自分の頑張りを評価してもらうには? 職場での“チームにまつわるお悩み”に賢者が回答!
ananweb / 2024年9月13日 20時0分
価値観の多様性を尊重する時代、年齢や立場など事情の違う様々な人たちと良いチームを作るにはどうしたらいいの? 20代~30代の女性200人から募ったチームにまつわるお悩みに、3人の“チームを知る賢者”がお答え! あなたのお悩みもきっと解決するはず。
目標を共有することと、話しやすい環境が大事。
かつてはみんなで職場に集い、顔を合わせて仕事をするのが当たり前でしたが、コロナ禍を経てリモートワークを採用する会社も増え、“別々の場所で働きながら同じチーム”という状況も珍しくなくなりました。でも、フレキシブルにチームが組める一方で、今までにはない“チームワークの難しさ”が生まれているのも事実。
「相手の表情や声色を見ながらのコミュニケーションが、オンラインではやりにくい。チームの雰囲気づくりは昔に比べて難しくなっているのかもしれませんね」
と言うのはコラムニストの犬山紙子さん。また、会社員としても働くアンゴラ村長さんは、
「だからこそ、特に業務面に関しては、文字でのやりとりが重要になっていると思います」
組織で働くことを研究する大学教授の安藤史江さんによると、
「今はまさに時代の転換期。昭和的な感覚で働く人、コロナ禍で団体生活の経験をあまり積まずに社会に出てきた若手、そしてその2つの世代に挟まれる世代というように、チーム内に様々な立場の人が存在しています。そんな人たちで良いチームワークを発揮するためには、全員が同じゴールに焦点を合わせ、道筋は違えど、そこに進んでいく意志を共有することが大事。なんのために自分たちはチームを組んでいるのかを全員が理解していれば、そのチームはきっとうまくいきます」
世代や価値観を超え、対話ができる空気を醸成することも大切。
「そのためには相手の話をしっかり最後まで聞くこと。論破やダメ出しはチームワークには必要ない価値観です」(犬山さん)
「私もチームのときは、相手に対して常に全肯定の気持ちで動きます。お互いに認め合うことが、気持ちを素直に伝え合えるきっかけになる。全員がそのスタンスだと、いいチームになるのでは、と思います」(アンゴラ村長さん)
【チームのモヤモヤ問題1】疎外感を抱く立場
フリーランスでやっている仕事で、とある会社のチームに加わることに。社員同士の仲が良すぎてチームに馴染めず疎外感があります。私の知らない話が多く出るので気まずい空気になることも…。途中から入るチームに溶け込むにはどうしたらいいですか?(31歳・デザイナー)
不安な気持ちをまず伝え、そこから馴染むのがいい。
「私も、すでに関係性が構築されているテレビ番組にお邪魔する、といったことがあり、この気持ち、すごく共感できます。そういう環境に入ると不安ですよね。しかも、皆さんがフランクな会話をしているときほど、仲間に入るのって難しい(笑)。なので私はいつも、“このチームに入れて嬉しいけれど、途中参加なので不安があって、ご迷惑をかけるかも…”みたいな形で、自分から先に、不安な気持ちも含めて話しかけるようにしています。自分の不安を相手に共有してもらうと、馴染みやすくなると思いますよ」(犬山さん)
“気になってません”的に天才っぽく振る舞ってみる。
「私も、初めての場で、しかも自分以外が仲良くしていると、“私のこと、イヤなのかな…”と勝手に落ち込むタイプ。頑張って話しかけるのが一番ですが私はそれが苦手なので、空をじっと眺めたりして謎の“天才オーラ”を出して、“話しかけてもらえないことなんて全然意に介してません”ムーブを出します(笑)」(アンゴラ村長さん)
過去をシェアしてくれる担当者をつけてもらおう。
「こういう悩みは一緒に経験を積むことで乗り越えられるものですが、数か月の短いプロジェクトの場合、時間に任せていると間に合わない場合も。まずは他人の力を借りましょう。リーダーなど上の人に相談をし、これまでの経過をシェアしてくれる担当者をつけてもらうのが一番。その人を糸口にし、溶け込んでみてください」(安藤さん)
【チームのモヤモヤ問題2】熱量の違い
今のプロジェクトチームに同じ量で目標に向かって頑張る仲間がおらず、仕事に張り合いがありません。同じ熱量の仲間が欲しいと思うのは時代錯誤でしょうか。(33歳・会社員)
感覚的な話ではなく、相手もわかる具体例で行動提案してみよう!
