トニセン宇宙フェス?!「20th Century Live Tour2024~地球をとびだそう!~」最終日ステージレポ
ananweb / 2024年7月23日 19時30分
6月4日(火)から全国9都市24公演開催した「20th Century Live Tour2024~地球をとびだそう!~」が7月19日(金)の神奈川県民ホールで幕を閉じた。20th Century=トニセンの坂本昌行さん、長野博さん、井ノ原さんの3人がライブ中に地球を飛び出すという摩訶不思議なトニセンワールドを炸裂させたステージを振り返ります。
トニセンが宇宙を飛び出し、宇宙フェスに参加したステージを展開!?
今回のツアーは、“地球のみなさんに宇宙から熱い思いを送りたい”というトニセンの想いが込められたステージ。タイトルだけでは、一体どんなライブになるのか、まったく予想不可能でワクワクが止まらない。
今回は、昨年の全国ツアー「20th Century Live Tour2024~僕たち20th Centuryです!~」以来、1年5か月ぶり、2年連続の全国ツアーだ。3人のシルエットがメンバーカラーの照明に照らされる中で歌ったのは「トライアングル」。スケルトンの幕が上がると、地球を飛び出すステージの始まり、始まり…。
「旅立ちの鐘」では、手を振って会場を練り歩きファンの目の前へ。“飛んで”と書かれたうちわを振っているファンも会場内に大勢いる。歌い終わったところで、長野さんに「長野さん今回、飛びますか?」と質問をする坂本さん。「そうだなぁ…」と長野さんが答えると、井ノ原さんが「一応、説明しておかないと分からない方もいらっしゃるかもしれませんが、長野くんは、コンサートのたびに毎回飛びたがるっていう、癖がありまして(笑)。いろんな形で毎回飛ぶのが、恒例行事です!」と、これまでのライブを振り返る。
すると、「もう空って感じじゃない。空を突き抜けて、宇宙に行きたいんです!」とキッパリ断言する長野さん。しかし、井ノ原さんから「今回は飛びません! 長野さんには、地に足をつけて歌って踊っていただきたい(笑)」と反対され、今回の長野さんは、まさかの飛ばない方向に…!?
長野さんが飛ばないと判明するとファンが「えーっ!」と残念な声をもらす中で、喫茶二十世紀のコーナーへ。「去年の11月1日からですね、我々3人で喫茶二十世紀という喫茶店をオープンいたしまして…」と東京・原宿にある喫茶店話に。
「期間限定じゃなくて、ずっとやっているつもりなので、まだ来てない方はゆっくりで構いませんのでね、いつか来てくだされば嬉しいです」とアピールする井ノ原さん。ここからは、喫茶二十世紀が再現されたステージで、蝶ネクタイに白シャツの喫茶店員衣裳に身を包んで、ゆるっとパフォーマンス。喫茶店の椅子に腰かけながら、「回れよ地球」を歌い、ラストは頬にハートを作る3人。井ノ原さんと坂本さんはやや渋い顔でハートを作るも長野さんだけノリノリの可愛い顔でキメポーズ。ファンが声を揃えて、「可愛い」と叫ぶと、「可愛いって言われるのがヤミツキになっちゃって…(笑)」と照れ笑いする井ノ原さんの姿も。
「ある日願いが叶ったんだ」では、スクリーンにUFOが映し出され、誘われるようにスクリーンのUFOに乗り込む長野さん。地上に戻ってくると、1人だけ胸に手を当てて、まるで夢が叶ったような幸せそうな表情をのぞかせる。長野さんの様子がおかしいことから坂本さんと井ノ原さんに何があったのか理由を問われるが、「今、話してもちゃんと伝える自信がないんですよ。 ちょっと混乱しているから…。整理ついてないです。なので、ちょっと落ち着いてから、伝えさせていただいて大丈夫ですか?」と、にごして少年隊コーナーへ。
女性ダンサーを従え、大人の雰囲気たっぷりにムーディーにダンスした「まいったネ 今夜」など、少年隊の名曲たちを挟んでから、長野さんがMCで「ある日願いが叶ったんだ」でようやく「後で話す」と言っていた件について、語り始める。
「曲の途中に呼ばれた気がして外へ出て行ったの。そしたら、UFOが飛んできて、俺のことをさらっていって。地球を飛び出して、UFOの中にいたの。それで、UFOの中には宇宙人がいて、あるメッセージを聞いたんだけど、驚くべき内容だったわ」と長野さんが突拍子もない話を興奮気味に話すもニコニコ笑っている会場。お客さんのすべてを受け入れる雰囲気は、長年寄り添った伴侶を見つめるかのようにあたたかくアットホームだ。
続けて長野さんが言うには、宇宙では地球の音楽が宇宙人に大流行りで、中でも邦楽は空前の人気。Ⅴ6の曲も根強いファンが多いらしいということで、トニセンに銀河のフェス「ギャラクシーソニック」への出演オファーがあったとのこと。急にSFファンタジーの舞台を観ているような展開に陥ったことに驚いていると、「俺たち、宇宙でデビューさせてくれるんでしょ。最高じゃん!」と井ノ原さんと坂本さんもノリノリ。トニセンがまさかの宇宙デビュー? じつは、喫茶二十世紀の店自体が宇宙船になっていて、宇宙に飛び立つことに。ここで、ツアータイトルの「地球をとびだそう!」の伏線が回収される。
