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電気代が高いのは家のせい!? 不動産専門家が教える! 節電・暑さ対策しにくい「NG物件の見分け方」

ananweb / 2024年7月20日 20時30分

電気代が高いのは家のせい!? 不動産専門家が教える! 節電・暑さ対策しにくい「NG物件の見分け方」

年々、暑くなる日本の夏。快適かつ経済的に過ごすためにはどんな物件を選んだらいいのでしょうか? 株式会社LIFULLが運営する、住まい選び・家づくりをサポートする無料相談サービス「LIFULL HOME'S 住まいの窓口」のハウジングアドバイザーである高瀬一輝さんに、節電・暑さ対策の観点から、家選びの際のNG行動についてアドバイスしていただきました。ぜひ物件探しの参考にしてください!

多くの人が暑さ対策を意識せずに住まい選びをして後悔することに…



高瀬 弊社(株式会社LIFULL)では、昨年5月「夏の住まい選びの湿気・暑さと節電対策に関す意識調査」(※1)を実施しました。そのなかで「今の住まいを選ぶ際、湿気や暑さ対策を意識して選びましたか?」という問いに対し、約半数が「意識しないで選んだ」という結果に(全く意識しなかった17.1%、ほとんど意識しなかった32.7%、合計49.8%)。

このデータからもわかるように、住まい選びの段階では湿気・暑さ対策の優先順位は低く、住み始めたあとで後悔するかたが多いようです。



――確かに、物件選びをしているときは間取り、日当たり、収納などを重視して選びがちですよね。暑さや寒さは冷暖房等で対応できるという一面もありますが、年々、電気代・ガス代が高騰しているのも気になります。



高瀬 電気代の高騰に対して政府が行っていた「激変緩和措置」による値引きが、2024年6月使用分(7月検針分)で終了しました。

酷暑となる予想から、「酷暑乗り切り緊急支援」(※2)として8月、9月、10月の電気・ガス使用分については再度、支援されると発表がありましたが、それらの支援が終われば光熱費が家計を圧迫するのは必至です。

また今後もその傾向が続く可能性が高いため、住まいを選ぶ際には、暑さ、寒さ、さらには湿気対策を意識しておくことが重要だと考えています。



――それでは、具体的にどのような点に注意して物件を選べばいいのでしょうか。季節柄、とくに暑さ・湿気対策の観点から、選んではいけない物件について教えてください。

NG1 風通しが悪い物件

風通しが悪い物件は、室内の空気がうまく循環されないことから、温度が高くなりやすい傾向にあります。日中にこもった暖かい空気が部屋の上部にたまり、エアコンをつけてもなかなか室内が冷えません。

また空気の循環がうまくいかないと、湿気がたまりやすくなります。湿気がこもった部屋は、じめじめと暑く不快なだけでなく、カビが生えやすいというデメリットもあります。

風通しのいい物件の見極め方は、間取り図を見たときに、窓と窓が対角線上にあること。対角線上にある窓を開けることで、外からの空気を取り入れながら、室内の空気を外に逃がす吸排気の効率性が高まり、換気効率が上がります。

湿度が下がり涼しい風が入ってくることで、エアコンに頼らずとも暑さが緩和されるため、省エネ効果も期待できるのです。

窓がひとつしかないひとり暮らし用等の部屋であれば、窓を開け、換気扇をつける。もしくは、防犯面に十分注意した上で、玄関を少し開けておくと風の流れができるので効果的です。

また、家の中に湿気を生む要因のひとつである洗濯物の部屋干しはできる限り、避けましょう。

湿気を浴室の外(家の中)に出さず、衣類を乾燥させてくれる浴室乾燥機を活用するのがベターです。浴室乾燥機がついていない物件を選ぶのは、暑さ・湿気対策の観点からはNGとなります。

NG2 吹き抜けがある物件

吹き抜けがある物件は、明るく日当たりがいいのが特徴です。おしゃれで開放的な雰囲気もあいまって、内見した際に「素敵!」とテンションが上がり、即契約を決めてしまうかたも一定数いらっしゃいます。

もちろん、明るく日当たりがいいというのは大きなメリットではあるのですが、暑さ・湿気対策という切り口で見ると、マイナス点があるのも事実。仕切りがなく広々とした空間である構造の場合、冷房など空調が効きにくいのです。

とくに2階建て以上の住宅の場合、暖かい空気は上へ上がる性質があるため、2階以上の部分はなかなか冷えないというデメリットがあります。さらに1階部分に関しても、上部の暖かい空気と密接状態になっているせいで、吹き抜けがない物件と比べると冷えづらい傾向にあります。

吹き抜けがある物件には、天窓や大きな窓がついていることも多いのですが、窓が大きければ大きいほど強い日差しを受け、室内は暑くなってしまいます。

日当たりのよさを最重視するかたならば問題ありませんが、暑さ・湿気対策を徹底し、光熱費を節約したいと考えるのであれば、吹き抜けがある物件はあまりおすすめできません。

NG3 断熱窓が採用されていない物件

秋の異動等でこれから家探しをするかたは、内見時、実際に住んで生活する暑さを直に感じることができるチャンスです。見学時にはエアコンが効いていることも多いので、エアコンを消してどれくらいの暑さなのか、今の住まいとの違いを体感してください。

なお重点的にチェックすべきところは、窓の種類です。

断熱窓とは、従来型の1枚ガラスではなく、複層ガラスやトリプルガラスを採用し、さらに、アルミフレームを樹脂フレームに替えた窓の総称のこと。

複層ガラスの断熱効果は、1枚ガラスの2倍。樹脂はアルミの1/1400倍も熱を伝えにくいため、1枚ガラス+アルミフレームよりも、断熱性能がはるかに高いのが特徴です。

普通のグラスよりも二重ガラスのグラスのほうが、また、アルミ製のコップよりも樹脂性のコップのほうが、手に持ったときに冷たさを感じづらいですよね?

断熱窓はそれと同じ原理。日差しの影響を受けにくいため、夏場、過ごしやすい室温を保つことができるのです。なお、冬場は暖かく、さらに結露になりにくいというメリットもあります。

夏の暑さ、冬の寒さは「窓で決まる」と言っても過言ではありません。断熱窓を選ぶことをおすすめします。

なお、既存住宅の窓・ドアを省エネ効果の高い断熱窓・断熱ドアに改修する費用に対して補助金が交付される国の事業「先進的窓リノベ2024」(※3)もありますので、利用して改修するのもおすすめです。

Information



<教えてくれた人>
高瀬一輝(たかせ・いっき)さん。「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」ハウジングアドバイザー。2011年、株式会社LIFULL入社。2016年、理想の住まい選び・家づくりの無料相談サービス「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」の立ち上げメンバーに。通算500組以上の住宅購入相談を担当する。現在は、住まいの窓口オンライン相談部門のマネージャー兼サービスタレントとして、YouTube動画出演や新たなコンテンツづくりに挑む。宅地建物取引士。保育士資格を保有、実際に子育てする父親としての視点を生かしたアドバイスも好評。

※1 夏の住まい選びの湿気・暑さと節電対策に関する意識調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000341.000033058.html

※2 経済産業省 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」
https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/

※3 先進的窓リノベ2024
https://window-renovation2024.env.go.jp/

取材、文・髙倉ゆこ

©naka/Adobe Stock

取材、文・髙倉ゆこ

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