「全然時代錯誤じゃないですよ! ちなみに芸人同士でも、同じ熱量のコンビのほうが上に行ける気が。舞台でスベっても、そういうコンビはちゃんとフォローし合えますが、うち(にゃんこスター)は仲が悪いので他人のふりとかしますからね…。さすがにそれはマズいと思って最近話し合いをするんですが、熱い気持ちってそのままぶつけるとウザがられる危険性も。なので、相手が共感しやすい具体例で“こういうふうにしてみたいんだけど、どうかな?”と提案するといいと思います」(アンゴラ村長さん)
チームを変えるのは難しい。同熱量の場所に移っても。
「一人で頑張ることがカンフル剤になる場合もありますが、他人に変化を求めるのは難しいし、“熱量が足りない!”と押し付けるのは逆効果になる気が。孤立を避けるためには、ヒアリングで同じ気持ちの人がいないか探り仲間を作ってみて。いなければ、熱量のある別のチームに異動させてもらえるよう、上に働きかけるのもアリ」(犬山さん)
熱が低い原因が必ずある、それを探ることが第一歩。
「熱量が下がった原因があるはずです。例えば意欲的な上司が異動をし、新しい上司がやる気がなかったり、そのプロジェクト自体にもはや見込みがない、あるいはチーム内で仕事の意義がうまく共有できていないなど…。対処法は原因ごとに異なるので、まずは“なぜ熱量が上がっていないのか”を探ることから始めてみてください」(安藤さん)
【チームのモヤモヤ問題3】評価
今のチームでの仕事で、適切に評価されていると感じられません。どうしたら自分の頑張りを評価してもらえるようになるでしょうか。(25歳・会社員)
やる気を見せ、成果を上げる。そうすれば評価は上昇!
「外資系企業などでよく聞くのですが、外国人に比べると日本人は控えめなので、自分の仕事の成果をあまりアピールしないそうです。それゆえリーダーの目に留まらず、むしろ“あの人、働いていないのでは?”と誤解されることもあるんだとか。とはいえ、いきなり成果を声高に叫ぶのもよくないので、まずは“私はこういう仕事がしたい”と希望を明確にし、上司に自分を印象づけることから始めましょう。そして仕事の進捗をしっかり見せながら、最終的に成果を上げれば、きっと評価してもらえるはずです」(安藤さん)
自分の仕事の見える化をし、さらなる評価の連鎖を導く。
「これは本当にあるあるで、特に数字にしにくい仕事で抱きがちなお悩みですよね。ただ、やはり評価してもらうためには“見える化”は大事。例えば上司に『頂いたアドバイスのおかげで成功しました!』と報告をしたり。また、まずは自分が他の人の仕事を褒めることで、ポジティブに評価し合う土壌を作るのもいいと思います」(犬山さん)
“褒めるとやる気が出る”と上司に提案してみる。
「私が勤める会社は、ベンチャーだからか本当にみんな自分の功績を大声で言うんです(笑)。とはいえ社風によってはそれはやりづらいこともあると思うので…、例えば上司に、“メンバーをもっと褒めると、やる気が上がって、結果的に会社にも良いリターンがあると思います”と提案をしてみるのはどうでしょうか」(アンゴラ村長さん)
いぬやま・かみこ 1981年生まれ、大阪府出身。コラムニスト、エッセイスト。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ社)など。ボランティアチーム「#こどものいのちはこどものもの」を立ち上げる。
あんごらそんちょう 1994年生まれ、埼玉県出身。お笑いコンビ、にゃんこスターのボケ担当。デジタル写真集『151センチ、48キロ』(講談社)が発売中。副業としてスタートアップ企業に勤務している。
あんどう・ふみえ 南山大学経営学部教授。企業で働く人々や組織改革・学習に関する研究を行っており、民間企業での研修講師やコンサルタントを務める。共著に『職場がうまくいかないときの心理学100』(有斐閣)など。
※『anan』2024年9月18日号より。イラスト・よしださやか
(by anan編集部)
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