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“おりもの”は女性の健康のサインに。異常な時の状態を知っておこう

ananweb / 2024年10月12日 20時30分

“おりもの”は女性の健康のサインに。異常な時の状態を知っておこう

下着がベタベタして不快なおりものも、腟を清潔に保つなど、実は私たちの健康に不可欠な役割を担っている。病気のサインになってくれることもあるので、知っておいて損はなし!

【おりもの】女性の健康のサインになる。異常な時の状態を知っておこう。

おりものとは子宮頸部や子宮内膜、腟から出る分泌物のこと。その役割は?

「大きく2つあり、1つ目は自浄作用です。おりものにいる乳酸菌が腟内を酸性の清潔な状態に保ってくれることが、外から雑菌が侵入するのを防ぐのに一役買っています。2つ目は、腟内に潤いを保つこと。性的な快感を得ると、おりものが分泌され、性行為の際にペニスを受け入れやすくしてくれているのです」(産婦人科医・高橋幸子先生)

他にも、排卵期には透明で粘稠(ねんちゅう)なおりものになり、精子が卵子に到達できるように受精をサポートしてくれている。

ライフサイクルでいうと、女性ホルモンの分泌がピークの20~30代でおりものの量がもっとも多くなる。女性ホルモンの分泌が減少するのに伴い、おりものの量も少なくなっていく。生理周期によっても、量や色、状態が変わるため、おりものがどんな状態だと病院に行ったほうがいいのか判断するのが難しい。

「迷ったら、色とかゆみの有無を判断基準にしてみてください。かゆみはおりものと直接関係はありませんが、色の変化で気づける病気にはかゆみを伴うものが少なくありません。まず、透明もしくは白色か黄色で、かゆみがなければ様子を見ていいでしょう。赤、ピンク、茶色、黄緑、黒など色に変化があったら、病院へ。かゆみがあれば何色であっても、すぐに医師の診察を受けてください」

健康的なおりものって?



量が増えて透明になると排卵日のサイン。
卵胞期は量が少なくさらっとしていて、排卵日が近づくと増えていく。排卵期は粘り気が出てきて透明になり、ニオイはあまりない。この状態を覚えておくと、妊娠しやすい排卵日の目安がわかりやすい。排卵後は減っていき、色は白っぽく変化する。

【卵胞期】
量…少ない、色…残った経血で茶色っぽい、質感…さらっとしている

【排卵期】
量…多い、色…透明、質感…ネバッと伸びる

【黄体期】
量…やや多い、色…白っぽい、質感…ドロッとしている

【生理前】
量…少ない、色…白っぽい、質感…ドロッとしている

迷った時のおりものチェック



おりものが…



・黄緑色
腟トリコモナス症、性感染症の場合、原因菌と戦った白血球の死骸が混じって黄緑色になる可能性が。クラミジア感染症は鼻水のような黄色み。どちらも受診を。



・赤 or 茶 or ピンク色
排卵日前後、少量の血液が混ざってそうした色に見えることがあるが、異常ではない。排卵期と関係ない場合は、子宮がんなどによる不正出血の可能性がある。



・白く濁っている
カッテージチーズや酒粕のようにポロポロしているがニオイはない場合、腟カンジダ症の可能性あり。強いかゆみによって気づく人が多く、その場合は受診を。



・量が多すぎる or 少なすぎる
体調や年齢などによって、おりものの量は変わり、1か月のサイクルの中でも量は増減するので異常なし。多くて悩んでいる人は、おりものシートを使うのも。



・魚の腐ったようなニオイがする
ニオイに加え、色の変化がある場合は腟トリコモナス症や細菌性腟炎などが疑われる。「魚の腐ったニオイ」と表現する人から子宮頸がんが見つかるケースも。

おりもののギモンQ&A



Q. 閉経したらどうなるの?
A. 「女性ホルモンの減少に伴い、閉経前には量がだいぶ減りますが、ゼロにはならず、雑菌の侵入を防いでくれます。おりものが減って腟内が十分潤わず、性交時に痛みを感じる場合は、ゼリーなどサポートアイテムを使うといいでしょう」



Q. おりものは妊娠中も出る?
A. 「出ます。妊娠によって量が増えたり、酸っぱいニオイが強くなることも。妊娠初期と後期には、赤ちゃんに悪影響を及ぼす菌がいないか腟内のおりものを検査します。もし菌がいても、適切な治療によって対処できますのでご安心を」

産婦人科受診、知っておいて安心なコト

スカートで来院すると診断がスムーズに。
異常を感じたおりものなどの写真を見せると伝えやすい。
内診が苦手な人は、そう伝えよう。

診察を受ける際、ズボンでも問題ないが、着替えが必要になる。おりもの・経血の色や量の表現は人それぞれ。「症状のわかるおりものシートやナプキンを撮った写真があると、診察の助けになります」。診察で心理的ハードルが高いのが内診台。「どうしても抵抗がある方は、そう伝えて。経腹エコー検査など、外側から行う検査により診断できるものもあります」

産婦人科医・高橋幸子先生 埼玉医科大学勤務。全国の学校で性教育の講演を年間100回以上行うなど性に関する啓蒙活動を積極的に行う。著書に『おとめのカラダ大全 今さら聞けない避妊・妊娠・妊活・病気・SEXの超キホン』(KADOKAWA)などがある。

※『anan』2024年10月16日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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