宇宙服チックなシルバーの衣裳にチェンジすると、「ギャラクシーソニック」コーナーへ。ここでは、「MUSIC FOR THE PEOPLE」をロングのアウターをひるがえしながら踊ったり、「Believe Your Smile」では会場と一体になって手振りをしたり、懐かしのV6の大ヒットソングを華々しくお届け。1995年にリリースしたComing Centuryのアップテンポなダンスナンバー「Team of Coming Century」をトニセンがアグレッシブに躍るというサプライズも! 思いがけない懐かしいナンバーに会場のペンライトが激しく揺れる。
宇宙フェスのラストでは、「今日は宇宙のみんなも、地球から来てくれたみんなも、本当にどうもありがとう。俺たちこれからも地球をガンガン飛び出して行くんで、応援よろしくお願いします」「地球で会おうぜ!」と挨拶して、壮大な宇宙でのライブが終了。そして、アンコール。「いや~、ちょっとみんなには黙っていたけどさ、俺たちこの間まで宇宙へ行ってました!」と地球に帰ってきた3人という設定で、お芝居がまだ続く中、「ツラいチャプター」を披露。今回は長野くんだけでなく、宇宙に飛んだ3人の物語はアンコールでようやく終了。
最後の挨拶では、「今日は皆さん、お疲れさまでした。宇宙にも付き合ってくれて、ありがとうございました!」と長野さんがトップバッターでファンに語りかける。「本当に平日にこんなに集まっていただいて。平日の昼間でほとんどが有給を取って下さったと思います。何年か、やっぱりライブができない日々が続いたりして。ライブをやっても声は出しちゃダメですよ、なんてこともありましたけれども、やっぱりこうやって皆さんと会って、声を出して、発散して、いろんなキャッチボールができて、お互いの笑顔が見ることができて、やっぱり本当にライブって、僕たちにとってすごく大切な場所だなというのを改めて感じております。皆さんにとってもそうだと嬉しいですけれども。これからも大切に、できる限りステージに立ち続けていきたいなと思っておりますので、応援をよろしくお願いします」と、ステージに立ち続けることを宣言。
続いて井ノ原さんが「本日はどうもありがとうございました。平日の昼間に(笑)」とお礼の言葉を伝えてから、「どうですか? この、ファンの盛り上がり」と言うと、「フゥー」と声を揃える会場のファン。「僕もたいがい見てきていますけど、こんな盛り上がるライブは、なかなかないです。エネルギッシュ! もうね、こうやって客席降りたりとかして、皆さんの顔は一人ひとりの顔、後ろの方までしっかり見られています。 2,400人ぐらいいるんですよ、この会場。2,400人の人生なんだなと思って。今日、来るのに大変な思いをして来てくれた人もいるだろうし、遠くから来てくれた人もいるだろうし、なんとか休みを交替してもらって来てくれた人もいるだろうし、本当いろんな思いでここに集まってくれて奇跡を感じました。 みんなでね、エネルギーの交換ができて…」と感慨深げな表情に。
「次はいつになるか分かりませんけど、できる限り。僕らこれぐらいのステップでよければ、(と、軽く踊ってみせ)いくらでもできるんで(笑)。ずっとできる限りアイドルとしてやっていきたいなと思っています。気づけば、歌って踊るアイドルとしては、最年長になっちゃいまして。後輩たちがすごく頑張ってくれているんで、僕らは地味に、みんなとのんびりライブできたらなと思ってますんで、これからもよろしくお願いします」と、アイドルとして歌い踊り、エンターテイメントを届けていくことを笑顔で約束していた。
最後は坂本さん。「ライブをやらせてもらってもう30年近く皆さんと共に時間を共有しています。どんどんどんどん、客席の声が若々しく聞こえてくるようになって(笑)。こうやってね、パワーの交換をしあえることで、お互いね、もちつもたれつ、仲良く行きたいと思います。昨今は、新しいものを求めて、何か大事なものを失っているような気がしていて。今回のステージをやらしてもらうときに偉大な先輩、そして、素晴らしい楽曲たちがあるからこそ、僕らこうやってステージに立たせてもらっているんだなっていうのをすごく感じました。これからも新しい楽曲はもちろんのこと、素晴らしい楽曲を皆さんにずっとずっと届けていただけるように頑張ってまいりますので、これからも応援よろしくお願いいたします。ありがとうございました!」と、今回の少年隊コーナーやデビュー当初の名曲をセットリストに入れた理由も判明。
急にトニセンが宇宙にとび立ち、宇宙フェスに参戦する物語が繰り広げられるなど、終始、遊び心たっぷりだったステージ。現実と虚構が入り混じるストーリーはヨーロッパ企画の上田誠が脚本を手掛け、お芝居とライブが融合したファンタジックな世界観を創りあげた。トニセンのルーツを歌った少年隊メドレーやV6初期メドレーも盛りだくさんに披露し、トニセンのエンターテイメントが贅沢にギュッと詰め込まれた2時間。トニセンは“永遠にステージに立ち続けるアイドル”であり続けることを改めて宣言し、ファンを大いに喜ばせたツアーとなった。
写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子
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