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不動産会社の経営者が教える! シングル女性が「今家を買うべき理由」

ananweb / 2024年9月28日 20時50分

不動産会社の経営者が教える! シングル女性が「今家を買うべき理由」

物件探しの際、知っておくと助かるトピックをご紹介します。『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)の著者であり、5000人超の女性たちの「幸せになれる家選び」をサポートしてきた「ことり不動産」代表の石岡茜さんに、「シングル女性が家を買うために今やるべきこと」について教えてもらいました。ぜひ参考にしてください!

「いい男いないかな?」より「いい物件ないかな?」



――石岡さんは、シングル女性がマイホームを購入することを応援していらっしゃいます。それはなぜですか?



石岡 人生は何が起こるかわかりません。想定していなかったアクシデントが起きたときも、持ち家が女性をサポートしてくれるお守りのような存在になると思うからです。

たとえば、賃貸住宅の場合、立ち退きなどでふいに住む場所を失う可能性があります。でも持ち家であれば、常に住む安全な場所が確保でき、老後に賃貸住宅が借りられなくなるという不安もなくなります。

また同棲、結婚、出産などで家族が増えて手狭になったときは、貸し出して賃料収入を得ることができる「資産」になりますし、独身のかたはもちろん、離婚してシングルに戻っても安心して帰れる「居場所」になってくれます。

時折、女性のお客様に「男性は裏切るかもれないけれど、家は裏切りませんよ」と、冗談交じりに、お話することもあるんです。



――日本では「家は夫(男性)に買ってもらうもの」もしくは「夫(男性)と一緒に買うもの」という価値観が根強くありますよね。



石岡 確かに、シングル女性が家を購入しようとすると「結婚をあきらめた」「女のくせに生意気」といった心無いことを言ってくる保守的な人も一定数います。でもこれからは、「家は男性が買うもの」という固定概念に縛られず、女性が自分の意思で家を買える時代になっていけばいいなと思います。

まずは、女子会の会話の内容から変えたほうがいいかもしれませんね。「いい男いないかな?」ではなく、「いい物件ないかな?」みたいに(笑)。



――都市部のマンション価格は高騰していると聞きますが、それでも購入していいのでしょうか。



石岡 確かに値上がりしているので、「今は買い時ではないかも…」と悩む人もいるかもしれません。でも分譲マンションの価格が上がれば、その後、遅れて賃貸物件の相場も値上がりすることになります。

そのため次に引っ越す際、同じ家賃で今と同じ設備の物件には住めない…という可能性も大いにあるのです。

また、賃貸に住んでいる間は賃料が発生していますが、その賃料は支払っておしまいです。ところが家を購入すると、ローンを支払うたびに残債が減っていき、やがて自分の資産になります。

「いつか買いたい」と思っているのであれば、思い立ったが吉日。自分の決めたタイミングで購入するのが一番だと思います。

家探しは自分と向き合うことから始まる



――それでは実際に、家を購入したいと思った人が、やるべきことを教えてください。



石岡 まずは、どの街(どんな環境のエリア)に住みたいか、その家にどのくらいの期間、誰とどのように暮らしたいか、といったことを具体的にイメージしていきましょう。

たとえば、通勤に便利な場所で暮らしたい、おいしい食事処や活気ある商店街のある街がいい、リモートワークや趣味のためにリビングと寝室は分けたい、広いキッチンのある物件がいい、植物が育てられるベランダが必要、彼氏と同棲したい…など。

そうすると、住みたい街や間取り、必要な面積などが明確になります。



――手始めに、モデルルームや内覧会に行く人もいると思うのですが。



石岡 それはやめたほうがいいですね。モデルルームなどは美しく整えられた空間ですので気分が高揚してしまい、自分が住みたい家のイメージがぼやけてしまったり、理想とは違う物件なのに即決してしまったりする可能性も。まずは、しっかり自分自身と向き合うことから始めてほしいです。



――場所や物件のイメージが定まった後は、何をすればいいのでしょうか?



石岡 どのくらいの価格の家が購入できるのか、予算の洗い出しを行いましょう。銀行の住宅ローンの仮審査を出してみることをおすすめします。WEBから申し込むことが可能で、年収や保有資産などを入力すると、いくらくらいの借り入れができるか数日で回答を受け取ることができます。

ちなみに、現時点で銀行から借りられる住宅ローンは、年収の7~8倍が目安と言われています。



――その他の費用には、どのようなものがありますか?



石岡 購入時、銀行や不動産会社などに支払う手数料や諸経費として物件価格の5~7%が必要です。たとえば、3000万円の物件であれば、150万円~210万円ほど。その他、引っ越し費用も用意しておかなければなりません。

またマンションの場合、ローンとは別に維持費として管理費や修繕積立金が毎月発生することも忘れないでください。



――予算を洗い出せば、現在の家賃と比較できたり、諸経費や引っ越し費用を貯めるモチベーションになったり、いいこと尽くしですね。



石岡 そうですね。お金のことを明確にすれば、「自分にも買える!」という自信につながるのでおすすめです。



――その後、いよいよ物件探しですね。どのような不動産会社の担当者にお願いするのがおすすめでしょうか?



石岡 予算、立地、間取りなどの条件だけで候補となる物件を紹介してくる担当者はおすすめできません。購入者がどのようなライフプランを描いているのか、しっかりヒアリングしてくれる人がベストです。

ライフプランを知るための質問例としては、「結婚して子どもができたり、ライフスタイルに変化があったりした場合は、購入した家をどうしたいと思いますか?」「将来的に転職やUターンなどで住むエリアが変わる予定はありますか?」「月額の支払い金額は円くらいになりますが、35年間支払い続けられると思いますか?」など。こういった具体的なヒアリングをしてくれる方はいい担当者だと思います。

「大手だから大丈夫」「担当者は誰でもいい」といった考えは捨てて、最低でも3軒くらいの不動産会社を回って話を聞いてみましょう。自分に合った担当者=家選びのパートナー探しから始めてください。

家は本来の自分に戻れる安全地帯



石岡 多くのかたにとって住まいは、暮らしの中で最も多くの時間を過ごす大切な場所です。帰ってくると落ち着く、本来の自分に戻れる、外に出ていく活力がもらえる、癒される…そんな安全地帯でもあると思います。

女性たちがマイホームを手に入れることで自立し、社会のなかでますます活躍できるようになったらいいな。豊かで幸せな人生を送ってほしいな。不動産を通して、私もそのお手伝いができればいいなと思っています。

Information



<教えてくれた人>
石岡茜さん。2013年に「女性のための不動産会社を作りたい」と、東京・学芸大学に「ことり不動産」を設立。女性ならではの細やかな視点と「幸せな家選び」をモットーに、物件選びをサポートしている。宅地建物取引士。著書に『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)がある。現在、TV CMを放送中。YouTube「ことり不動産TV CM」でも視聴可能。

取材、文・髙倉ゆこ

©baranq/Adobe Stock

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