦弘監督にお話をうかがいました。

「これまで観たことのないアニメーションです」

左から、森山未來さん、山下敦弘監督

【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 195

映画『化け猫あんずちゃん』の原作は、いましろたかし氏による同名タイトルの人気コミック。このたび、日本の芸術分野をけん引する才能が集結し、本作をアニメーション映画化しました。

本作をアニメーション映画化したのは、ふたりの監督。短編アニメーション『Airy Me』で鮮烈なデビューを飾り、国内外にて受賞。アニメーション・イラストレーター・漫画家と各方面から熱い支持をうける気鋭のクリエイター、久野遥子監督。そして、『カラオケ行こ!』(2024年)の大ヒットも記憶に新しい、長年映画ファンから絶大な支持を集める日本映画名手・山下敦弘監督。

主演は、俳優だけでなく多岐に渡るジャンルで国内外で唯一無二の活躍を続ける森山未來さん。本作では実写で撮影した映像からお芝居を抽出し、アニメーションにする、ロトスコープという手法を採用。可愛くもどこか現実味のある、いまだかつて観たことがないシーンの数々を生み出しています。

森山さんのほか、キャスト(声・動き)に名を連ねているのは、五藤希愛さん、青木崇高さん、市川実和子さん。鈴木慶一さんは出演に加え、本作の音楽も担当。

美術監督をアカデミー賞ノミネート作品『レッドタートル ある島の物語』(2016年)で背景を担当したジュリアン・ドゥ・マンさんが務め、アニメーション制作は、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』で知られるシンエイ動画と、フランスのスタジオMiyu Productionsが日仏共同にて行っています。ジャンルや国を超えた才能がタッグを組んだ、前代未聞のアニメーション映画です。

ーー出演の経緯を教えてください。



森山さん 2020年に撮られたパイロット版に出演していたんです。そのときから面白そうな企画だと思っていました。そのパイロット版の監督は山下(敦弘)さん、脚本がいまおかしんじさんで、映画『苦役列車』(2012年に公開された、森山未來さんの主演映画)と同じ座組でした。

ーー山下監督が、森山さんを主演に起用した理由は?



山下監督 シンプルに、森山くんがあんずのキャラクターに合っていると思いました。そして、森山くんはダンスができ、身体能力が高いので、猫の動きに関してもいろいろと相談ができるなと。映画『苦役列車』以来でしたので、久しぶりに一緒にお仕事をしたいという気持ちもありました。

森山未來さん

ーーまた仕事をしたいと思わせる、森山さんの役者としての魅力は?



山下監督 共同監督の久野さんが「山下さん、森山さんにあまり演技指導しないですよね」とおっしゃっていたんですが、森山くんは“任せられる俳優”なんです。

彼は、僕がかりん役の五藤さんに演出している様子を見て、自分はどのように演じたら良いのかわかってくれるような人なんです。たまに、森山くんから猫の動きなどに関して提案や質問を受けて、その場で僕が彼と一緒に考えることもありました。彼は俳優ですが、作り手と一緒に考えることができる人なんです。



森山さん あんずちゃんはあまり動かない、脱力系のキャラクターですが、動ける場所を探していたのかもしれません。例えば、障子を破るシーンは、本当は包丁を巻いて刺すだけだったのですが、僕が勝手にバタバタ騒いでやっていました(笑)。

僕は猫が好きで、長く猫を飼っているため、知っているのですが、猫は夜行性であることもあいまって、急に直感的にバタバタと動くんですよ。

山下敦弘監督

ーーロトスコープという手法を採用して、よかったことは?



山下監督 どんな天候でも時間帯でも後で調整できます。例えば、実写だと、撮影中に車が通ると車は消せませんが、ロトスコープだと背景を変えることができる。現場でのお芝居をきちんと再現できるところもよかったです。



森山さん 曇りであって欲しいシーンが晴れで撮れちゃうというふうに、天気待ちをすることなく、どんどん撮れるところはよかったですね。



山下監督 どんどん撮れちゃうので、1日の分量が増えてしまい、今となっては、もっとゆっくり撮ってもよかったなと思っています(笑)。

ーー最後に、本作の見どころを教えてください。



山下監督 最初から最後までロトスコープの手法を用い、現場の音を使って仕上げた唯一無二の作品です。これまで観たことのないアニメーションになっていると思います。

音楽も素晴らしくて、本作のMVPは鈴木慶一さんだと思っているほどです。一番年上なのに一番頑張ってくれました。日本の映画界にとっても音楽界にとってもレジェンドです。



森山さん 本作の背景のイメージは、ボナール(※ピエール・ボナール。19世紀から20世紀に活動したフランスの画家)だそうで。背景の色味が、例えば、緑や空の濃さの質感が違っていて、日本と違う鮮やかさや柔らかさがあり、印象派な感じがおしゃれなんです。



山下監督 日本の風景なのにヨーロッパの香りがするんです。不思議な印象を受けます。合作としての見え方、感じ方もほかの作品とは違うところへ行けたと思います。ぜひ楽しんでいただきたいです。

インタビューのこぼれ話

もし、あんずちゃんのように永遠に生きられるとしたら? 「火の鳥(手塚治虫氏による名作漫画『火の鳥』に登場するキャラクター)は、永遠に生きることはロクなことじゃないと言っていました」(森山さん)。

「そもそも人間として、永遠には生きたくないです。長く生きていると、どんどん寂しくなっていくだろうし、恐怖しかない。人間ではなく猫だったら、マイペースに永遠に生きてみるのも良いかもしれません」(山下監督)。

Information

映画『化け猫あんずちゃん』
7月19日より、全国公開

監督:久野遥子・山下敦弘
原作:いましろたかし『化け猫あんずちゃん』(講談社 KCデラックス 刊)
キャスト(声・動き):森山未來、五藤希愛/青木崇高、市川実和子、鈴木慶一、水澤紳吾、吉岡睦雄、澤部渡、宇野祥平
制作プロダクション:シンエイ動画×Miyu Productions
脚本:いまおかしんじ 
音楽:鈴木慶一 
編集:小島俊彦 
キャラクターデザイン:久野遥子 
作画監督:石舘波子、中内友紀恵 
美術監督&色彩設計:Julien De Man 
コンポジット開発:Guillaume Cassuto 
撮影監督:牧野真人 
CG監督:飯塚智香 
音響監督:滝野ますみ
実写制作協力:マッチポイント
撮影:池内義浩 
録音:弥栄裕樹 
スタイリスト:伊賀大介 
主題歌:「またたび」佐藤千亜妃(A.S.A.B)
プロデューサー:近藤慶一、Emmanuel-Alain Raynal、Pierre Baussaron、根岸洋之
製作:化け猫あんずちゃん製作委員会
配給:TOHO NEXT 
©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

衣装協力:森山未來さん トップス ¥58,000、パンツ ¥32,000(Sasquatchfabrix./Sasquatchfabrix.(dwagraph.)/ https://sasquatchfabrix.com/)シューズ(frankincense/@frankin_cense1986https://www.instagram.com/frankin_cense1986/?hl=ja)

写真・鳥羽田幹太 文・田嶋真理 スタイリスト・杉山まゆみ(森山未來さん) ヘアメイク・須賀元子(森山未來さん)

写真・鳥羽田幹太 文・田嶋真理 スタイリスト・杉山まゆみ(森山未來さん) ヘアメイク・須賀元子(森山未來さん)

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