【現代病】誰もが抱えている「ちょい病み依存」ってどんなもの?
ANGIE / 2016年8月12日 19時0分
ANGIE読者のみなさん、こんにちは。臨床心理士の山名裕子です。
私は表参道でカンセリングオフィスを開いていて、そこには日々「心の悩み」や「メンタルに関する疑問」を持つ方が、クライアントとしていらっしゃいます。
クライアントは、必ずしもうつ病や摂食障害のように毎日の生活も送るのが大変な方ばかり……というわけではありません。仕事に役立てるため人の心理を学びたいという意欲的な方もいれば、職場環境が変わったためストレスチェックをしにきたという気軽な方もいらっしゃいます。他にも、今後離婚をするため子どもの心の健康に気を配りたいからと予約をされる親御さんもいます。
このように、幅広い方が「心のことについてプロのアドバイスを受けたい」と気軽にやってこられることが、「心の病になってしまった」と駆け込んでくるメンタルクリニックと大きく異なるところでしょう。
今回から、そんな心の悩みの中でも現代病とも言われる「依存」についていろいろな角度から取り上げていきたいと思います。
現代病とも言われている「依存症」アナタも何かに依存している・・・かも!?
アルコール(お酒)や薬物(覚せい剤などの違法薬物のほか病院で処方される向精神薬の乱用)、ギャンブル(パチンコや競馬など)の依存症は、昔からよくあるものです。
でも今では、スイーツやSNSのようにとても身近でそれほど害があるようには思えないものにも“依存”するようになっています。ほんの十数年ほど前までは、これほど“依存”が日常的に入り込んでくるとは、誰も思っていなかったのではないでしょうか。
一体いつから私たちは「〇〇がないといられない!」と、何か特定のものにすがらないと心を保てなくなってしまったのでしょうか。ネット依存、スマホ依存、ショッピング依存など様々なものに“依存”しないといられない現代人たち。その原因の多くには、ストレスフルな世の中があるとされています。
ANGIE読者のみなさんも、仕事や恋愛、結婚などによって、プレッシャーもあればストレスもあることでしょう。ちょっとしたイライラや落ち込みをパーッと晴らすために「私は〇〇が必要なの」と、スイーツのヤケ食いや雑貨の大人買いなどを心のお守り程度に留めておくなら、それは上手なストレス解消法。
上手なストレス解消法から依存症までは、実はゆるやかに繋がっています。一体どこからどこまでが、「健康な範囲」「病的な範囲」なのでしょうか。
「依存」と「依存症」実は違う!現代女性に多い“ちょい病み依存”
危険ゾーンになってくるのは、「〇〇がないと不安でたまらない」「〇〇をしないと落ち着かない」と強迫観念や不安にかられるなど、〇〇をすることが単なるハッピーではなくなるところから。一般的にはこの段階でも、“依存症”と呼ぶこともありますよね。
「私、チョコレート依存症なの! 毎日食べないといられないの!」という方や、「毎朝、××のカフェでコーヒーを飲むことに決めているの。カフェイン依存症だからね。今日は飲めなかったから落ち着かない〜!」なんてときに、“チョコレート依存症”“カフェイン依存症”という言葉を使ったりします。でも、これは心理学的には“依存症”ではありません。いうなれば、“ちょい病み依存”の状態。
心理学的な“依存症”は、「配偶者に噓をついてまでアルコールを飲む」「借金を重ね、家計に影響を及ぼすほど買い物をしてしまう」「パチンコをやりたいがために会社を休んでしまう」というように、日常に支障をきたしたり、自分の意思ではコントロールができなくなってしまうまでになったものをさします。このような深刻な依存症になってしまった場合は、専門機関を受診し、投薬やカウンセリングのほか長期的なトレーニングといった治療を行わないと、健康的な生活に戻るのが非常に難しいと言えます。
ですが、「“ちょい病み依存”じゃなければ大丈夫!」と安心してはいけません。不安が続くのは良くないこと。しっかり心と向き合うことが大事です。
今回の連載では、「病院にいくまでもないのかもしれないけれど、心が苦しい」「このつらさを誰かに知ってもらいたいんだけど、多分、うつみたいな深刻な病気じゃないから我慢するしかないんだよね?」という程度の、現代女性の心に潜む「ちょい病み依存」をテーマに書いていきたいと思います。
【山名裕子】
メンタルオフィス「やまなmental care office」代表臨床心理士。
大学院にて心理療法の心得と技術を学び、2013年に臨床心理士の資格を取得する。主に認知行動療法によってカウンセリングをすすめ、心の専門家としてメディア出演をはじめ幅広く活動中。
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