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成河「観ている人も巻き込んで裏切ったり裏切られたり」 舞台『ピローマン』の魅力を語る

ananweb / 2024年10月6日 22時0分

成河「観ている人も巻き込んで裏切ったり裏切られたり」 舞台『ピローマン』の魅力を語る

戯曲の深い読み込みと解釈、フィジカルの表現力の高さに知性、何より演劇への高い熱量で“演劇モンスター”なんて異名も。台詞・歌・ダンスとジャンルの壁を越えて縦横無尽に行き来する成河さんの次回作は、映画『スリー・ビルボード』の監督としても知られるマーティン・マクドナー作の舞台『ピローマン』。

観ている人も巻き込んでいく。普通じゃないけど面白いです。

「コロナ禍で仕事が止まったときに、あり余る時間の中、オンラインでいろんな戯曲を持ち寄って読む会をやっていたんです。そのとき取り上げた作品の中でも上演のイメージが湧いた作品だったので、いつかやれたらいいねと話していたのが、ようやく今回結実した感じです」

演じるのは、子供が悲惨な目に遭う物語ばかりを書く作家・カトゥリアン。彼の作品と酷似した事件が起こり、嫌疑がかけられる。マクドナー作品は人間同士のわかり合えなさや不可解な悪意、その先にある虚しさや切なさを描いたものが多いが、「最後にちゃんと受け取れるものがあると思う」と語る。

「今って、一見平和だけど裏で発散しきれない鬱憤が溜まっていっていて、そういうものを引きずり出すことに、マクドナーは価値を感じているのかもしれません。物語を人と分かち合うことに何の意味があるのか…それを徹底的に考えている人なんだと思います。僕の役は、カトゥリアンの書いた物語を読み上げるストーリーテラー的役割もあるんですが、そこが複雑な入れ子構造になっていて。観ている人も巻き込んで裏切ったり裏切られたり。面白いです」

演出は小川絵梨子さん。戯曲の魅力を舞台上に余すところなく表現する演出が高い評価を受けている。前述の戯曲を持ち寄って読む会の発案者でもある。

「絵梨子さんの突出したところは、戯曲に書かれた会話を、究極に極め尽くすところです。よく『台本がすべて』と言うのですが、作品を追い越して自分の色を出そうとは絶対にしない。今回は翻訳も絵梨子さんがしているんですが、さらにキャスト全員で原文から一行一行解釈し、語尾のひとつに至るまで言い回しを徹底的に話し合う。役を生きるうえでの俳優の担う領域…俳優芸術の部分も大事にしてくれる。妥協は一切ないので厳しいですけどね。僕は、俳優の肉体ありきの考え方で作る演劇も経験していて、そっちも面白いし好きですが、絵梨子さんが目指している俳優芸術の領域はあれもこれもと欲張ってできるものじゃない。それくらい高いものを目指して向かっています」

舞台『ピローマン』 ある事件の容疑をかけられた作家・カトゥリアン(成河)。彼の書いた物語と酷似した事件が起こり、警察は彼の犯行を疑っていた。彼の兄も取り調べを受けていて…。10月8日(火)~27日(日) 東京・新国立劇場 作/マーティン・マクドナー 翻訳・演出/小川絵梨子 出演/成河、木村了、斉藤直樹、松田慎也、大滝寛、那須佐代子 全席指定A席7700円 B席3300円 Z席(当日)1650円 10月3日(木)・4日(金)プレビュー公演あり。新国立劇場ボックスオフィス TEL:03・5352・9999(10:00~18:00)

そんは 1981年3月26日生まれ、東京都出身。近作に、舞台『テラヤマキャバレー』『未来少年コナン』『松本清張 点と線』など。12月には一人芝居ミュージカル『ライオン』、来年にはミュージカル『イリュージョニスト』への出演も決まっている。

※『anan』2024年10月9日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・高村マドカ インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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