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ある種日本らしい抵抗? 堀潤が「東京都知事選挙」を振り返る

ananweb / 2024年8月3日 22時0分

ある種日本らしい抵抗? 堀潤が「東京都知事選挙」を振り返る

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京都知事選挙」です。

最多の立候補者数。候補者の政策は、見たい未来の表れ。

7月7日に東京都知事選挙が行われ、現職の小池百合子さんが291万8015票で3回目の当選となりました。2位は広島県安芸高田市の元市長で無所属の石丸伸二さんで165万8363票、3位は128万3262票の蓮舫さんという結果に。今回は56人が立候補しました。これは、過去最多の人数になります。

それぞれの政策の中身を見てみると、「子どもがいる世帯に1人あたり1000万円支給」など、既存の政党や政治家が言わないような、でも実現したらいいかもしれないと思わせるユニークなものがたくさんありました。

NHKから国民を守る党が、党に一定額の寄付をした人に自由に掲示板枠を貸し、そこに選挙とは無関係のポスターが無数に貼られるという想定外の事態も起きました。ただ、それによって普段、政治に関心のない人が選挙に目を向けるように注目を集めたというのは、悪いことばかりではなかったかもしれません。ただ、海外メディアには、呆れ気味に報道されました。

これほど多くの立候補者が出たというのは、既存の政治への不満の表れです。それが極右でも極左でもなく、エンターテインメントのように政治を笑う方向に向かったというのは、ある種日本らしい抵抗だと思います。政治は“まつりごと”ともいいますし、お祭り騒ぎのようでも、選挙に注目が集まったことは有益だったといえるでしょう。今回の投票率は60.62%、4年前の前回よりも5.62ポイント上回りました。期日前投票は23%増えました。

ただ、候補者があまりにも多すぎるゆえに、選びきれずに結局は現職や有名候補者に票が流れやすい状況を作ってしまったところはあると思います。

ぜひ、これを過渡期とし、今回のような過激な選挙活動をしなくても、新しい政治家が生まれるような投票行動を自分たちの手で作れたらいいなと思います。全国的に新しい候補者を立てて、新しい政治を求める声が高まっています。いまは自民党の裏金問題が燻っているので、ひょっとしたら、次の衆院選は過去最大規模の立候補者数になるかもしれません。新陳代謝は大事なことだと思います。

ほり・じゅん ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。

※『anan』2024年8月7日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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