朝バナナ、旬のぶどう、梨大好き「”隠れ糖質”による抜け毛・肌荒れに悩む人」の特徴と対策
ananweb / 2024年9月14日 19時30分
夏の疲れがどっとでる今の時期、髪や肌へのダメージを実感している人も多いのではないでしょうか。抜け毛やシミ、シワ、乾燥なども放置せず、体の内側からケアしたいですよね。そこで今回は、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、夏の終わりに気になる老化現象を防ぐための食薬習慣とNG習慣を教えてくれます!
気になる抜け毛、薄毛、肌荒れは「隠れ糖質」が原因かも…
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 282
真夏日の日もありますが、夏もいよいよ終盤に差し掛かってきました。これからの時期は、夏に浴びた強い紫外線の影響から、シミやくすみ、小じわ、抜け毛、薄毛などに悩む人が少しずつ増え始めます。美容のために毎朝、旬のシャインマスカット、ブドウや梨などの果物、朝食の定番であるバナナ、パイナップルなどを取り入れ、ビタミンやミネラルをチャージする習慣を取り入れているかたも多いかもしれませんね。
美肌を取り戻すためには、ビタミンA、C、Eや、鉄、亜鉛などのミネラル、ビタミンB群、アミノ酸なども欠かすことができませんが、秋の果物が美味しくなるこの時期は、逆に果物の摂りすぎには気を付けなければなりません。知らないうちに、思った以上に糖質を摂ってしまって “隠れ糖質”を摂取しやすいからです。朝のタイミングは、フルーツだけでヘルシーに! というイメージがありますが、たんぱく質や食物繊維を中心とした朝食が理想です。
ということで、今回は夏の終わりに出てくる老化現象を防ぐ食薬習慣を紹介します。
今週は、夏の終わりに出てくる老化現象を防ぐ食薬習慣
お肌の老化の8割は、紫外線による光老化と言われています。ただ、どんなに紫外線ケアをしても夏の紫外線を避け続けることは難しかったと思います。そして、少し遅れて、夏の疲れとともに見た目の変化も表面化してきます。角質毛穴、美白ケアや保湿の対策、頭皮ケアなどを重点的に行いたくなりますよね。
体の外側からのケアは当然必要なことですが、体の内側から夏の疲れをとることで、乱れたターンオーバーや皮脂分泌を正常化するように食事を整えていくことも大切です。漢方医学では、『気・血・水』を補い、赤みやかゆみの原因となる『湿熱』を生じさせないことが美肌に必要だと考えています。内臓の鏡と言われるお肌の状態が整うことは、疲れにくい体を作るためにも役立ちます。
そこで、今週は『気・血・水』を補いターンオーバーを整え、『湿熱』を取り除く食薬がおすすめです。
今週食べるとよい食薬は、【ササミとブロッコリーの粒マスタードソテー】です。そして逆にNG習慣は、【朝食のたっぷりフルーツ】習慣です。
旬の果物は体に良いからと食べ過ぎていませんか? 糖質過多にならにように適度に楽しむことが大切です。
食薬ごはん【ササミとブロッコリーの粒マスタードソテー】
ブロッコリーや粒マスタードには、抗酸化、抗糖化作用の高いイソチオシアネートを含みます。筋トレ中の人にとってブロッコリー×ササミは定番だと思いますが、『気・血・水』を補うため疲れている体にももちろんプラスです。さらに、粒マスタードを絡めると、活性酸素対策ができるため『湿熱』除去にも役立ち、肌トラブルにもおすすめです。
<材料>
ブロッコリー 1株(茎も固い皮を取り除き一口大にする)
ササミ 2本(1口大)
ニンニク 1片(スライス)
塩 適量
粒マスタード 大さじ1
<作り方>
ブロッコリー、ササミ、ニンニクをオリーブオイルでソテーして、塩で味を整え、最後に粒マスタードを全体に絡めたら完成。
NG行動【朝食のたっぷりフルーツ】
秋は、ブドウや梨、柿、いちじく、栗など美味しいフルーツが増えます。旬のものを食べることは良いことですが、そのイメージに甘えて食べ過ぎていては、良いものも体にネガティブに働いてしまいます。ビタミンやミネラル、ファイトケミカルなどを摂り入れることができ、肌トラブルがあるときには心強い味方となりますが、毎朝美容のためにフルーツだけをたっぷり食べる習慣は必ずしも良いとは言えません。フルーツも食べ過ぎると果糖が老化の原因物質であるAGEsとなってしまいます。朝は、胃腸に負担とならない程度にたんぱく質や食物繊維を取り入れる和定食を意識した食事が理想的です。
旬のものは、体に良いからと言って、大量に食べてよいわけではありません。いつものデザートやおやつの代わりになるスイーツとして過度にならないように旬を楽しみましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)や新刊『だる抜け ズボラ腎活(ワニブックス)』でも紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。
近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。
ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。
Information
<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©mayu/Adobe Stock
文・大久保愛
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