将来子どもを産むために【卵子凍結保存】という選択
ANGIE / 2016年10月28日 23時30分
いつか子どもを産みたいけど、そのタイミングは今じゃない! でも年齢を重ねると卵子も老化してしまい、子どもが産めなくなるかも……。
35歳くらいになると、将来子どもを産むかどうか考えることもありますよね。皆さんは、「卵子凍結保存」について考えたことはありますか?
今回は、卵子凍結保存について「水天宮コパレディースクリニック」の小林裕介先生にお話を伺いました。
卵子凍結保存って何?
卵子凍結保存って言葉は聞いたことあるけど、実際どのようなものか分からないですよね。一体、卵子凍結保存とはどういうものなのでしょうか?
「卵子凍結保存とは文字通り、卵子を取って凍結させることにより老化を防ぐことを意味します。卵子を一旦取り出し、子どもを産みたい時期に合わせて再度卵子を体内に入れるんです。元々は、癌の治療が必要な患者さんが利用していたんですよ。治療法によっては卵子の機能を低下させてしまう薬が必要だったりするので、そのような女性が治療の前に卵子を取り出し治療が終わったら体内に戻すことができます。
病気になってしまって今すぐ子どもが産めない女性や、将来子どもを産みたいから、健康な卵子を持っているうちに保存しておきたいという女性には、よい治療法かもしれませんね」
卵子を凍結しておけば、好きなタイミングで産むことができるということになります。今は産みたくないけど、将来子どもを産みたいという女性にとっては魅力的な話ですよね!
卵子凍結保存のメリット・デメリット
卵子が老化すると、染色体異常の可能性も高くなります。卵子凍結保存を利用し卵子の老化を防ぐことで、たとえ高齢出産でも健康な子どもを産む可能性が高くなると言われています。また、現在パートナーがいなくても卵子を保存できることが魅力です。
このように将来の不安や結婚の焦りをなくすことができるというのがメリットなのですが、一方でデメリットも多いようです。
保険が適用されないので、費用は大体70万〜100万かかります。病院にもよりますが、卵子1つにつき保存費用は1万円。解凍して体外受精するときにも更に30万〜50万円かかります。
また、妊娠する可能性も100%ではないので、いくら卵子凍結保存を使ったからといっても安心はできません。
卵子凍結保存は未知の世界
費用が高くても、やはり独身女性には魅力的な話。小林先生に、卵子凍結保存の安全面について聞いてみました。
「実際、今はまだ研究段階なので未知の世界なんですよね。卵子凍結保存で、実際に生まれて来た子ども達はいます。でも、卵子凍結保存による子どもへの害や発症する病気などの結果がまだ出ていないんですよ。ですので、絶対に安全だという保証はないです」
すでに日本でも卵子凍結保存が可能な外来はあるものの、まだまだ研究段階で、安全が完全に担保された状況ではないようです。
「もちろん癌やその他の病気になってしまったため、一旦卵子を取り出して治療が終わったら戻す方もいます。ですが、将来高齢でも子どもを産みたいという理由であれば、卵子凍結保存を考えるよりも卵巣や卵子の健康を保つことが大事です。そのためにもしっかりと子宮の検査をすることをおすすめします。
お腹に命が宿るということは、 簡単ではありません。「仕事を優先したいから」や「今は産みたくないから」という考えで卵子凍結しても、妊娠できるとは限りません。
将来、本当に子どもを産みたいと考えているのであれば、「卵子凍結保存があるから大丈夫」という考えを捨て、信用のできる産婦人科を見つけて体の健康をしっかり管理することが大切です!
【小林裕介】
Photo by 水天宮コパレディーズクリニック
水天宮コパレディーズクリニック院長・医学博士。2007年 日本大学医学部医学科卒。2016年 5月11日より水天宮コパレディースクリニックをオープン。
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