【8月31日】ココロに嵐が吹き荒れる…?厄日「二百十日(にひゃくとうか)」に注意!
ANGIE / 2016年8月28日 15時0分
8月28日~9月1日は第四十一候「天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)」。9月に入ると暑さも落ち着き、過ごしやすくなりますね。
「粛」という言葉には、ひきしまる、つつしむ、しずか、という意味があるそうです。この時季、空は青さを増し、夕暮れになると澄み切った空気をふるわせるかのように、草むらや街路樹の下草から秋の虫たちが切ない声をひびかせますね。
季節を知り、季節を味わう。それはお金のかからない贅沢な大人のお遊び。心に吹き荒れる嵐、凛とした美しさを漂わせる花、女度をアップさせてくれる旬の果物。今日も季節をおもちゃに、贅沢な大人のお遊びしませんか?
七十二候とは?
時間に追われて生きることに疲れたら、ひと休みしませんか? 流れゆく季節の「気配」や「きざし」を感じて、自然とつながりましょう。自然はすべての人に贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。
季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。
「蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。
【8月31日】心に嵐が吹き荒れる厄日になるかも・・・?
「二百十日(にひゃくとうか)」という雑節をご存じですか? 雑節とは二十四節気以外の季節の移り変わりの目安となる日。農作物を収穫する農家の皆さんにとって、四季の移り変わりを読み、注意をはらうことはとても重要ですね。
雑節は、二十四節気だけでは季節の変化を十分に読み取れないと考えた、いにしえの人たちによって生み出された日本独自の暦。「二百十日」とは、立春から数えて二百十日目の日。台風上陸の時季と重なることが多い注意日とされているんですよ。
以前、夏至から十一日目は「天から毒が降る日」とされ、この日に野菜を収穫して食べたり、種を蒔いたりすることはよくないといわれていた、という記事を書かせていただきました。雑節も心にとめておくと、たとえばその時季、旅の予定を立てるといった場合の場所選びや、一日の過ごし方も変わってきそうですね。
これは余談になりますが、夏目漱石の小説「二百十日」は、阿蘇山を登ろうとした主人公が二百十日の嵐に遭遇し、ある決意をするという、人の心に吹き荒れる嵐を描いた一冊。夏目漱石はちょうどこの時季、阿蘇山登頂を試みたものの、嵐に遭って断念したそうです。その体験がベースとなってこの作品が生まれたのだとか。
今年の二百十日は、8月31日頃。心にさまざまな思いをため込んでいる人は、嵐が吹き荒れないようご注意を。いえいえ、嵐を起こしてみるのもひとつかもしれません。
いちじくの強力な開運パワーを味方につけて
今が旬のいちじく。いちじくは漢字で「無花果」と書きますが、花がないわけではありません。実の中にちいさな花をつけるため、花が咲かないように見えてしまう。そこで「無花果(いちじく)」と呼ばれるとか。
いちじくはふっくらと大きくて、はりと弾力があり、香りのよいものを選びましょう。お尻の部分が割れすぎているものは避けたほうがよさそうです。いちじくは便秘にもよいといわれていますよ。
やはり、旬の食べ物は強力な開運パワーに満ちています。旬の食べ物をつかって、料理を楽しむ。それも大人ならではの感性。赤ワインやレモン汁、三温糖をつかっていちじくのコンポートをつくるのもいいですね。バニラのアイスクリームに添えていただくのも美味。
またサラダ菜やルッコラといった生野菜の上に、スライスしたいちじくと生ハム、ゴルゴンゾーラとくだいたナッツを散らして、バルサミコ酢とオイルをかければ、カフェ風サラダの出来上がり。いちじくが入るだけでサラダもぐんとおしゃれに。もてなすほうも、いただくほうも、女度がアップする気がするから不思議です。
8月28日の誕生花
この時季の花といえば「むくげ」。8月28日の誕生花です。むくげは芙蓉(ふよう)と、とてもよく似ていますね。街路樹でも多く見受けられる花。「槿花(きんか)一朝(いっちょう)の夢」と表現されるほどはかないむくげの花は、朝に開いて、夜にはしぼんでしまいます。
この時季、私はむくげの花を眺めながら地下鉄へ。夕暮れになると地面に白い花がぽたぽたと落ちていて、それもまた風情があるなと思います。
三重県に鎮座する神社の茶室に通された際、茶花としてむくげが飾られていました。その姿がなんともすずやかで、心が洗われました。武士の時代から愛されてきた花には、はかなくとも凛とした美しさが漂っています。
七十二候。花鳥風月を愛で、季節を味わう。なんの予定もない一日は、季節の草花、空を眺め、旬のものをいただく。お金のかからない贅沢なお遊びと称して、ぶらり散歩へ出かけませんか?
【参考】『二十四節気と七十二候の季節手帖』山下景子/成美堂
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