千葉雄大「僕にとってギャルマインドは、ポジティブに生きるための術」
ananweb / 2024年7月23日 19時0分
やわらかな雰囲気の中に宿る、確かな意志。年齢やジェンダーという枠にとらわれず、“千葉雄大”としてその存在感を放つ千葉さんが思う“大人”とは。そしてそのポジティブなオーラの秘訣とは――。
大学進学を機に10代で上京した千葉雄大さん。大人になったと感じたのは、二十歳で仕事を始め、数年経ってからのことだそう。
「やっとごはん屋さんでオーダーができるようになったんです。それまでは店員さんに『すみません』も言えず、全部弟にやらせていました(笑)。返信が遅いところは、大人になり切れてないですね。友達から空いてる日を聞かれていたことを忘れちゃって、気づいたら当日のことも(笑)」
そんなかわいらしいエピソードの持ち主にはどんな大人が魅力的に映るのか伺うと、少し考えてから“無邪気な人”と話してくれた。
「年齢を重ねていくと、視野が狭まるんでしょうね。後ろに気づけなくなっちゃう。そういう変化さえも、面白がれる無邪気な大人は素敵ですよね」
そうした無邪気さは、自身も持ち合わせているのでは。
「どうでしょう。自分ができることを周りの人にも求めてしまったり、嫌な自分が出ちゃう瞬間もあって、大人とはいえない自分と、折り合いをつけながら生きています」
そんな千葉さんが大切にしているのが“ギャルマインド”。上手く使いこなせれば、立派な処世術に。
「誰にでもイライラすることってありますけど、苛立ちを表に出さずにやりすごすのが大人で、出せちゃうのがギャル。『意味わかんなすぎぃ~!』とかギャルっぽく言うと角が立たない気がします。“まあいっか。次いこう!”っていう気持ちにもなれちゃう。僕にとってギャルマインドは、ポジティブに生きるための術。“うちのツレを泣かすヤツは許さない!”みたいな筋の通った、硬派なギャルのマインドが好きです(笑)」
今日の撮影ではスカートルックをチャーミングに着こなしてくれたが、監督した短編が出品された映画祭のセレモニーにもスカート風のパンツで登壇して話題になったばかり。その理由が何とも軽やか。
「トム ブラウンが着たいなって。華やかな場で全身を見ていただける機会だったので、せっかくだから何か面白いことをしようという考えもありましたけど、お洋服を着る理由なんて難しく考えなくていいのでは。好きな服を着たらテンションが上がる! そのくらいシンプルでいいんじゃないかな。最近の私服は完全にY2Kです。派手なTシャツにボロボロのデニムみたいな(笑)。そういう格好をしてると『あれ、おいくつでしたっけ?』とか言ってくる人がたまにいるんですよ。『何歳になっても好きな服を着てよくないですか?』とは思っても言わないです。笑顔で『35歳です』と返して終わり。“年齢は記号にすぎない”というフレーズを、周りへの気配りなしに好き勝手するための免罪符にさえしなければ、いくつになっても好きなファッションを楽しんでいい!」
年齢を超えたエイジレスな魅力の秘密を伺うと…。
「ここ3か月で朝晩パックをするようになりました。ドンキで買ったお徳用のものでもメイクさんから肌の調子がいいってめっちゃ言われるので、やっぱりやると違うんですね」
9月から始まる出演舞台『ワタシタチはモノガタリ』ではSNSがキーに。肘森富子は、初恋相手との15年にも及ぶ文通内容を脚色してSNSに投稿。それがバズって映画化に…というストーリーだ。
「思い出はたいがい美化されるものですよね。酷い別れ方だったのに、大恋愛したような口ぶりの人もいますし(笑)。でも、ネガティブなまま残り続けるよりよっぽどいいと思います。ただ、美化することに慣れすぎてしまうと、自分が何を考えていたのかわからなくなってしまいそうですよね。これはSNSではないんですけど、僕はぶば~っと書くことでネガティブな気持ちを昇華させることがあるんです。その文章を後から読むと“なんでこんなに怒ってたんだろう”って不思議なんですけど、そのとげとげしさも、推敲して丸みを帯びた文章もいいなって思うんです。要はバランスですよね。僕は、ちゃんと自分を大切にできる大人になりたいと思っているんですけど“大切にする”のもバランス。心がすり減ってしまった時に立ち止まって自分の時間を過ごすことも、お尻を叩いて頑張らせるのもどちらも“大切にする”こと。上手くバランスをとれる大人になれたら」
ちば・ゆうだい 1989年3月9日生まれ、宮城県出身。2010年、俳優デビュー。今年、アクターズ・ショート・フィルム4『ハルモニア』で監督・脚本を担当。作・横山拓也の舞台『ワタシタチはモノガタリ』はPARCO劇場にて9月8日開幕。
ジャケット¥389,400 ポロシャツ¥251,900(以上THOM BROWNE/THOM BROWNE AOYAMA TEL:03・5774・4668)
※『anan』2024年7月24日号より。写真・恒川脩平(SIGNO) スタイリスト・寒河江 健(Emina) ヘア&メイク・堤 紗也香 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)
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